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2013年7月22日(月) 意外と謎が多い中国の外貨準備高と運用担当者

  • 投稿日:2013年7月22日

こんにちは、AOIAフェローの、Dataと小勝負です。今回は、意外と謎が多い中国の外貨準備高と運用担当者について、ご紹介します。

2013年7月22日(月) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

今年初めの中国の春節(旧正月)の公式パーティーで、Zhu Chaghongという名前の元債券トレーダーが、総額3兆5000億ドル(約350兆円)に上る世界最大の中国の外貨準備の投資運用で賢明な選択をしたとして、仲間から称賛された。

Zhu氏の同僚たちはその席で、毛沢東をたたえる有名な革命歌(「東方紅」)の歌詞をもじって「東方は紅、太陽が昇った。中国にZhu Chaghongが現れた。・・・彼はSAFEの大いなる救いの星!」と冗談交じりで歌ったという。このパーティーに参加した人々の話だ。SAFEというのは中国国家外貨管理局の略称で、中国人民銀行の管轄下で外貨準備を運用している機関だ。つまり世界最強クラスの投資家でもある。外貨準備を多様化して満足出来るリターン(収益)を獲得する中国の戦略を指揮しているにもかかわらず、Zhu氏については外部にほとんど知られていない。中国メディアは彼を「姿の見えない人物だ」と称している。

Zhu氏は43歳。元来は物理学者で、そのキャリアは驚くべき転身を次々に遂げてきた。20歳の時、貧しい安徽省出身の彼はシカゴ大学に移り、量子物理学を研究した。しかしその後、こうした有望な学問的キャリアをあっさり捨てて債券ディーラーになり、最終的にはアリアンツ傘下の米巨大投資会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)に入社し、有力投資家として有名なビル・グロース氏の右腕となった。そこでZhu氏は、当時の彼の実力に見合ったと思われるアメリカンドリームを経験した。米不動産登記によると、彼はカリフォルニア州で豪華な家2軒とラスベガスでコンドミニアム(分譲マンション)を購入した。しかし2009年末、そうした生活を捨てて中国に戻り、SAFE準備管理部の最高投資責任者(CIO)になった。

知人たちはZhu氏を変わり者だと述べている。また、「極めて控えめなため、彼の写真がネット上には何と一枚もない」と、中国の大勢のインターネット利用者はぼやく。SAFEの活動に詳しい人によると、SAFEでは、Zhu氏は自らのことを、勤務先であるSAFEのために投資決定するプロ集団の一員に過ぎないと述べているという。

・・・・謙虚なのは一応は良い事ですが、中国の各分野の大き課題は「不透明さ」です。彼は影響力が大きい一種の「公人」なので、得意分野が何かなどの基本的な情報の公開くらいは望みたいところです。

しかしZhu氏はSAFE実績を上げた。SAFEは従来、安全だが退屈な米財務省証券(国債)に依存していた。しかし同氏は、SAFEに入ると、米社債、株式、そして不動産にもっと投資するよう上司を説得したのだ。

関係筋によれば、Zhu氏の積極的なスタイルの最近の兆候として、SAFEが昨年下半期、まだ急騰していなかった日本株に賭けた点が指摘できるという。ただし、その投資ポジションの規模は明らかでない。その結果、日本株の適正価格も、不透明化している可能性がある。

SAFEのメディア担当官は、この件に関するウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の質問に対するコメントを拒否した。

・・・・中国の場合、半ばいつもの事です。

こうした投資上の賭けをしているにもかかわらず、米国の金融政策が今後変更される見通しになっている現在、Zhu氏の主目標は、記録的な投資成果を上げることではなく、SAFEが抱えるかもしれない損失を減らそうとすることになるだろう。連邦準備制度理事会(FRB)が債券買い入れ規模を縮小して米国債が下落し続けた場合、SAFEは損失を被るからだ。ある中国人当局者は、SAFEは昨年、Zhu氏の指示の下で「非常に良い年を経験した」と述べた。SAFEがその投資内容とパフォーマンスを発表することはない。その結果、中国国家外為管理局(SAFE)を含めた中国の国家財政も、これまた不透明化しているといってよいだろう。

米財務省と中国人民銀行(中銀)のデータに関するWSJの分析によると、Zhu氏がSAFE入りした直後の20106月、中国の外貨準備の約45%、つまり11100億ドルが米国債に投資されていた。その後、中国の米国債購入総額は増加したが、Zhu氏は外貨準備に占める米国債比率を着実に減らしており、126月には約35%、11400億ドルとなったという。それなりに中国も「保有外貨の多様化」を進めてはいるようだ。

Zhu氏はまた、日本株式、欧州債券、米社債と米株式への投資を増やした。個々の具体的な数字を示すのは難しいが、例えば20116月から126月までの1年間で、中国の外貨準備に占める米社債と米株式の比率は5%から7%に上昇した。

今年5月現在の最新数字では、SAFEは依然として米国債に約13200億ドル投資している。アナリストによれば、この数字は実際の保有額を過小評価しているかもしれないという。中国政府はどのように投資しているか隠したがるからだ。中国による膨大な米国債保有は、中国の外貨準備の価値がおおむね米金利の変動にさらされることを意味している。米国の金融緩和縮小・終了は、SAFEの経営状態と中国の外貨準備高を悪化させる可能性があるが、真相はやぶの中だ。

・・・・この結果、今後の米国債の需給バランスや価格、金利なども、不透明化しています。

中国社会科学院の著名な経済学者で中国人民銀行の元金融政策顧問、余永定(Yu Yongding)氏は、Zhu氏の努力は「遅過ぎたため、多くは達成できない」と述べている。現在の中国は、地方政府主導の各種巨大建設プロジェクトの後始末に追われつつあり、最終的には中央政府が資金負担を迫られる可能性が高い。

世間一般で思われているほど中国の経済・金融情勢は実は悪くはない様だが、それでも中国政府の負債増加による格下げや成長率の低下(概ね年率7%から当面は5~6%ほどに減速か)は、避けられないものとみられている。現在の私は、来月半ばごろをめどに、AOIA会員様向けに「中国経済大特集号」のメルマガの準備を日々続けている。ご興味ある方を対象にした無料セミナーもあり、出席者にはAOIA会員様向けのメルマガの最新号を1部、希望すれば贈呈する予定です。

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今回は、以上になります。

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