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2013年3月15(金)日 見かけほど好調ではないダウ工業株30種平均と米国経済(下)

  • 投稿日:2013年3月15日

こんにちは。リスクとリターンの関係は出来るだけ丁寧に見極めたい、Dataと小勝負です。

今回はいよいよ、意外と限られた米国株の買い手というあまり知られていない重要な事実について、考えてみましょう。

「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

米国株の年明け以降の株高は確かに欧州債務不安の後退の影響も大きく、昨年9月の欧州中央銀行(ECB)の緩和策で市場心理が改善しました。最近はイタリア政局の不安定化というリスク要因もありますが、それでも今年に入ってからの南欧諸国の国債利回りはそれほど上昇していません。

最高値演出の主役は、実は「自社株買い」でした・・・!

「投資大国アメリカ」のイメージとは逆に、家計部門は金融危機以降ずっと株式を敬遠し、売却を続けています。この背景には、失業率急上昇や金融不安、景気悪化、住宅価格の下落などによって米国人の心理に植え付けられた「リスク過敏症」があると思います。結局人間は、どの国に住んでいても、それほど極端には変わらないようです。

年間運用利回り約7%を目指す米国の企業年金が頼るヘッジファンドも純粋な買い手ではありません。彼らの投資パターンは基本的に「売り」と「買い」がセットだからです。この事は、米連邦準備理事会(FRB)の資金循環表に、はっきりと書かれています。最新値である昨年7~9月期まで、企業部門は実に12四半期(3年間)連続で、株式の買い手でした。銀行などが資本増強を迫られた危機直後を除けば、一貫して市場から株式を吸い上げて来たのです。

企業による株式買いは、自社株買いとM&A(企業の合併・買収)の2つがあります。自社株買いは市場に出回る株式数を減らすことで、1株当たりの価値を半ば強引に押し上げます。もう一方のM&Aは“他社株”買いと言い換えてもよく、近頃はこれが過熱気味で買われる方の企業の株価が高騰気味で、買った方の企業の経営や株価が後で悪化したケースが多いという「珍現象」が、続出しています。

昨年1~9月は一方的に企業が買い、買越額は年率換算で4,100億ドルものペースでした。最大の売り手は実は家計で、売越額は2,500億ドルペースでした。

低金利下の現在、本来は株式投資で運用利回りをかき集めなければならないはずの年金や投資信託などの機関投資家も、実は売り手側でした。彼らが最近まで必死に買いまくっていたのは、金利が上昇すれば価格が下落する社債や国債などの債券でした。

・・・・・あまり投資(運用)が上手くありませんね。米国の機関投資家も一皮むけば、日本と比べて圧倒的に優秀というほどでもありません。特に、「年間運用利回り7%は欲しいのに近頃苦戦気味のヘッジファンドに運用を丸投げする(企業)年金」のお粗末さは、なかなかのものです。ただし、一部のファンドの実績は、やはり相当なものがあります。

それについては社長に方がはるかに詳しく、私はまだ修行中です。

変化があるのが外国人による米国株への投資でした。2012年7~9月には5四半期ぶりに買い越しに転じたのです。欧州危機が深刻化した2011年春以降、米国株は利益確定の売りを浴びましたが、再び買いに戻って来たのです。

頭打ち気味といえ、米企業による自社株買いはハイペースです。米ファクトセットの昨年末の集計によると、2012年9月までの過去12カ月で米主要500社は、総額3,900億ドルもの自社株買いを実施。216億ドルのエクソンモービルを筆頭に、ジョンソン・エンド・ジョンソン、IBMなどが年間自社株買い額の“100億ドルクラブ”です。

実は「稼いだ利益をどう配分するか」という視点から見れば、過度の自社株買いには副作用もあります。自社株買いの多さは、将来に備えた設備投資や賃上げに資金が回らないことと、実は同じです。エネルギー大手ヘスが今週初めに発表した自社株買いは、石油製品の下流部門の再編(リストラ)と、セットでした。アップルが自社株買いを決めるなど、成長重視のはずのハイテク勢まで動き出したのも、今回の特徴です。

もう一つの株式買いであM&Aも、多くは企業間の統合過程で人員削減が頻繁に行われて来ました。経済全体が低成長の中で株高だけが進むギャップの理由は、ここにもあります。

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