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2013年2月25日(月)補正予算込みだと新規発行額が急増中の日本国債に、いま何が起こっているのか?(上)

  • 投稿日:2013年2月25日

こんにちは、2012年初めに3回に渡り日本国債をテーマにした本格的なコラム群を作成し好評だった、AOIAフェロー(調査員)のDataと小勝負です。当時考えた事は概ね今でも変わっておらず、弊社代表の中田裕(なかだひろし)からも「現状分析レベルではほぼ正しい」と言われたものです。AOIAホームページで常時掲載されておりますので、どなたもご自由にご覧いただけます。一度調べると分かりますが、日本国債が分かればこの国の経済・金融・財政・政治の要点が一気に分かり易くなります。

今回は、滅多に本当の事が大手メディアでは報道されない、日本国債の最近の状況についてご紹介します。私にとってもやや意外な結果で、少々驚きました。

「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

2013年2月25日(月) by Dataと小勝負(AOIAフェロー)

日本国債は、「アベノミクス」によるインフレ予想でも人気があり、強気の見通しです

日本国債に投資した投資家は、いまジレンマに直面しています。来年度は実におよそ約25兆円もの5年物国債が、償還(満期)の期限を迎えるのです。悩みの種は、この国債が日本の常識からするとかなりの「高金利」だった事です。

意外な事に今後1年間は、「日本国債の品薄感が強まる」と、見られています。この巨額の国債に付く金利は加重平均でおよそ1%と、国債入札で現在実現可能な利回りの、約6倍にもなります。

金利が欲しい投資家としては、単純に国債の入札額を6倍にして利益を一定にするのが良いのだろうか? それとも、短期国債よりもリスクが高い長期国債を買い増して、少しでも多くの利益を狙うのが得策なのだろうか? ・・・・悩ましいところです。

・・・・ちなみに、わずか2~3年ほど前には、英独仏などの大手銀行が、ブラジルレアル建てで金利が単利で年間10%前後に達する5~10年物の債券を、割と頻繁に発行していました。満期まで保有し特に問題なければですが、レアル建てで実に2倍前後になって帰って来ます。これが、海外金融商品の魅力です。

いま考えても、なかなかすごい金利でした(笑)。急落したはずのレアルも、今では1レアル47円前後まで復活中です。円安が進行中の現在、これが現実です。何もしないと損しますし、上手く動けばチャンスは次第に広がって行きます。

話を日本国債に戻します。「いずれにしても結果は国債に強気な見方になる」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の著名チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、指摘します。これは、安倍首相が経済成長を推進し、デフレから脱出する手段として財政支出を増加させているにもかかわらず、今年の日本の国債市場の人気が低下すると予想する市場関係者がほとんどいない、主な理由の1つでもあります。

今後1年間は「国債の発行増加による過剰感どころか、日本国債の需給状況には逼迫感が強まるだろう」と、石井氏はみています。

これが、世界第2位の債券市場に対する「アベノミクス効果」の現実です。株式や為替の市場参加者は多くが実質1%、名目3%の経済成長率を実現するための政策に目がくらんでいますが、債券投資家はほとんど動じていません。奇妙なほどの安定感があります。

国債の金利を示す利回り曲線では、すでに低金利の5年物までの利回りが更に低下し、10年物国債でも年利で0.75%を割る時がある程です。これは12月と1月に日銀が相次いで行った異例の金融緩和(資金供給量増大など)の結果によるもので、投資家は3月に就任予定の日銀新総裁がより徹底した金融緩和を実行すると、予測している為でもあります。

5~10年物国債の金利も価格も需給バランスも、かなり安定しています。これは、943兆円の発行済み国債のうち実に4割強を保有する銀行が、利回り曲線を更に押し上げる(金利を上げる)事で、利益を増やそうと決めた結果とも言えます。

BNPパリバ証券の金利ストラテジストの藤木智久氏は、「短期国債と中期国債は今後しばらく安定するはずだ」とみていて、これがプロの世界ではほぼ共通の認識です。もちろん弊社の社長も同じ予想です。

しかし、10年物以上の長期国債の利回りは、次第に上昇しそうです・・・・

2012年11月中旬に衆議院総選挙の日程が決まって以降、インフレ率上昇の見通しと金融緩和政策のリスクを考慮した投資家による売りが見られたのは、実は超長期国債だけです。

この「超長期国債」ですが、メガバンクはほとんど持っていません。運用難の郵貯銀行や保険会社、地方銀行などは、金利目当てに大量に保有していて、「長期的な日本の経済・金融の不安定要因になるのでは?」とも、見られています。

日銀の試算によると、「金利が1%上がった時の銀行部門の時価損失額は6.7兆円、3%上がった時の損失は18.4兆円」です。

「国債の集中リスク」も、無視できません。メガバンクグループの総資産に占める国債の比率は、既に20%を超えているのです。メリルリンチ日本証券の大槻奈那氏は「リスク管理の観点からは、資産の分散を図るべきだ」と指摘しています。

今回は、以上になります。

次回は、日本国債と日本経済の現状と近未来に予想される課題について、更に深堀りしてみます。

【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、あくまでもAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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