人生を豊かにする経済とお金の学校 グローバル資産形成学院

強気と弱気2

  • 投稿日:2010年4月27日

バロンズより抜粋

オールド・ノーマル

■ 市場はほぼ正常状態に回復

 気に入らないものは何だろう?ダウ工業株30種平均(NYダウ)は8週連続で上昇し、大型株株価指数は過去15日中12日で上昇、小型株も急騰する中、市場はギリシャやアイスランド、ゴールドマン・サックス(GS)をめぐる潜在的な悪材料をはねのけて、好調に推移している。長期ではないにせよ足元の市場で気に入らないものと言えば、こうした動きに対するトレーダーや投資家の歓迎ぶりだ。個別銘柄もセクターもマクロ経済やメカニカルな要因よりもそれぞれに関連したデータに反応し、反落は魅力的な価格で買いを入れるチャンスと受け止められている。これらの要因に鑑みると、反落が起こるとしても「大きな反落」の始まりにはならないと見られる。

 目下、根強い問題となっているのは、機関投資家の姿勢を示す指標とトレーダーの投機的行動が警戒シグナルを発している点だ。先週、プット対コール売買高の25日移動平均は数年間で最低の水準に低下し、強気派の過剰な自信と段階的な株価上昇による弱気派の後退が示唆された。機関投資家のセンチメント調査によると楽観的な見方が懸念すべき水準に達している一方で、個人投資家のセンチメントはそれをはるかに下回っている。タイミングを計る手段としては優れているとは言えないものの、企業内部関係者は過去2~3週間にわたり大量に株式を売却した。カーペンター・アナリティクス・ドット・コム(www.CarpenterAnalytix.com)のロビン・カーペンター氏は、現在、マネージド・フューチャーズのヘッジファンドの株式に対するエクスポージャーは、2000年初め以降で見て95%の週における数字を上回っていると指摘している。

 こうしたことを総合すると、現時点から株価の上値を追うのは勝算が低く、株価が予想外の要因でつまずいたり、単に失速したりする可能性が高い。しかし、S&P500指数はリーマン破綻(はたん)後の下落分を実質的に取り戻しており、市場では正常に似た状態への回復が示唆される。

■ ゴールドマン訴追事件にまつわる市場考察

 米証券取引委員会(SEC)によるゴールドマン・サックス訴追事件でまだ取り上げられていない論点はただ一つでも存在するだろうか?政府の申し立ての法的・倫理的メリットや、問題となっているモーゲージ商品の組成におけるゴールドマンの行動については残っていないように見える。この件に関する先週の論評について、簡単な意見を2~3述べて、より緊急の問題に切り込んでみるのがよかろう。先週の論評は以下のとおりだった。

 「問題となっている取引の広範な影響に関して、それが原資となる住宅ローンの質を悪化させたのでもなければ、そのデフォルトを速めたわけでもないというのは、言い訳にはならないが、それが危機の根本的な原因ではなかったことを思い出させてくれる。第ににゴールドマンの行動と情報開示が法的に疑わしいかどうかということよりも、もっと別な行動がとれたはずであるという事実の方が重要だ。ゴールドマンも同業他社もサブプライム合成債務担保証券(シンセティックCDO)を現在活発に組成していないことに留意する必要がある」。

 しかし、懲罰の局面はいつも金融事件の後で現れる。われわれはドライバーの一団の後で渋滞に巻き込まれており、少なくともドライバー全員に部分的な非があり、ねじ曲がった鉄の山の近くで警官とドライバーとが言い争っているというのが現状だ。この事件に対する注目で一番興味深いのは、市場の推移とは裏腹に、一般大衆や公共政策の関心が依然2008年に注がれている点だ。上述の機関投資家の過剰に楽観的な見方やトレーダーの活発な行動、そして景気に対する楽観的なマスコミ報道を踏まえると、こうした前進を渋る一般的な傾向は、強気相場の終わりにつながるある種の熱狂を払いのける役割を果たすため、全体としてみると市場にとって好材料と言える。

 この点に関して小さな出来事を一つ。筆者が先週ウォール街のコーヒーショップに座っていると、観光客のカップルがオランダ語なまりで「ゴールドマン・サックスはどこですか?」と尋ねてきた。筆者が新社屋への行き方を教えると、続けて「ではリーマン・ブラザーズはどこですか?ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫、FNM)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社、FRE)は?」筆者はついでにはるか遠くのワシントンD.C.への行き方もアドバイスした。われわれが2008年の秋に思いを寄せ続ける限り、そしてバックパックを背負ったブロンドのカップルが数千マイルも離れた場所から破綻した金融機関を見ようとやって来る限り、金融市場回復期の傲慢さの局面にまだ入っていないことは確かだといえる。たとえ、今回その局面が到来するとしても。


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