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2013年3月10日(月) じわり高まるハイ・イールド債の保有リスク

  • 投稿日:2014年3月10日

こんにちは、AOIAフェローのDataと小勝負です。

昨年から私は「米景気回復で金利が上昇すればハイ・イールド債の保有リスクが高まる」と何度か書いてきましたが、今春以降の米国の雇用と景気次第では、じわりと保有リスクが高まりそうな状況です。ハイ・イールド債とは、発行企業の経営状況がそれほど良くはなく倒産のリスクが高い代わりに金利が高い債券で、これに投資する日本の人気投信は、結構あります。

2014年3月10日(月) 「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

終わりが見え始めたハイ・イールド債ブーム

30年間に及んだ債券の強気相場、つまり利回りの低下傾向は昨年ほぼ終了した。だが高リスク債券の多くは表面的には好調が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和策を背景に、信用リスクの低い時期が続いているためだ。

だがそうした時期にもいつかは終わりは来るため、そろそろハイ・イールド債の正体を知った上で、退出(売却)出来る準備を、年内にするべきだろう。特に格付けが低いものほど、今後は急激に状況が悪化しそうなのだ。

昨年の利回り急騰以来、債券投資家は持ち高の金利リスク(デュレーション)を最小化しようと努めてきた。つまり、長期米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を売却してこれらの利回りを押し上げる一方、非投資適格(ジャンク)債やレバレッジド・ローンに投資してきたのだ。

また、中心的な債券指数を追跡する主要ファンドから資金を引き揚げ、投資対象に制約がないファンドに投資した。投資家らは金利リスクを売って信用リスク(倒産・不払いリスク)を買っている。しかも喜んでそうしているのだ。

信用リスクは債券の発行体、つまり企業や政府のデフォルト(債務不履行)リスクを表す。このリスクに最もなじみ深いのは、非投資適格級の企業が発行する債券で構成されるジャンク債市場であり、投資適格債よりもデフォルトに一歩近いと考えられている。リスクが高ければ利回りも高いのは、株式と同じだ。

ジャンク債の価格は金融危機時に急落したものの、それ以降は大幅に上昇しており、2009年から13年までの年間平均収益率は約20%、14年もすでに2.6%を記録している。

こうした伸びを支えてきたのは、ジャンク級の企業のデフォルト率が過去最低水準だったためだ。

通常の場合、1つ前のサイクルで超過収益を計上した債券が満期を迎える時、つまり上げ相場のピークから約7年後にデフォルトが増え始める。

06年から07年にかけては、最大級のレバレッジド・バイアウト(LBO、買収対象企業の資産を担保とした借り入れによる買収)がいくつか行われ、ジャンク債の発行額が過去最高を記録したが、これと同規模のデフォルトが足元で急増しているという事態にはなっていない。

むしろ、FRBが5年前から実施している低金利政策のおかげで、資金難にある企業の大半がより低い金利でより長い期間、債務を借り換えることが可能になっている。

ただ、これによって信用サイクルがなくなったわけではない。

ただ単に事態の先送りをしているだけであり、いずれ大量のデフォルトが発生するだろう。

シティグループのストラテジストらは2月28日付のリポートで、「われわれは、信用サイクルの転換が少なくとも15年までは起こらないと見込んではいるが、ハイイールドの債券やローンにみられる利回り追求傾向に懸念を強めている」とした上で、

現在は低格付けの債券やローンがかなり割高になっているため、「デフォルトが生じた場合にはより大きな痛みを伴うだろう」と、付け加えた。

市場は数年前、15年末に償還期限を迎える1兆4000億ドル相当のジャンク級企業向けローンなどに代表される「債務の壁」が迫っていることを、恐れていた。

借り換えによって期限を迎える債務の額は急減したものの、米格付け会社フィッチ・レーティングスは先週、新たなピークの規模は当初より20%大きく、17年から始まる見通しだと警告した。

FRBもまた、過去最高水準をつけている同市場の動きに注目している機関の1つだ。

FRBのイエレン議長は2月27日の上院銀行委員会で、FRBの政策がもたらす資産価格の上昇やそのほかの重大な副作用について発言した際、「レバレッジド・ローンの引受基準は明らかに悪化しているようだ」と述べた。

TCWの債券部門共同責任者、ライード・ランドマン氏は、投資家の行動からも分かるように、低格付けの債券とローンに資金が再び流れていることは「投資サイクルの終了を示す動き」だと指摘した。

そして、新興国市場で何か発生すればそれが債券売りを誘発し、低格付けで流動性が低い債券が主に打撃を受ける可能性が高いと指摘し、「今懸念すべきなのは信用リスクだ」と述べた。投資家は当面、これまでのようにジャンク債から多少の利益をひねり出せるかもしれないが、「(今後の更なる利益確保を求めてハイ・イールド債を持ち続け)パーティーが終わる前に退出しなければ、痛い目にあうだろう。また、現時点でパーティーに居座るのはやや強欲が過ぎるというものだ」と言う。

投資家はまだ金利リスクを気にしているが、こうしたリスクは14年に入ってほとんど見られなくなっている。2月28日の米国債市場では10年債利回りが2.65%となり、前週の2.73%や年初の3%を下回った。金利が再び急騰する可能性は今のところ低いと思われる一方、低格付け企業にとって試練の日は、刻々と近づいている。

皮肉にもそれは、米国の雇用と金利が改善した結果、米国などの金利が上昇し、借金まみれの2流以下の企業が利払いに苦労する時期の始まりでもあるのだ。まずは、米国の雇用と景気に注目しよう。

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今回は、以上になります。

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