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海外マクロ・コメント

  • 投稿日:2009年10月16日

対照的だった10月分の地区連銀サーベイ

 

10分の2つの地区連銀サーベイは対照的な内容だった。まず、先に発表されたニューヨーク連銀のエンパイア・ステート製造業指数は前月比+15.69pp+34.5720045月以来の高水準に達した。個別項目をみると、新規受注が同+10.98pt+30.82、出荷が同+29.74pt+35.08と急上昇したほか、雇用者数も同+18.72pt+10.3920086月以来初めてプラス(「増加」超)に転じている。この結果、ISM製造業サーベイと同様な方法で作成した総合指数(新規受注、出荷、雇用者数、入荷遅延、在庫の平均で50を中心とする指数に換算)は56.29月の49.3から大幅に改善した。一方、その後に発表されたフィラデルフィア連銀指数は前月比-2.6pt+11.5と小幅に低下し、 lang="EN-GB">ISM方式の総合指数も46.29月の47.0を下回った。

 

市場の反応はエンパイア・ステート・サーベイの方が(同じ時間に発表された9月消費者物価と失業保険新規申請件数も予想に比べて良好だったこともあり)大きかったが、フィラデルフィア連銀サーベイについても統計の歴史の古さを考慮すると無視すべきではないだろう(フィラデルフィア連銀サーベイは19685月まで遡ることができるが、エンパイア・ステート・サーベイは20017月からしかデータが存在しない)。図表1で示したように両サーベイのISM方式の総合指数と全米のISM製造業指数と比較してみると、概ねエンパイア・ステート・サーベイを上限、フィラデルフィア連銀サーベイを下限とするレンジの範囲内にISM製造業指数が概ね収まる傾向がみられる。今年6月以降の4ヵ月間はISM製造業指数が両サーベイのレンジよりも強くなっているが、仮に従来の関係が再び成立してくると想定するならば、エンパイア・ステート・サーベイの結果のみでISM製造業指数の一段の上昇を見込むのは早計であろう。

 

 

9月消費者物価は一時的要因でコアがやや高めに

 

9消費者物価(CPI)では、コアが前月比+0.2%と市場予想(同+0.1%)を「上回った」ことが市場で材料視された。ただ、小数点3桁表示のコアCPIは前月比+0.164%となっており、わずかな差で四捨五入により同+0.1%でなく同+0.2%になったにすぎない。また、上昇が目立ったのは、新車(同+0.4%自動車買い替え促進策で8月に同1.3%値引きされていた反動)、航空運賃(同+3.4%)、宿泊料金(同+1.5%)など振れの大きい項目が多かった。このため、今回のコアCPIは決してインフレ圧力の高まりを示す内容ではなかった。

 

コアCPIの内訳をみると、財コアは(おそらく自動車価格の変動の影響もあり)前月比+0.3%8月の同-0.3%の反動で上昇する一方、サービス・コアは同+0.1%8月の同+0.2%から鈍化し、「財が上昇、サービスが鈍化」という従来のパターンが続いている.ただし、現在のCPI財コアの上昇は昨年半ばまでのPPIや輸入物価の上昇が遅行して現れた面があると考えられ、(ドル安や商品価格上昇で輸入物価や原材料・中間財価格は上向きつつあるものの)当面は低下圧力を受ける可能性の方が高いと思われる.サービス価格については、最大項目の家賃、帰属家賃の鈍化が著しく、9月にはともに前月比-0.1%と低下した。家賃の上昇率の減速は賃貸住宅の空室率の上昇や不動産市場の低迷を背景にしたものとみられ、当面は回復することが見込み難い。高水準の失業率による賃金上昇圧力の抑制効果や最近の労働生産性の大幅な改善も踏まえると、今後のコア・インフレ率は上昇するよりも低下する可能性の方が高いと考えられる。

 

情報提供:バークレーズキャピタル証券株式会社

 


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