人生を豊かにする経済とお金の学校 グローバル資産形成学院

2013年4月26日(金)最近あったばかりの金価格急落事件の「分かりやすい理由」とは?

  • 投稿日:2013年4月26日

こんにちは。豊島逸夫氏の言動に注目しつつ、為替や金について考えているDataと小勝負です。今回は、最近の「金価格急落事件」について、考えてみます。

先週金が急落した理由は、多様です。金のライバルと見られていた米ドルの上昇や金人気の一因のインフレの世界規模での不発、連邦準備理事会(FRB)の脱金融緩和前倒し(利上げ)観測や欧州各国中央銀行の金売却の可能性、世界最大の金ETF(上場投信)であるSPDRゴールド・シェアーズや(ヘッジ)ファンド、年金などの機関投資家の売り逃げ、その結果による値下がりを売却注文激増で瞬時に巨大化させる超高速・高頻度取引(HFT)などが、主な理由です。

===================================

先週の金急落後の4月16日の「日経電子版 豊島逸夫(いつお)の金のつぶやき」の題名は『早まった「5月は売り逃げ」』でした。以下はその要点です。

筆者の30年以上の相場経験でも忘れられぬ1日となった。短期間での記録的な金下落。それが株安、円高に波及するという連鎖現象。15日のニューヨーク市場で金が続落。一時1,334ドルまで下げ、引け後の時間外取引では1,347ドル前後で推移している(※高コストな金鉱山はそろそろ赤字の水準です)。前日比8.8%の下げ。2日で200ドル超の急落となり、1980年以来の記録的下げ幅である。

金を含む商品価格の急落はニューヨーク株式市場にも波及し、ダウ工業株30種平均は265ドル安と今年最大の下げ幅を記録。1万4,599ドルで引けた。ダウと金が同日に3ケタ急落するという現象は史上初である。「5月は売って逃げろ」の相場格言の動きが1カ月早く起きたようだ。

震源地は中国  同日アジア時間に発表された中国経済成長率(1~3月期)は7.7%という予想外の減速で、市場には衝撃が走った(私は予想していました)。特に、金市場は中国需要がこれまでのレンジ下値であった1,500ドル台を支えてきたので、経済成長率鈍化による需要減退観測により、相場が下放れた(崩れた)のだ。

外為市場では中国景気減速懸念によるリスクオフが逃避通貨としての円買いを誘発した。また同日発表された米国住宅関連指標もかんばしくなく、マクロ経済指標の悪化が目立ち、米国景気のソフトパッチ(ぬかるみ≒停滞)懸念が台頭している。総じて、米国、欧州、そして中国の同時景気減速懸念も無視できない状況だ。

記録的金暴落が商品価格急落を誘発し、投資家がリスク回避傾向を強め、マネーが円とドルに逃避したことで円高が進行するという連鎖に発展している。先物市場では追加証拠金が払えないことによる、買いポジションの強制手じまいも目立った。パニック状態といっても過言ではあるまい。Fear(恐怖)トレードともいわれるが、投資家が恐怖感から、とにかく売って逃げている。

15日付の本コラムでは、下げのメドを「1,450ドルか」としたが、中国経済成長率予想外の鈍化で、あっさり破られてしまった(豊島逸夫氏の予測が久しぶりに大きく外れました。それだけ衝撃的な展開だった事になります)。中期的に見れば、今が底値圏だと思うが、市場に異常心理が支配しているので、当面は下値模索が続きそうだ。円建て金価格の下げもきつい。15日の金小売価格は前日比432円安の4,851円。買い取り価格も4,767円まで急落した。日中の価格乱高下で小売価格も変更され、記録的な下げ幅となっている。

==================================

・・・・幸いこの直後から世界中で割安になった金を購入する個人が急増した事もあり、価格はやや回復傾向です。日本時間で4月19日(金)の午後には、東京商品取引所の金先物価格(期先限月)は一時1グラム4,537円と前日の清算値から182円も上がりました。ニューヨーク市場で金の買い戻しが入り、上値の節目である1トロイオンス1,400ドルを超え、東京市場でも買いが殺到しました。

当面は1,300~1,450ドル前後でもみ合い、東京の金先物は1グラム4,000~5,000円の範囲になる展開が現在では有力視されていますが、金価格の上限が概ね明らかになったのは事実ですので、「金融商品」としての限界が見えて来ました。

やはり豊島逸夫氏も話していたように、「金は安全資産でもリスク資産でもなく、持っていると安心できる安堵(あんど)資産で、保有額は全金融資産の1割位まで」にした方が良いのかも知れません。もちろん金には独特な美しさや質感、絶対量の少なさや保存性の高さなどの魅力も依然としてあり、私自身も小口の純金積み立ては維持しているように、決して嫌いではありません。また、2%のインフレを前提とするアベノミクスを展開中の財政難の日本では、「将来の価値が不確かな円よりは金の方が安心できる」という、独自のニーズがあるのも、確かでしょう。お好きな方はほどほどの保有を、お勧めします。主な参考記事は、以下の通りです。

2013年4月18日ブルームバーグ「産金会社の時価総額、11年以降で16兆円喪失-金下落追い打ち」http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLH4JY6TTDSS01.html

2013年4月18日 ブルームバーグ「金相場のピーク、中国や新興国主導の市場終了を示唆-BOA」http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLH7ZW6TTDST01.html
・・・『リポートによると、75年以降、9回の金相場「急落」の際には、債券利回りが低下しドルが上昇する傾向があった。また、米国株や日本株、ディフェンシブ銘柄のパフォーマンスが欧州や新興国の株式や資源関連銘柄を上回った。』 以下省略

最近一部の投資家の間で注目されつつある米国株急落直前に見られるサインがまた現れましたね。ご興味ある方はこちらをどうぞ。既にこちらのメルマガでは発表済みです。米国債が安全資産である理由なども、分かります。
http://www.aoia.co.jp/academy_practice.html

今回は、以上になります。

【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、あくまでもAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


  • グローバル資産形成学院WEBキャンパス開校 ネットで学べるオンライン講座
  • WEBキャンパスで開催中の講座はこちら
  • WEBキャンパス会員登録はこちら
  • 資産形成力要請コース