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2015年4月に日本の経済統計の多くがぶれそうな理由とは?

  • 投稿日:2015年3月16日

今回は、皆さんの仕事にも生活にも投資にも有益な、やや盲点と思われる今後の日本のデータについて、ご一緒に確認してみましょう。

 消費増税の影響で停滞気味だった日本の消費と景気。2014年4月の消費増税は物価を大きく押し上げると同時に、駆け込み需要とその反動減を生み出し、予想外の消費低迷もあり日本の景気停滞を長引かせた。その結果、増税後の一部の経済指標は前年と比べると、普段とはかなり違った変化率になりがちだ。その一方で、今年4月になると経済統計の世界では計算上、前年の増税の影響が消え、数値が急変する統計も出てくる見込みだ。

 もちろん多少の誤解があっても良いニュースがあればみな機嫌が良くなりやすいし、その結果株価が上がり消費も増え、景気が良くなってしまう可能性も、無視はできない。景気の世界も、「病は気から」という現実は、結局は人間のする事なので、確かにある。しかし、前年比と絶対値の数字が違うように、表面的なデータと現実の動きは、実は意外と違う。例えば売れ残り商品かもしれない在庫増加を、日本の経済力を表すGDP(国内総生産)では、「そのぶん、日本の経済力(GDP)が増加した」と、発表している。景気の状況を正しく理解するには、こうした統計上のトリックに惑わされない様にすることが重要だ。何といっても景気は、皆さんの収入と雇用情勢に、しっかりと関わっている。

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実質賃金は今後は意外と増加か?
 消費増税の影響で、2015年4月前後の経済統計にはトリックが潜むものもある
例えば厚生労働省の毎月勤労統計調査で公表される、インフレを考慮した私達の雇用者所得を表す実質賃金指数だ。名目賃金にあたる現金給与総額から物価上昇分を除いた同指数は、今年1月まで19カ月続けてマイナスが続いている。14年度に入って減少率は3%前後に広がり、「物価上昇に賃金が追いついていない」として、政権批判の材料に使われるケースも目立った。

 ところが、実質賃金指数は4月以降にプラス転換する可能性が高い。そもそも同指数が大幅なマイナスになったのは、指数を計算する際の「物価」が消費増税で押し上げられたためだ。名目賃金は最新の1月の速報段階で1.3%増と11カ月連続で増えているが、消費増税による物価の押し上げ効果が大きく、実質賃金がそのぶんマイナスとなっている。

 4月以降は、消費増税による物価押し上げ効果の影響が消える。しかも日本のインフレ(物価上昇)にかなりの影響力がある原油価格は更に下がりそうな状況で、天然ガスも原油価格に引っ張られて安くなり易い。バークレイズ証券の永井祐一郎エコノミストは15年度の実質賃金指数を「1.1%増」と予測。4月に0.3%増に転じた後、8月には2.2%増まで上昇するとみる。同指数のプラスは消費者心理の改善に寄与する可能性もありそうだ。景気もそれなりに良くなるだろう。何といっても「賃上げ」は、消費増加の特効薬だ。それを先取りして上がったのが、日本の株価だ。実は経済(景気)に詳しい人は、投資にも向いている。だから日本で投資でひと財産作った人の多くは、社会人としてもそれなりに活躍中だ。

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消費関連のデータを過大評価しがちなデータのゆがみとは?
 増税前の駆け込み需要の影響を受ける消費関連指標も注意が必要だ。例えば、家計調査だ。1月の2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり28万9847円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて5.1%も減少した。14年同月に駆け込み需要が高まった反動が出て、前の月(3.4%減)から更に減少率が大きくなった。3月に向けて前年の駆け込み需要がさらに強かったため、マイナス幅は拡大する可能性もある。

 一方で、4月以降は見た目ではよく見える可能性が高い。前年4月からは駆け込み需要の反動や節約志向の強まりで消費は振るわなかった。このためスタートラインが低くなり、消費が増えたように見えやすくなる。分かりやすくいえば、「ぱっとしなかった昨年の同じ時期と比べると、そこそこの景気や消費でも、前年と比べると増えて見える」のだ。商業動態統計、新車販売台数なども前年同月で比べた場合、同様の現象がおきる可能性が高いので、頭に入れておく必要があるだろう。絶対値がどうであれ、「前年よりはまし」なら、新聞やテレビはせっせと報道しまくる。広告主や政府も喜ぶからだ。良い悪いではなく、世の中はそのように動いている。

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物価はまた低下か?
 消費者物価指数(CPI)は消費増税によるかさ上げが4月からなくなる。直近に発表された2015年1月の前年同月比のCPI上昇率は2.4%(総合指数)、生鮮食品を除いたコア指数は2.2%だった。内閣府や日銀によると消費増税による物価押し上げは約2%。原油安の影響が波及し、CPIの上昇率は縮小の途上であることも考え合わせると、かさ上げが消えれば4月以降のCPI上昇率は0%近辺に落ち込み、マイナスに転落する可能性もある。しかしこれは、本当に悪い事なのだろうか? 原油の輸入額が減れば米ドルなどのお金が余計に残り、ひと安心だが・・・??

 一方、この半年間の物価上昇率鈍化の主因だった原油安の影響もいずれは解消する。1バレル100ドルを超えていた原油価格は昨年秋から年始頃まで急低下したが、その後は50ドル近辺で推移している。SMBC日興証券の嶋津洋樹シニア債券エコノミストによると、原油価格がこのまま横ばい圏で推移した場合、前年比で見て原油安による物価下押しの影響が解消されるのは来年度末頃となる。その結果、CPI上昇率は1%弱まで上がる見通しだ。日銀は「15年度を中心とする期間」に年率2%の物価目標を達成するとの物価予想をしている。1000兆円規模の日本の政府債務の負担を軽くするためにも、日本の緩やかなインフレとそれ以下も超低金利の持続は、政府と巨額の日本国債を買いまくっている日銀には、望ましい状況なのだ。

 期限内の目標達成のためには、原油安の影響が消えることによるかさ上げ分とは別に、今後1年間で1%程度の物価上昇を実現する必要がありそうだ。この鍵を握るのは、負担が重すぎるこれ以上のドル高円安ではなく、賃上げによって実現される可能性ももちろんあり、だからこそ奇妙なほどに政府やマスコミは、春闘や賃上げに関心を持っている。

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日時:2015年03月19日(木) 19:00 〜 21:00
場所:東京都港区虎ノ門
詳しくは、こちらをどうぞ。
http://www.aoia.co.jp/reading-classroom-of-now-begin-economy-article-for-asset-management.html

AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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