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2012年9月21日(金) QE3(量的緩和第3弾)発動で、果たして米国経済は加速するのか?(上)

  • 投稿日:2012年9月21日
「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」
2012年9月21日(金)by Dataと小勝負(AOIAアナリスト)
こんにちは。Dataと小勝負です。以前から「やるやる」と周りが騒ぎ、米国の中央銀行のFRB(連邦準備理事会)がポーカーフェイスを決め込んでいたQE3(量的緩和第3弾)ですが、直前に弊社AOIA代表の中田裕氏が予想した様に、遂に実行されました。
世間では「金融緩和で米国や世界の金利が低下し、住宅や自動車などの販売額が増え、雇用が増加し、景気も良くなるのでは」との淡い期待もあるようですが、調べてみるとどうも少し様子が違うようです。まずは、結論の要点をご紹介します。
1、米国の景気回復には、中央銀行による資金供給量の増加や金利低下よりも、むしろ産業競争力の向上や、住宅産業の回復の方が有効です。
2、金融緩和で潤うのは株価上昇などに支えられた金融業界や富裕層なのに対し、原油やガソリン・食料品などの価格上昇が負担になる中流以下の米国人が増加しています。
今回の金融緩和の景気への貢献度はそれほど多くは期待できず、長期的に米景気に対してプラスマイナスのどちらに作用するかは、まだ即断できる状況では、ありません。
3、来年初めには米国内の政治状況によっては減税終了や歳出削減による景気悪化、いわゆる「財政の崖」問題が起こり得るが、投資の世界では当面の金融相場上昇を反映した金・株式ブームなどが現在は進行中なので、機敏にこれに対応できる人にはある程度のチャンスになる事も、予想されます。
まずは、QE3(量的緩和第3弾)の要点を、確認しましょう。
米の量的緩和第3弾 狙いは住宅需要刺激、雇用も回復か?物価上昇の副作用に懸念の声も
Q QE3(量的緩和第3弾)などの、量的緩和とは何か。
A 中央銀行が国債などの金融資産を市場から買う代わりに大量にお金を供給し、市場金利の低下を促す政策の事です。政策金利が事実上ゼロになり、さらに下げる余地がない場合の非常手段といえます。
Q 今回は第3弾といわれています。
A デフレに直面した2000年代初めの日本で日銀がまず導入しました。その後の金融危機でFRBも政策金利が08年末に事実上ゼロになり、10年3月にかけて1兆7000億ドル(約130兆円)もの金融資産を買う量的緩和第1弾(QE1)に動きました。第2弾(QE2)は10年11月に発動し、翌年6月までに6000億ドルの米国債を買ったが、QE1(量的緩和第1弾)よりは景気対策の効果は薄れたとされています。
Q なぜFRBはQE3を決めたのか。
A 最大の理由はなかなか改善しない雇用環境です。FRBは「雇用の最大化」が物価安定と並ぶ任務ですが、失業率は8%台に高止まりしていて、職探しをあきらめた人や、正社員に成ることを望みながら成れない人がそれぞれ何百万人もいるほど、厳しい状況です。米国の生産年齢人口に占める就業者(働いている人)の割合は58%台と、リーマン・ショック前の平均63%を下回ったままです。
現在の米国の経済成長率は、1%台で推移していますFRBは12年の実質経済成長率を6月時点の1.9~2.4%から1.7~2.0%に下方修正しました。

FRB(連邦準備理事会)のバーナンキ議長も、「経済成長率は雇用情勢を持続的に回復させるほど強くはない」事を認めて、QE3に動きました。
FRBが買う金融資産を住宅ローン担保証券(MBS)に絞った点が、今までの量的緩和(QE)との、最大の違いです。住宅ローン金利の低下を促し、長期間の低迷から回復しつつある住宅市場のてこ入れを狙っています。
Q QE3は、どう景気に作用するのか。
A バーナンキ議長によると、まず住宅ローン金利の低下が住宅需要を刺激します。さらに住宅価格が上がれば家計の資産が増えて消費も伸びます。一方、株価上昇も家計の資産増や心理好転を通じて消費を後押しします。「企業の売り上げが伸び、雇用を拡大させる」事を、期待しています。
しかし、経済の専門家のエコノミスト達は、それほど期待していません。発動前の予想では、「米実質国内総生産(GDP)を年間で0.2~0.3%位なら押し上げるかも」との声が目立ちました。「米国も財政難なので、景気対策のために予算を組めず、QE3(量的緩和第3弾)はやらないよりはまし(かも)」というのが、事情通の間の平均的な評価です。
Q 弊害はないのでしょうか。
A FRB内で緩和に反対する勢力はインフレの危険を高めると、既に警戒しています。8月の卸売物価指数は季節調整済みの前月比で1.7%上昇、消費者物価は同0.6%上昇し、ともに3年2カ月ぶりの大幅な伸びとなりました。主な理由はガソリン価格の上昇です。過去の量的緩和は投機過熱による商品高を招いたとされるだけに、物価が上がり続ければQE3も批判される可能性があります。世論の支持も政策の行方を左右しそうです。

今回は、以上になります。

次回は、米国経済の実情に触れながら、QE3(量的緩和第3弾)について更に深堀りしてみます。
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