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2013年4月5日(金)アメリカで資産効果が本当にあるのは、株式と住宅のどちらだと思いますか? その答えは・・

  • 投稿日:2013年4月5日

こんにちは。忙しいあなたの代わりに日本と世界の投資関係のニュースを追いかけまわし、今日もひそかに楽しんでいる、Dataと小勝負です。

今回は、世界中でしばしば言われている「資産効果でアメリカの経済が好転」の真相に、迫ってみようと思います。

普段はめったに報道されていない、やや意外なニュースです。

S&P500種株価指数が最高値を更新した28日になっても、ニューヨーク証券取引所のすぐそばの高級品店は、それ程地元の人でにぎわってはいません。

「株高の影響? あるとは思うけど……」と店員はそっけない。近くのティファニーの店舗は、がらがら。ウォール街の高級ブティックが米経済を代表するわけではありませんが、再び不安定化しつつある欧州情勢や、中国をはじめとする新興諸国の経済がいまひとつな状況も反映し、熱気を欠く株高を象徴しています。

株高で家計が潤い、国内総生産(GDP)の7割を占める消費に波及する。そんな「資産効果」を指摘する声もありますが、どうなのでしょうか? 住宅指数の開発で知られる著名経済学者、ケースとシラーの両教授ら全米経済研究所(NBER)が1月にまとめた研究は、期待に水を差す内容でした。

1975年から2012年半ばまでの数字をもとに検証し「株高と消費の間には連関がほぼない」と結論付けたのです。2001~2005年の住宅値上がりが家計の支出を4%強も押し上げたのとは、実に対照的です。

米家計の純資産額は昨年末時点で約66兆ドル規模に回復し07年の過去最高に迫りますが、期待される消費への効果は株式より住宅の値上がりに依存しそうです。

家計がもつ不動産関連資産は17兆ドル強。株式の保有がファンド経由も含め約15兆ドルあるのとそう変わりません。しかし株高の効果が限られる理由に研究は踏み込んでいないが仮説は成り立ちます。

1つは株式の保有者の偏りです。株式は上位1%の富裕層が総額の35%を持ちます。下位9割の米国民の保有分は全体のわずか20%に満たないのです。一方、住宅は下位9割の国民が総額の約60%を持ちます。値上がりの恩恵は広く及ぶのです。

株高の背景にも注意が必要です。昨年10~12月期の米GDP統計確報で企業利益をみると、企業が新たに生んだ価値のうち利益などへの資本分配率は1950年代初め以来の高さです。その裏で、従業員に回る労働分配率は低下傾向を続けています。

ますます多くの利益を海外で稼ぎ、従業員への分け前も減らした結果の好業績と株高。現状をみる限り、株高による米景気の浮揚効果に過度の期待は禁物でしょう。

しかしそのアメリカの株式市場でも、やはり住宅関係のものは概ね好調です。最近の低金利も反映して、住宅ローンの支払い状況が好転した結果、大手米銀の株価も、これまた上昇傾向。特に、シェールガス革命による製造業の復活に沸く、テキサス州を含むアメリカ南部の内陸部、いわゆるサンベルトは、各地で住宅販売・着工件数の増加と、販売価格の上昇に沸いています。

これについては日を改めて、またご紹介します。

今回は、以上になります。

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