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2013年5月24日(金) 日本株投資の波乱要因となった中国独禁当局の課題とは?

  • 投稿日:2013年5月24日

こんにちは。中国ネタなら結構書ける、Dataと小勝負です。

今回は、日本株に投資している方にも気になる、日本企業が主役のM&Aを遅延させがちな中国独禁当局の「いろいろな事情」について、ご一緒に考えてみましょう。

「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

世界企業のM&A(合併・買収)は、わずか「35人の専門家」が遅延させがちです。それは、中国の独占禁止法当局です。発足からまだ約5年の若い組織ですが、その判断が世界規模の大企業を、何度も右往左往させています。企業にとって中国抜きの成長戦略は描きにくくなるなか、中国当局の存在感がここでも高まっているのです。

「なんだこれは」。4月24日、丸紅幹部は言葉を失った。米穀物大手ガビロン買収について、中国独禁局が「大豆市場で競争の排除や制限を生む恐れがある」と判断。両社の中国での事業統合と市場情報の交換について禁止を求めたのです・・・。

世界の大豆輸入総量の6割を占める中国。丸紅はその中国の輸入量で2割のシェアを取り首位です。一方ガビロンは米国での大豆調達に強いものの、中国の輸入シェアはわずか。そのため丸紅幹部も「審査は問題なく通る」と考えていました。現在同社も対応策を練っていますが、中国独禁局の判断を覆すのは、大手総合商社にさえ簡単ではないのです。

2008年の中国独禁法施行から12年末までに終了したM&A審査は、540件あります。幸いなことにいままでのところ無条件承認が9割で、制限条件付きはこれまで19件に過ぎません。不許可は米コカ・コーラによる中国飲料大手の買収1件のみです。条件付き案件の比率は欧州と比べて突出している訳ではありません。

ただ企業にとって中国独禁局が不気味なのは、時に「公正な競争環境の確保」という独禁法の精神を逸脱しているような判断を下すからです。

困ったことに、売り上げの大部分が日本国内でも、販売額や利益などが一定規模を超えれば原則的に中国の独占禁止局も審査して、M&A手続きに介入出来てしまいます。M&A関連の日本株の売買をお考えの方は、関連ニュースの確認をお勧めします。

「鉱山売却は悲しいが受け入れる・・・・」。4月、スイス商品取引大手グレンコアと合併を控えた資源大手エクストラータのミック・デービス最高経営責任者(CEO)は社員への手紙にこう記した。

中国の独禁局は合併新会社が中国の銅鉱石輸入のシェア約2割を握ることを憂慮。ペルーの銅山売却と今後8年間、中国企業に銅などの安定供給を求めました。欧メディアはこの措置を「異例」と指摘しています。欧米では資産売却などの措置は3割以上のシェアが基準だからです。

一連の中国独禁局の判断について、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の森脇章弁護士は「自国産業保護への配慮を節々に感じる」といいます。

中国独禁局の判断を読み解くカギは「国家安全審査」です。中国独禁法では域外適用の明文規定とともに、外資による国内企業買収などが国家安全に関わる場合、国家安全審査を求めています。外資同士のM&Aでも中国への影響が大きいと見れば、政府の裁量が働く可能性があります。

中国だけが異質という訳ではありません。米国も自国企業に対するM&Aは、国益に照らして検証する組織があります。しかし独禁法と安全保障を絡める中国の対応は異例です。日本なら企業買収に伴う国家安全保障は外為法や個別業法での対処です。

中国の国家安全とは軍事や食糧、資源・エネルギーの安定です。丸紅やエクストラータの案件はまさにここに当てはまります。
・・・・この基準では、相当多くの大手企業が、無関係とは言い切れません。

審査遅れ12件は35人体制の人手不足も一因ですが・・・
審査遅延も問題です。日本企業が関わるM&Aで中国独禁局の審査遅延は、主要案件だけで12件。昨年10月を予定した造船大手ジャパンマリンユナイテッドの統合は、お陰さまで3カ月も遅れました。これでは株主も冷や汗ものです。独禁局が中国共産党大会の準備に追われたことも響いたといいますが、ここまで来るといい迷惑です。

本来なら1次審査で済む案件を2次に回すケースがほとんどなのも、課題です。
そもそも局長含め35人ほどの陣営では「明らかに人手不足」(日本の弁護士)。日本では担当課の実動部隊だけで約40人います。中国政府も4月、シェアの低い事業統合について手続きを簡略化する検討を始めましたが、実現の可能性と時期は、まだ不透明です。

中国独禁局の孤立ぶりも気になります。先進国の独禁法当局は「協力協定」を結び情報交換する関係です。中国も欧米や韓国などと協定を結びますが「あまり機能していない」(ある弁護士)。驚くべき事に日中間には協定すら存在していないのです。日米欧で協力して中国を国際ネットワークに引き込む努力が欠かせません。この新種の「チャイナ・リスク」は、放置していると誰もが困ります。

インドなども独禁法の審査強化に動いていて、今後、新興独禁局に企業が振り回される事がさらに増えそうです。大企業はM&A戦略が各国の政策の中でどう位置付けられるのかまでも、見極める必要があるのが現状です。

・・・・いろいろな意味で手ごわい相手になりそうです。
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今回は、以上になります。

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