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中国の若年人口と教育事情が示唆する近未来の中国とは?

  • 投稿日:2014年9月5日

今回は皆さんも気になっている「中国の若年人口と教育事情が示唆する近未来の中国とは?」について、ご一緒に考えてみましょう。実はこれは、なかなか衝撃的な内容なのです。

 

日本の大手大学進学予備校がリストラの時代に突入した。特にかつて一世を風靡(ふうび)した代ゼミの大リストラ報道は、何ともシンボリックなものだ。大学に浪人してまで入学する若者の減少と少子高齢化、そして代ゼミが苦手な理系が人気となったのだから、たまったものではない。しかし中国では、「代ゼミ大リストラ問題」よりも桁違いに重要で深刻な「高等教育の異変」が、なぜか日本ではほとんど報道されないものの、現在も進行中なのだ。

 

中国版少子化の波が容赦なく襲う

 若年層が大幅に減っている中国社会の隅々にも中国版少子化の波が容赦なく襲ってきている。たとえば、中国版専門学校・短期大学とも言える「高職高専」の学生募集がいまや悲惨な状態に陥っている。就職には「高職高専」の卒業生の方が下手な大卒よりも有利なだけに、多くの中国の若者にとっては、将来はより困難な状況となろう。

 

 中国では、高等職業教育を実施する教育機構である職業技術学院、高等専科学校を略して「高職高専」と呼ぶ。修業年限(在学期間)3年が大半である。専門性から見れば、日本の専門学校に近いが、学歴的には、短期大学に近い。4年制大学と比べて、聞こえも見栄えも落ちる。だから、多くの高職高専が4年制大学への変身を熱望している。

 

 しかし、中国が世界の工場となってからは、高職高専卒の学生はむしろ二流三流の4年制大学卒よりは就職しやすく、給与の面でも上回っているケースが多い。

 そのため、一部の高職高専もかなり人気を得ている。ここ10年くらい、中国の大卒にとっては就職の氷河期と呼ばれるほど就職難の時代が続いている。そもそも中国はまだ一人当たりのGDP(国内総生産)が1万ドルにも達していない巨大過ぎる新興国で、もし先進国にたどりつけるとしても、早くて数10年後だ。毎年700万人を超える大卒は、そもそも要らない。製造業やサービス業のそれなりに良質な大量の労働者が求められている状況だ。しかし中国の高等教育の現状は、真逆の方向に爆走中だ。

 

 しかも、中国の若年人口の減少、大学の乱立と学生募集規模の無秩序な増加により、中国の大学進学事情も次第に変調を来たしている。その変化がいち早く現れたのが、高職高専である。

 

 生活水準が高く都市が集中する沿海部では、進学適齢期の若者の関心が4年制大学に集中している。定員割れを避けたいと必死になっている高職高専は自然に学生を探す目をほかの地域に向けた。教育機構が少なく、教育レベルも低いと見られる中国の西部に学生募集の重点を置く高職高専がかなり出てきた。

 

 「良質な就職のチャンスが減り労働できる期間が減り学費も余計にかかる」のに、中国の若者は大学生になりたがってばかりいるのだ。一種の贅沢病ではないだろうか?

中国の家庭は、愛情だけではなく手間やお金の面でも子供を大事にし過ぎる傾向があるが、それが裏目に出ている様だ。

 

 シルクロードの奥地の、名前だけでは場所も分からないような小都市でさえ現在は、袋小路の路地裏に、多くの広告が貼り付けられている。そのいずれも日本の専門学校にあたる職業技術学院の学生募集広告である。看護師、航空会社の乗務員、外語のできる秘書、油田の技術者、地質探査の技術者など、まさに現在の中国が必要とする人材を養成する学校が多い。奨学金の充実や卒業後の就職保証などを宣伝しながら、学生募集に躍起になっている。

 

それでも応募者数0の学校が続出!

しかしそれでも、今年、4年制大学ブームに沸く沿海部に比べ、よりよい教育の機会に恵まれていない西部に学生募集の重点を置く高職高専のなかには、応募する学生が1人もいないという学校もかなりあった。このことがメディアで報じられたとき、高職高専だけでなく、4年制大学も一様にそのニュースに衝撃を覚えた。

 

 西安を省都にもつ陝西省では、学生募集を行った文系高職高専の597校のなかで、139校は志望者数が0だった。理科・工科系の640校のなかで、181校が学生に完全に無視された。

 

こうした現象は別に陝西省に限ったものではなく、他の地域にも同様に現れている。たとえば、安徽省では、文系・理系・工科系を合計すると、約120校が1人の学生も募集できなかった。同じ運命に泣いた学校は、貴州省では約160校、海南省では、理系・工科系は約30校、文系は約50校もあった。

 

 もちろん、高職高専も合格点を半分弱まで激減させるなど、あの手この手で学生の心をつかもうとしているが、若年人口の減少に対しては、いかに頑張っても多勢に無勢という感を、高職高専の関係者も持っているだろう。

 

 2008年、中国の18歳の人口は2621万だったが、わずか5年後の2013年には、1596万に激減した。しかもこの人口減がまだ進行中だ。同年、中学校が1493万人の新入生を迎えた。これは3年後、18歳人口が千四百数万人になる事を意味する。高職高専と大学の倒産、閉鎖などが語られる時代もいよいよ近づいた。

 

 将来の仕事をまじめに考えない若者とそれを放置する家庭。この問題に真面目に介入しない中国政府。そして今後も急減する若者。これらすべてが物語っているのは、今後の中国の技術的停滞と、景気減速だ。やはり中国は、教育面や人口面から見ても、「巨大すぎる新興国」で終わり、経済成長率は徐々に低下し、先進国にはたどり着けないだろう。

中国は大国気取りで周辺諸国と紛争を繰り返す余裕は、とっくにないはずだ。

 

今後の投資環境と私たちの暮らし、そして世界経済にとってこれは、今後数10年間にもわたって、無視できない影響を与え続けることだろう。

 

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

 

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