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2013年3月14日(金) 中国経済のバブルが崩壊すると、何が起こりそうか?(後半)

  • 投稿日:2014年3月14日

こんにちは、AOIAフェローのDataと小勝負です。

今回は前回の続きですが、最後に今後の投資のヒントをご紹介します。

2014年3月14日(金) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

中国の大手銀行が経営難に陥ると、政府の救済資金は税収で賄えるはずはなく、臨時国債を発行しようにも市場が機能しなくなって来る。政府は取り崩せる資金に手をつけるだろう。三兆八千億ドルにも及ぶ外貨準備が狙われる。

だが、外準のうちブラックストーンなど投資ファンドなどに回ったものは大きな損失を出しており、すぐには流動化(換金)もできない。

最も簡単なのは一兆三千億ドルの米国債の売却だ。

それは米政府が最も恐れる事態だが、中国側がより大きな危機に直面していれば認めざるを得ないだろう。

その時、実は外国為替市場では奇妙なことが起きる。米国債を売って、人民元の資金に転換するため、人民元高になるのだ。

東日本大震災直後に日本政府が復興資金のために米国債を売って円に転換するとの読みで、急激な円高になったのと同じ理屈だ。

人民元高はただでさえ、国際競争力を失っていた中国の輸出産業の経営を更に悪化させる。

一方、中国企業はすでにコマーシャルペーパーや社債の発行が理財商品の破綻懸念で難しくなっており、キャッシュ不足に苦しんでいる。

人民元高に足をすくわれ、資金調達難に首を絞められる格好だ。
リーマンショック、東日本大震災直後には日本や米国では中央銀行が異例の形で民間企業の社債などの買い入れに踏み切ったが、中国で人民銀行がそれに踏み切ればモラルハザードの無限連鎖になりかねない。

何しろどの省もあらゆる産業を欲しがり、重厚長大産業では同業が数十~数百もあるお国柄なのだ。

そしてその多くが規模も技術力も経営状況も中途半端なのだから、始末が悪い。

一方、米国では米国債が売られて、長期金利は跳ね上がる。再び米連邦準備制度理事会(FRB)が大規模金融緩和の再開に転じざるを得ないかもしれない。イエレン議長にとって金融緩和の出口は次の金融緩和の入り口となる。当然ながら、人民元、日本円、米ドルなどの為替相場にも、影響が出るだろう。

素材産業を中心に大倒産劇が起こる

第二の企業への影響はより深刻かもしれない。中国政府が内需型成長への転換を言い始めてからの中国内需は、バブル型のインフラ投資に過度に依存していたからだ。

イノベーション(技術革新)と生産性の向上によって競争力を高め、利益を拡大させ、次の成長投資に向けていくという企業の成長モデルは中国には存在しなかった。

政府の創り出した有効需要を国有企業が独占し、ひたすら規模の拡大で肥大化してきたのが中国経済の特徴だ。

だが、中央政府の財政力だけでは需要が不足したため、民間資金を吸い上げる手法として理財商品が発明され、地方政府がむやみなインフラ投資を展開した。

世界の建設会社の売上高トップ10のうち、五社は中国鉄道建設をはじめとする中国のゼネコンだ。そこに資材を供給していたセメント、ガラス業界は世界生産の五〇%超を握り、鉄も四六%のシェアを持つに至った。

バブル崩壊で鉄鋼、石油化学、セメント、アルミ、ガラスの五大素材産業は需要の三〇~四〇%を失うだろう。各分野で生き残れる企業は上位三~五社と地方の中堅企業くらいだろう。

中国は先進国と違って、地方政府が地元企業を優遇し残そうとするため、各素材業界に数百社の企業が残っている。

もともと競争力のない体力の弱い企業の大倒産劇が起きるだろう。素材産業の苦境は関連する。鉄道、海運、陸運など物流や石炭、石油、ガス、電力にも及ぶ。

中国製造業は素材産業を中心に適正規模までの縮小過程に突入する。その規模は、鉄鋼だけでも数億トンに達しそうなのだ。

影響はもちろん、世界中の資源国・新興国に及び、株価と為替、景気や金利にも多大な影響を与えうる。

もちろん中には成長を続ける業界もある。一例はデジタル家電だ。液晶テレビは最新鋭の第八~八・五世代のパネル工場が今、続々立ち上がり、グローバル市場で中国メーカーがサムスン電子、LG電子の韓国二強のシェアを急激に侵食している。

スマホも中国メーカーが世界の「台風の目」になっている。政府に依存せず、民間需要のみで、先進国の企業と競争して成長してきた業界はバブル崩壊に関係なく、力強い成長を続けるとみていいだろう。

本格的な「消費不況」に突入か?

三番目の消費に関しては企業のリストラ、賃金切り下げの影響を正面から受けるだろう。もともと中国の消費はアジアでは日本と並ぶローン嫌いの堅実消費で、ローンやクレジットカード消費が過熱する韓国や東南アジアとは異なる。

見た目が豪華な車を好むのもコスト・パフォーマンスの良さに敏感なためだ。そうした堅実消費の市場で、給与の伸びが止まり、むしろ切り下げ時代に入れば、消費は収入以上のスピードで落ち込みかねない。

医療、年金(養老保険)など社会保障制度の整備が始まったばかりの国で、しかも少子化が進み、子供に頼れないと意識する中高年はバブル崩壊とともに一気に財布のひもを締めるだろう。

特に注意が必要なのは、家計資産の65%に達するとされている不動産の価格だ。多額の借金をして買っている人も多いので、この価格が数年間も弱含みになると、軽く数億人の中国人の人生設計が狂い、消費も一気に冷え込むだろう。

中国は株式が長期低迷しているため、個人の利殖手段は理財商品か、不動産くらいしかない。

不動産が上がり続けていれば、消費の底支えにはなるが、それも終わりに近づいている。理財商品のデフォルト増加とともに不動産からの資金引き揚げが起きるのは間違いないからだ。

バブルの谷が深いほど回復は早い

日米欧の企業はすでに本国からの輸出という面での中国依存は減っているが、中国の現地法人の収益悪化が大きな懸念材料となる。

米ゼネラルモーターズ、独フォルクスワーゲン、日産自動車は稼ぎ頭が中国であり、中国のバブル崩壊は深刻な打撃となり、瞬間的には赤字転落もあり得る。
素材産業ではすでに、中国の鉄鋼、アルミ、石化製品などがアジア市場に安値でなだれ込み、地場メーカーのシェアを奪っているが、中国国内の需要が落ちれば、中国メーカーは生き残りのため、アジア向け輸出を加速させていくだろう。

特にアジア市場は利益の出ない消耗戦の修羅場になりかねない。

中国の消費減退は欧州の高級ブランド品はもちろんハイエンド(高級)家電、日用品などの需要減につながる。

中国からの追い風が弱まった世界市場は先進国企業にとって試練の場となるだろう。
だが、バブル崩壊こそ中国経済が次のステージに向かう関門であり、遅かれ早かれ通らざるを得ない。

政府の過剰な景気対策で構造改革が遅れ、不況の長期化を招いた日本の経験に学ぶとすれば、

バブルの谷が深ければ深いほど、回復は早いのである。

おそらく今後の中国で有望な業界は、コストパフォーマンスが高い環境・省エネビジネス、軍需関係、情報技術(IT)、高品質で価格が妥当な医療・製薬、観光(きれいな空気を求める富裕層、中間層多し)、職業訓練的な教育産業、高品質で安全性が高い食品・飲食業などだろう。

政策・環境リスクが大きく過剰生産傾向の自動車産業は、判断に悩む所だ。

もちろん、重厚長大産業の多くは、大規模な整理の可能性もあり、そう楽観できない。

他にも「見え透いたぜいたく品」は、きれい事ではない贈答品の需要の減少に加えて「成金趣味が嫌」という富裕層の嗜好の変化もあり、苦戦が続きそうだ。ブランド品ひとつとっても、「商品や企業を見る目」が無いと、中国株投資も満足にできない時は、目前だろう。

もっとも中国の民間企業はもともと融資面で不利な立場で、格付けも会計監査もそれほど確かなものではない。

中国市場にご関心ある方は、「本国でも中国などの大市場でも売り上げと利益をきちんと伸ばしている日米欧韓の上場企業」辺りを探してみる方が、良いかもしれない。

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今回は、以上になります。

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