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海外マクロ・コメント

  • 投稿日:2009年10月20日

10NAHB住宅市場指数は4ヵ月振りに低下

 

建設業者の景況感サーベイであるNAHB(米住宅建設業者)指数は前月比-1pt184ヵ月振りに低下した。指数を構成する3項目をみると、現在の一世帯住宅販売が同-1pt17、将来の一世帯住宅販売が同-2pt27、客足見通しが同-3pt14といずれも悪化している。3項目が全て低下するのは200811月以来である。この一因としては、1130日に8000ドルの住宅一次取得者向けの税額控除が期限切れすることが指摘できよう。実際、NAHBのプレスリリースでも、「現時点では減税が利用できる1130日よりも前の時期に新築住宅の販売を完了させることはほぼ不可能」なことから、すでに減税の期限切れの影響が現れているとされている。

 

NAHB税額控除の延長を提言しているが、オバマ政権や議会は消極的な姿勢を崩していない。オバマ政権は19日、中低所得者向けに民間を0.50.6%下回る金利でモーゲージ・ローンを行っている州政府運営の住宅金融機関(HFA)が新たなモーゲージ・レベニュー債を発行し、それを裏付けにファニーメイとフレディマックが発行した債券を米財務省が購入する枠組みを年内に導入する意向を発表した。ただ、それによってどの程度の効果が見込まれるかは不透明であり、税額控除の期限切れの影響を受ける11月から12月にかけての住宅市場の動向が注目される。

 

図表1NAHB住宅市場指数と一世帯住宅着工件数

 

NAHB住宅市場指数地域別内訳はマチマチであり、北東部が前月比+1pt25200711月以来の高水準に回復する一方、中西部と南部はともに同-1pt18と小幅に低下、西部は同-4pt14と大きく落ち込んだ。カリフォルニア州を含む西部は値ごろ感の高まりを受けて中古を中心に住宅販売や住宅価格の改善が特に著しかったため、建設業者の景況感が11月に持ち直すかどうかが特に注目されよう。

 

 

○ニューヨーク連銀はリバース・レポが金融引き締めのタイミングと無関係と表明

 

ニューヨーク連銀は19日に声明を発表し、FRBが現在実施しているリバース・レポに関する協議や準備から「金融引き締めのタイミングに関する推測を導くべきではない」と明言した。リバース・レポはFRBがポートフォリオに保有する証券を買い戻し条件付きで売却して一時的に流動性を吸収するというものであり、7月のバーナンキ議長の議会証言でも預金準備の金利の引き上げとともに「出口戦略」の有力な手段として挙げられていた。FRBは数週間前からプライマリー・ディーラーに対してリバース・レポのヒアリングを行っており、市場の一部では「出口戦略」が早期に実施されるとの思惑に近づいてきた。

 

このタイミングでニューヨーク連銀がこのような声明を出した一因としては、週末のバロンズ紙のカバー・ストーリーで投機抑制とドル安阻止のためにFFレートを2%まで引き上げることが主張されていたこともあるかもしれない。バーナンキ議長も19日の講演で(アジアに関する文脈ではあるものの)「危機時に導入した刺激策の解除には慎重な判断が求められる。政策当局者は、支援策を早く解除しすぎて初期段階の回復を腰折れさせるリスクと、拡張的な政策を長く続けすぎて経済を過熱させるか長期的な財政不均衡を悪化させるリスクのバランスを取らなければならない」と述べた。早すぎる出口のリスクにも言及されたことからみて、FRBは現時点で市場の利上げ観測が過度に高まることを避けようとしていると思われる。

 

 情報提供:バークレーズキャピタル証券株式会社


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