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商業用不動産ローンの債務不履行が記録的水準に

  • 投稿日:2010年4月22日

以前にも取り上げておりました2010年問題の隠れた爆弾、商業用不動産ローンの焦げ付きが、いよいよ表面化しつつあります。住宅ローンが沈静化した次は、CMBS問題です。国内外を問わず、深刻な問題だと思います。金融機関の決算内容は、全く信用していません。WSJの記事を以下引用します。ご参考まで。

 

商業用不動産ローン担保証券(CMBS)に組み込まれたローンの債務不履行が記録的水準に達しつつある。そのため、証券保有者には損失拡大の恐れがある一方、物件のオーナーや債権者は債務再編を迫られている。

 格付け会社フィッチによると、CMBSに組み込まれたローン約5360億ドル(約50兆円)のうち11%以上が、年内に60日以上の延滞になる見通しだ。延滞率はこの1年で急増し、現在は7%程度。過去1年で急増した背景には、賃貸料の支払いが滞り、物件オーナーの返済が難しくなったほか、CMBSの新発市場がまひ状態にあるため期限を迎えた債務の借り換えができないという事情がある。

 ゴールドマン・サックス・グループとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド傘下グリニッチ・キャピタルが2006年に組成した42億ドルのCMBSは大きな問題を抱えている。予想される11.7%の損失は、フィッチが分析対象としている同年のCMBSの中で最大だ。

 米不動産業界はバブルの間、CMBSを多用した。不動産バブル崩壊前の債務不履行は1%に満たなかった。CMBS市場は今、報いを受けつつある。ドイツ銀行によると、約700億ドルのローンは、債権回収会社によって保有されている。

 同行のアナリストは、こうした会社が約137億ドルのローンを再編したとみている。景気が回復するなかで、返済期限の延長や金利減免などの債務再編を進めることは、証券保有者や借り手が損失拡大を避ける一助となりうる。しかしなお、債務不履行を免れない借り手もいる。

 米資産運用会社ブラックロックのマネージングディレクター、マーク・ワーナー氏によると、米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントが保有するLNRプロパティーやカナダの年金運用会社ケス・ド・デポ・エ・プラスマン・デュ・ケベック傘下のCWキャピタルは、1990年代初めの不動産バブル崩壊時の「脚本をそのまま繰り返している」という。

 

 債務再編の戦略として、ローンを優良、不良で分ける方法が増えつつある。たとえば、グロスマン・カンパニー・プロパティーズは1年前、フェニックスのアリゾナ・グランド・リゾートに絡んだローン1億9000万ドルの債務不履行に陥りかけた。同社は出張や観光旅行の減少を受け現在も苦戦している。

 グリニッチ・キャピタルによるこのローンは、ゴールドマンとグリニッチが06年にCMBSに組み込んだ。このCMBSには、ロサンゼルスの複合オフィスやショッピング・ビル6棟に対する不良債権も組み込まれている。グロスマンはCWキャピタルとの数カ月にわたる交渉の末、580万ドルの資本注入と引き替えに物件を保持することを認められた。

 ドイツ銀行によると、グロスマンのローンは2つの部分に分けられた。1つはゴルフコース2つなどを備えた640室のリゾート施設からのキャッシュフローで、ローンのうち1億ドルの返済を担う。残り9000万ドルについては、16年にローンの期限を迎え、最初の支払いが終わるまで返済を免除される。

 ドイツ銀行のアナリストによると、この債務再編により、優先債権者による回収が先送りされる一方、劣後債権者は返済期限前に損失を被る事態を避けることができる。債務再編を支持する向きは、物件を処分していれば損失が拡大した公算が大きいため、この債務再編がすべての証券保有者と借り手にとって最良の方法だったとみている。

 ただ、関係筋によると、債務の負担が軽減されたからといって、このリゾートが好業績を上げられるかどうかは不明だ。


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