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海外マクロ・コメント

  • 投稿日:2009年9月17日

FRBは利上げに近づいているのか?

 

16日付けのロイター通信では、著名投資アドバイザーのレポート内容として、FRB内部で利上げを開始する時期について意見対立が強まっており、来週のFOMCで少なくとも2名の高官が利上げを支持する見通しと報じた。この記事によると、多数派は持続的な景気回復が始まるまで金融引き締めを真剣に論じるべきではないと考えている模様であるが、(バーナンキFRB議長が15日に発言したように)景気後退の終了がほぼ確実となってきたことで、タカ派が警戒的なトーンを強めてきた可能性がある。

 

ロイターの記事では、利上げを主張している2名の高官は特定されていないが、足元で地区連銀総裁からタカ派的な発言が出ていることは事実である。2日にはプロッサー・フィラデルフィア連銀の総裁が「利上げサイクルの開始はおそらく2009年中には起こらないだろう」としながらも「利上げのタイミングは回復の展開次第だが、FRBは一部で予想されているよりも早期に行動を起こす準備ができていなければならない」と警告していた。また、10日にはロックハート・アトランタ連銀総裁、14日にはラッカー・リッチモンド連銀総裁が、FRBは現時点で設定された1.25兆ドルのMBS買い取り枠の全額を購入しない可能性もあると発言した(ただ、エバンス・シカゴ連銀総裁は9日にMBSの買い取り枠が全額購入される可能性が高いとしている)。

 

来週23日のFOMC声明文では景況判断が一段と前向きになる一方で政策金利や資産買い取り枠に関して新たなメッセージが送られることはないとみられるが、反対票が出てきた時には市場でFRBの出口戦略に関する思惑が再浮上する可能性もあろう。

 

7-9月期の実質GDP成長率がプラス転換する可能性が高まる

 

8月の鉱工業生産は前月比+0.8%と強い伸びになり、7月分も同+0.5%から同+1.0%へと上方修正された。特に製造業生産は7月の前月比+1.4%8月が同+0.6%2ヵ月連続で回復し、78月平均は4-6月期平均をすでに1.2%も上回っている。このため、7-9月期の製造業生産が20077-9月期以来2年振りに増加に転換することはほぼ確実となった。製造業は最も落ち込みの激しい業種の一つだったため、これによって7-9月期の実質GDPの前期比ベースの成長率がプラスに転換することはほぼ確実になってきたと言って良いだろう(図表1)。

 

図表1:製造業生産と実質GDP

8CPIは安定

 

8月消費者物価(CPI)は総合で前月比+0.4%、コアで同+0.1%とほぼ予想どおりの結果となった。コアは小数点3桁表示では同+0.068%と、7月の同+0.091%に続き極めて安定している。CPIコアの内訳をみると、財コアが同-0.3%7月の同+0.2%から低下に転じる一方、サービス・コアは7月の同0.0%に対し同+0.2%と上昇した。財コアについては自動車が買い替え促進策の効果で同-0.4%と一時的に引き下げられた効果もあるものの、PPI消費財コアとの通常のラグを考慮すれば昨年後半以降の川上段階の物価上昇圧力の弱まりが現れ始めた兆候とも判断できる。一方、サービスでは居住用家賃(同0.0%)、帰属家賃(同+0.1%)が引き続き安定している。賃貸住宅の空室率が過去最高を更新するなか、今後も家賃に関連した項目がサービス価格の上昇を抑制する公算が大きい。米国経済の循環的な回復はより確実となってきたが、現時点ではFRBが利上げを急がなければならないようなインフレ圧力の高まりは確認されず、むしろディスインフレがしばらくは続くと予想される。

 

図表2CPI財コアとPPI消費財コア

図表3CPIの家賃と帰属家賃

情報提供:バークレーズキャピタル証券株式会社

 

 


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