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2014年6月23日(月)「日銀が株を買う日」は来るのか?

  • 投稿日:2014年6月23日

こんにちは。AOIAフェローのDataと小勝負です。

今回は、何となく皆さんも気になっている「日銀が株を買う日は来るのか?」について、ご一緒に考えてみましょう。

結論から申し上げますと、一昔前なら確かに一見荒唐無稽なテーマでしたが、現在はそうとも言い切れないようです。

2014年6月23日(月) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

世界的に中央銀行と株式市場の距離が、意外と縮まっています。

従来、金融当局である中央銀行が株価について言及することは「管轄外」で、株価に直接的影響を与えるような中央銀行のコメントは「禁じ手(タブー)」とされて来ました。

「安全・安定最優先の中央銀行が、価格が不安定なリスク資産の代表である株について真面目に話すのは、奇妙で不謹慎だ」といった考え方があった事は、事実です。

しかし、6月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、イエレン議長は、史上最高値水準にある米株価について「歴史的なバリュエーションの標準から乖離(かいり)しているとは思えない」と、「米株バブル論」を否定したとも解釈できる発言をしました。

このコメントが、高値警戒感により慎重な姿勢を見せていた株式投資家たちに安心感を与えたのは確かなようで、案の定、日米の株価は上昇しました。

その一方で現在、欧米メディアで紹介され注目されているリポートがあります。

「グローバル・パブリック・インベスター=世界の公的投資家」というサーベイ(調査報告書)です。

「世界の中央銀行が株式市場の主役になりつつある」という内容で、OMFIFという中央銀行関連の調査・アドバイザリー機関が発表しました。

それによると「過去数年間で世界の公的投資家たちは、上場株式投資を少なくても1兆ドル増やしている」との、興味深い推測をしています。

実例としては、中国人民銀行、スイス国立銀行、デンマーク中央銀行が出てきます。

「我々は先進国株式に投資している」とのスイス国立銀行会長のコメントまでもが紹介されます。

中央銀行が保有する公的準備の運用はもちろん、安全性と安定性を最優先した、主に高格付けの債券が主体ですが、低金利で利息収入が減少した事が、この現象の背景にあると説明しています。

言い換えると、「利回りが低下した債券では、まともな資産の維持向上が難しくなった」と言っているのです。

実際、日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとする多くの国内の(公的)年金を運用する組織が、同様の理由で、「日本国債などの債券から(日本)株へ」と、大規模な資金移動を始めている事や、日本政府がその動きを更に加速させようとしている事は、いまや毎週のように新聞の経済面・投資面・政治面などを賑わせています。

このような状況下で、欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利という「奇手」を含む追加緩和策を打ち出しました。これは、市中銀行が各国の中央銀行にお金を預けると、金利をもらうのではなく、何と手数料として払わされるというものです。

要は、「もっと民間企業などに融資しまくって、景気を良くしてください」という事です。

さらにドラギECB総裁は「これでまだ終わりではない」と語り「債券担保証券購入による量的緩和策導入の検討」までも、行う可能性がある事を示唆しています。

ここから株式投資までの距離は、もはやそれほど遠くはなさそうです。

少なくても過去数年間、独株式指数(DAX)などは意外と好調で、リスクとリターン(利回り)のバランスは、それほど悪くは無いように、見えます。

そして米国では、6月18日のFOMC後の記者会見で、イエレン議長が、足元で消費者物価指数が予想外の上昇を見せた事について「ノイズ=雑音」と一蹴しました。

「物価上昇のペースが金利上昇のペースを上回るオーバーシュートが、金融正常化の過程では起こり得ること」とも語り、ハト派色の強い発言を繰り返しました。

その結果、市場では、「低金利継続」との見方が強まりました。

言うまでもありませんが、低金利の長期化は、巨額の借入金を抱えがちな企業が発行した建設・不動産株やREITなどにとっては、高値を維持させる、大きな理由です。

私自身が米国REITに投資する投信を持っているだけに、なかなか興味深い状況です。

この様に欧米両中銀のトップが相次いで金融緩和色の強い発言を続ける中では、日銀の「沈黙」が次第に目立ち始めています。

外為市場でも「金融緩和負け」した円が買われるという「緩和競争」が続行中です。

日銀の追加緩和の出遅れ感が欧米市場では明らかに意識され始めているのです。

この結果もあり、1ドル102円近い「円高ドル安」が、定着しつつあるようにも見えます。

欧米間では、欧州中央銀行(ECB)追加緩和発表後、ユーロ安・ドル高に動きましたが、FOMC後は、ユーロ高・ドル安に転じています。

まさに抜きつ抜かれつの通貨安競争が、行われているのです。

以上の様な世界規模の市場環境を考慮すると、そろそろ日銀による株式ETF購入という「奇手」を導入する環境も、熟しつつある様です。

少し考えれば分かりますが、現在日銀はJ-REITを買っていますが、ほんの数年前は「J-REITの様な価格の変動が激しい資産は、中央銀行は買うべきではない」との考え方は、かなり強力なものがありました。

あくまでも個人的な意見ですが、J-REITを含むREIT(不動産投資信託)は、確かに価格の変動は激しいものの、不動産という実物資産と、家賃収入に支えられた比較的高めの分配金もあり、特に割安価格で購入して長期間保有した場合は、それほど悪い投資先でもないようです。

「では財務状況と経営状態が良好で割安感があり、配当利回りが高めの株式投資はどうか?」と言えば、実はREITとの差は、それほど無いのかも知れません。

もちろんこれは、日銀が、「いつどのような条件で買うか」と、「日銀が自ら望んだ結果かそれ以外の理由が大きいか」で、長期的な評価と成果は大きく左右される可能性がありますが、そうした流れが見え始めたのは事実です。

少なくても短期的には、日本の株価は意外と堅調かもしれません。

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今回は、以上になります。

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