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2014年7月2日(水) 知られざるブラジル経済の現状と今後の見通し(後半)

  • 投稿日:2014年7月2日

こんにちは。AOIAフェローのDataと小勝負です。

今回は、前回の続きです。これまた、意外な事ばかりです。

2014年7月2日(水) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

消費マインドを悪化させたインフレ

ブラジルの小売売上高は昨秋来、頭打ちとなり、本年に入って次第に弱含みの傾向が強まった。

主因は消費者マインドの冷え込みだ。

しかし雇用情勢は堅調だ。労働力人口が昨年半ばから減少に転じたものの、失業者数が大幅に減少する一方で、雇用者数は安定的に推移している。

人手不足は経済成長には重荷だが、国民の生活実感はそう悪くはなさそうだ。

実際、失業率は2014年4月には4.6%と、過去最低を更新した。

労働需給のひっぱくは賃金上昇を後押しする。貧困層が減り、中間層が増える。

同国でも貧困と犯罪は密接に絡む。麻薬問題も同様だ。

言うまでもないが治安改善は、都市(再)開発やビジネス・商業活性化による景気改善、不動産価格上昇、良質な雇用増加に、貢献する。財政にもプラスだ。この効果は持続的で巨大だ。

なお、ワールドカップ大会に向けた建設工事の遅れを、反対運動の強まりや国民性によるものと見なす見方が有力だ。

しかし状況は意外と日本に似ている。わが国でも昨年来、建設工事労働者不足が深刻化し、工事の遅延が広がった。

労働力に制約があれば、どの国でも工事は進まない。

ただ、工事中の事故で死傷者が続出したのは事実で、物作りに本当にこの国が向いているのかは、やや心もとないのも事実だ。

消費者マインド悪化の原因は何か。インフレだ。

消費者物価の前年比上昇率は12年6月の5.1%を底に急上昇し、13年初来、7%前後の上昇が続いている。インフレで実質所得が目減りしたうえに、13年4月以降の金融引き締めで景気の先行き懸念も強まった。

しかし結局、インフレもレアル下落も、20世紀末ほどではないまま、終わりそうなのだ。

実際、本年2月半ば以降、レアルが反転上昇に転じているのだ。

その背景はブラジルの再評価だ。

経常赤字や低成長の主因は、活発な内需の結果による資金の国外流出だし、年明け以降の穀物価格を中心とする一次産品の価格上昇は、農業国でも資源国でもあるブラジルには、追い風だからだ。

すでにインフレ一巡のきざしもある。5月の生産者物価は、昨年5月以来1年振りの前月比マイナスとなった。

金融政策の軌道修正が視野に入ったと言えよう。輸出増を加味してみれば今後、内需が持ち直しに向かう公算は大きい。

地域の躍進という新たな成長のエンジン

成長力からみると、広大で多様な地方圏の台頭も重要だ。

従来、同国経済のけん引役はサンパウロ州やリオデジャネイロ州など南東部の都市圏だった。

しかし近年、南東部以外のエリア、例えば国境沿いや農業エリアが好調だ。

ペルーやコロンビア、チリをはじめ近隣諸国が総じて高成長を始め、貿易取引が拡大する一方、道路や鉄道、港湾など全国的なインフラ整備で、地下資源の開発や農業振興に拍車が掛かったからだ。

近年の小売売上増加率をみると、とりわけベネズエラに隣接する北部ロライマ州や、ペルーに接しアマゾン川を利用した物流拠点化が進む北部アクレ州、ボリビアと接し同国農業の中心である中西部マットグロッソドスル州が、大幅増だ。

一方、パライバ州やペルナンブーコ州などの北東部エリアは、かつては全国有数の貧困地帯だった。

しかし近年は、鉱山開発や製油所建設など政府の後押しで産業化が進み、成長が本格化した様だ。

ブラジルは、以前から経済成長を主導した沿岸部の大都市圏に加え、地方圏の躍進という、新たな成長エンジンを手に入れた。

ブラジル・コストを越えて

もっとも、ブラジルの成長率は中期的にみて2~3%だ。

7%くらいの中国や6%前後のインド、5%近い中南米の近隣諸国に比べて、かなり低い。

主因は発展段階の違いにある。高度成長の鍵は、戦後の日本から今日の新興国まで人口増と都市化、インフラ整備を含めた投資増の3点セットだ。

人口増と都市化によるブラジルの高度成長は、1970年代半ばに終わった。

中国やインドなど他の新興国と同列には比較できない。

一方、新興国のさらなる発展が続くなか、食糧や地下資源などの一次産品は、更なる需要増加が不可避だ。

特に農業生産に不可欠な充分な水と広大で未開発な土壌など、ブラジルの食糧供給余力は世界屈指だ。

時に外交面でこの国が見せる「妙な余裕ぶり」の一因は、「最終的には世界はブラジルの農産物と地下資源に頼るしかない」という、冷静な判断があるのだろう。

この国が、ロシアの様に近隣諸国に対して領土的、政治的、軍事的、経済的野心をむき出しにして行動する国で無かった事は、幸いだ。

実は私は、「ブラジルの健全な発展は世界にとってプラス」だと、以前から考えている。

労働者に甘く企業には厳しい労働規制や、高めのビジネスの参入規制、中国に余裕で負けるインフラ不足、複雑すぎる税制・会計制度をはじめ、緒制度の透明性や予見性の低さなど、ブラジル・コストと呼ばれる構造問題がいまでも成長を制約し、「改革は急ぐべき」との見方も有力だ。

しかし、本年初のタブレット生産開始にも見られる通り、ブラジル・コストがあっても同国市場や近隣市場の成長魅力から、外資参入は意外と活発だ。

労働力の限界や中東をはじめ海外情勢の不安定化など内外に先行きリスクはあるものの、ブラジル経済は内外需に牽引され、着実な成長軌道に復帰する公算が大きいー。

しかし結局、現実の投資やビジネスに不可欠な情報は、為替と金利、そしてインフレ率だ。

これについては、適任者が実はAOIAにはいる。

もし更に学びたいのであれば、ブラジル経済やブラジルレアルとの付き合いが軽く10年を超えている弊社代表の中田から、直接話を聞くのも良いだろう。

言うまでもない事だが、経験値や知識、判断力などは、私とは比べ物にならない。

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今回は、以上になります。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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