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2014年5月9日(金) シェール革命でも日本の原油輸入価格は下がらない?

  • 投稿日:2014年5月9日

こんにちは、AOIAフェローのDataと小勝負です。

今回は、皆さんも気になっているであろう「シェール革命と日本の原油輸入価格の関係」について、ご一緒に考えてみましょう。

2014年5月9日(金) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

近年、世界のエネルギー専門家の注目を集めてきた「シェール革命」の結果、米国は二〇一三年に石油と天然ガスの生産量合計でサウジアラビア、ロシアを抜き、世界最大のエネルギー生産国に躍り出た。

米国は百五十年を超える石油産業発祥の地であると共に、一九七〇年には日量一千万バレルという世界最大の原油生産国であったが、その後は原油生産量は減退の一途だった。

二〇〇七年には天然ガス液(NGL)を除いた原油生産量は日量五百万バレルまで減少し、米国の資源枯渇論が騒がれた。

しかし、シェール革命によって、再び米国は世界最大のエネルギー業界の覇権を取り戻した様に見える。

米国におけるシェールオイルの生産量は二〇一四年に入り日量三百万バレルに達し、いまやシェールオイルの輸出が、政府と石油企業において真剣に検討される段階に入っている。

国際エネルギー機関(IEA)は、二〇一三年後半に予測を二年前倒しし、二〇一五年には、サウジアラビアを抜いて、米国が世界最大の原油生産国になると予想しが、この影響は計り知れない。

世界のエネルギー需給が急変し、国際原油市場の正常化、原油価格の沈静化、石油輸出国機構(OPEC)による一極支配の終焉が、エネルギー専門家の間でまじめに議論されてはいる。

しかし、二〇一四年に入り、「当初は想定されていなかった意外な問題」から、日本には米国シェールオイル革命の恩恵は届かないとの見方が、一部エネルギー専門家の間で浮上している。

その理由とは、日本国内にある石油精製設備の問題だ。

シェールオイルは品質が良すぎるのが問題!

そもそも、一口に原油といっても成分は単一ではない。

原油の成分は、原油生産地域によって大きく異なり、硫黄分の多さ、軽質度(API度:米国石油協会比重度数:ガソリン等の軽い石油製品の得率が高いかどうかの指標)によって、世界には数百種類もの原油が存在する。

製油所を運営する石油企業は輸入し精製する原油の硫黄分の多さ、軽質度に最適な対応を行った石油精製設備を建設して、石油製品の生産効率を最大限に引き上げる事が必要になる。

日本の場合、製油所のほとんどは高硫黄、重質の中東産原油に最適化された仕様となっている。ところが昨今、米国におけるシェールオイル生産量が増加するにつれ、シェールオイルがコンデンセート(粗製ガソリン)と呼ばれる軽質、低硫黄であるという成分上の過剰品質による精製設備の稼働率の低さが、浮上して来た。

実は、シェールオイル生産の本家である米国自身も、シェールオイルの高品質を持て余している。

米国の主力製油所が集積するメキシコ湾沿岸、西海岸沿岸では、メキシコ、ベネズエラ産をはじめとした重質原油対応となっており、一方、東海岸の製油所は欧州北海ブレント原油をはじめとした軽質原油対応となっている。

同じ米国の製油所といっても、設備仕様が全く異なり、メキシコ湾沿岸の製油所で精製するにはシェールオイルは品質が良すぎて、最高の設備効率を発揮できないことが最近、分かってきた。

かといって、東海岸の製油所にシェールオイルを内陸部から輸送するためには、パイプラインなどのインフラが十分に整備されておらず、輸送コストが高くなる鉄道、トラックによる輸送を余儀なくされる。

その結果、品質が北海ブレント原油よりも良いシェールオイルだが、北海ブレント原油価格よりも一バレル当たり二十ドル程度も安く取引されているほどだ。

米国で実際に起こっている事は、北海ブレント原油と同じく軽質で低硫黄のナイジェリア産原油の輸入量は減少しているものの、サウジアラビア産原油の輸入量は、少しも減少していないのだ。

原油は目先の価格よりも長期・安定調達が何よりも重要・・・・

もちろん、今後の米国によるシェールオイル輸出に備えて、低硫黄、軽質原油に対応した石油精製設備を日本国内に建設すれば、問題は解決する。

だが、国内人口の減少と低燃費自動車の普及によって、国内の石油消費市場の縮小が続き、経済産業省の指導のもとで製油所の統廃合が求められている現状を見ると、「数千億円もの巨額投資を必要とする精製設備の国内新規建設など考えられない」(経産省幹部)状況だ。

さらに日本を悩ませるのは、将来のシェールオイルの生産動向だ。

米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の予測では、米国のシェールオイル生産量は資源量の限界によって、二〇二二年以降、減少に向かうと見込まれている。

この結果、中東諸国には「結局、長期的かつ安定的にアジアに原油を供給できるのは我々しかいない」(サウジアラビア国営サウジアラムコ幹部)と、強い安心感と自信が芽生えているという。

日本は安定調達の観点から、十~二十年もの間、特定の原油を輸入する長期契約が輸入量全体の八割を占め、その長期契約で輸入する原油に対し、製油所設備の最適化をはかって来た。

石油の九九・七%を海外からの輸入に依存する日本にとって、長期・安定調達こそが何よりも重要なのだ。

今は安いからといって、簡単にシェールオイルに飛びつく訳にはいかないのだ。

現在進行中の話も、最速で輸入実現は二〇一七年以降の見通しだ。

欧州諸国を中心に、米国によるシェールオイル輸出によって、軽質原油価格は一バレル八十ドル程度まで下落するという期待が強まっているし、それを示唆する原油先物価格もすでにある。

ところが、そうした国際原油価格正常化への動きから、日本をはじめとしたアジア諸国は、蚊帳(かや)の外だ。

石油消費の伸びが著しいアジア諸国にとって、長期的にまとまった量の原油を購入できる地域は、中東以外にはない。

中東諸国は引き続き、一バレル百ドル超で高止まる中東ドバイ原油に上乗せ金を加算して、アジア諸国に原油を売り続けることができる訳だ。

お祭り騒ぎの様相を呈しているシェールオイルブームをよそに、日本は今後も割高な中東産原油の購入を続けざるを得ない可能性が高い。

言うまでもないが、ウクライナ危機解決のため、まず欧米諸国はロシアからのエネルギー資源の輸入量を削減する必要がある。

その結果、欧米の政府や巨大エネルギー企業が半ば一体となり、「比較的安価なエネルギー資源の囲い込み」に動く可能性も想定される。

その一方で中国経済は減速傾向とはいえ、年率7%前後の成長は続きそうな状況だ。

この結果中国のエネルギー消費量が増大を続けるとしたら、日本の貿易収支は引き続き、そう楽観できない。

これを補うのは、国際分散投資による日本(人)の資産増加と将来の国内への還流だ。

このように、エネルギー、国際経済、為替、資産形成は、実に密接な関係にある。

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今回は、以上になります。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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