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2013年5月1日(水)国ごとに違うユーロの価値 これではユーロはまとまりません・・・・

  • 投稿日:2013年5月1日
こんにちは。金や通貨の話は大好きな、Dataと小勝負です。
今回は、ユーロの知られざる弱点について、正面から考えてみましょう。
2013年4月16日の日経朝刊国際1面には、以下の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の翻訳記事がありました。
『ドイツ人の資産が「少ない」ワケ 国で違うユーロの価値』
欧州中央銀行(ECB)の調査によると、ヨーロッパ北部の世帯当たり純資産額は南欧をはるかに下回ります。ドイツの1世帯当たり純資産額の平均が20万ユーロ弱に過ぎないのに対し、スペインは30万ユーロ、キプロスは何と67万ユーロに達します。調査が示すのは富の格差というよりもむしろ、ユーロ圏諸国の間に国ごとの物価の違いを反映した事実上の為替レートが存在しているという問題です。
ユーロの誕生以来、ドイツでは賃金や消費者物価がおおむね一定でした。一方、南欧では賃金や物価の水準が年々上昇して来ました。この結果ミラノのアパートは、ドイツで最も不動産価格の高いミュンヘンのアパートより、はるかに高いのです。「不景気なイタリアのユーロ」をミラノで使うより「さらに豊かなドイツのユーロ」をミュンヘンで使った方が、多くの不動産を買えるのです。
ドイツで議論が行われる場合、焦点となるのは富の中央値です。少数の超富裕層が土地や不動産の多くを所有しているドイツのような富の格差が大きい国では、中央値は平均値より大幅に低くなります。中央値でみると、ドイツ世帯の純資産は5万1千ユーロで、ユーロ圏諸国の中で何と最下位です。一方、キプロス世帯の純資産の中央値は26万7千ユーロもあり、経済支援を受けること自体が、むしろ不自然です。これでは本気で救えません。
国ごとに比べたいのであれば、平均値を使った方がよいでしょう。それでもドイツの平均は20万ユーロ、スペインは30万ユーロです。米ドルで評価するとスペインよりドイツの方が豊かな国のはずですが、何かが変ですね。ドイツは世帯当たりでそれほど貧しくない国だと考える場合、この差はドイツとスペインが実質為替レートを調整する必要がある、最小限の目安を示している事になります。
ユーロ圏内の通貨同盟内では、賃金と物価の実際の変動によってのみ調整が起こり得ます。ドイツはインフレではなく、今後もインフレにならない可能性が高いため、長期的にもそれは起こりそうにはありません。結局この調整は、長期的に考えると為替レートの名目値の変動により起こるとの結論になります。つまり、いずれかの国がユーロ圏から離脱するか、ユーロと並行して使える通貨を採用する必要があるのです。「単一通貨ユーロ」の維持は、相当無理があります。
のため、ユーロ圏では計算単位が同じでないとの結論が導かれます。スペインなどの南欧諸国とドイツでは、実質的には別のユーロを持っています。南欧の人が北部ヨーロッパの銀行に預金を移すのは合理的といえます。長期的に自分の持つユーロの価値を保つ、唯一の方法だからです。
ドイツ人はというと・・・ドイツが発行したユーロを、欲しがります。そして、南欧諸国の資金不足による金利上昇や財政難・金融弱体化圧力は続きそうです。これだけ見ても、相対的には米ドルの方が有望でしょう。

今回は、以上になります。

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