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2012年12月24日(月)日本株人気の隠れた理由か?一部の製造業を中心に回復が始まっている日本経済と、今後注目度が増しそうなあの有名投信の課題とは?(上)

  • 投稿日:2012年12月24日

こんにちは。忙しいあなたに代わって今日も意外な世の中のデータを拾っては、いろいろと考えている、Dataと小勝負です。今回の内容は意外で刺激的です。現在世間では「国内景気が悪化中」との情報が飛び交っていますが、少なくても製造業の一部では円安効果もあり明らかに回復傾向がみられ、トヨタを中心とする輸出関連株は人気を取り戻しています。では、年率で20%近くも基準価格が急上昇し今年の好調ぶりが特に目立った、「トヨタグループ株式ファンド」は、どの様に考えるべきでしょうか?

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2012年12月24日(月) by Dataと小勝負(AOIAアナリスト)

景気後退? いえ、既に回復が始まっています

私も有料会員向けのコラムで初夏に示唆しましたが、景気は今春から後退局面に入ったと言われています。12月26日にも発足する見通しの安倍晋三新政権は、景気テコ入れのために大規模な補正予算案を編成し、日銀にも大胆な金融緩和を迫る方針です。

では本当に、景気は後退局面一色なのでしょうか?

景気動向を見るうえで重要なのは、鉱工業生産指数です。生産指数は4~6月期に前期比2.0%減、7~9月期も同4.2%減と、確かに大幅なマイナスを記録しました。しかし、10~12月期は予測指数を織り込むと前期比で0.6%増となります。この数字が実現するかどうかは分かりませんが、単月で見ても10月の生産指数は前月比で1.6%増加し、9月の4.1%減からプラスに転じました。どうやら、鉱工業生産の底は9月だったということになりそうです。

12月の生産予測指数は前月比7.5%増と、大幅な伸びが見込まれています。自動車などの輸送機械工業や電子部品・デバイス工業、電気機械工業といった代表的な産業を中心に好調の見込みで、悪くはない状況です。

注目すべきなのはトヨタ自動車が11月下旬に発表した生産計画です。季節調整済みのデータによると、中国での生産・販売不振をよそに、11、12月と前月比でプラスになったのに続き、2013年1月は23.7%増と激増する見込みです。四半期で見ると、10~12月期の前期比14.1%減の後、2013年1~3月期(1~2月平均で計算)は27.1%の大幅な増産を計画しています。

裾野の広い自動車メーカーの積極的な生産計画を前提にすると、1~3月期の生産は相当強いものになる可能性が高いのです。これなら外国の資金が日本株に殺到するはずです。

注目すべきなのは、業界最大手企業の堅調さです。12月21日にもトヨタが輸出株売りの逆風を跳ね返して逆行高となり、三菱UFJが約9カ月ぶりに年初来高値を更新しました。トップ銘柄が2番手以下より強含むのは、海外年金など長期資金が流入している時の典型的な動きで、年明けには外国人の第2波の買いが来るのを予感している方も、機関投資家を含めてすでに多数存在します。米国の「財政の崖」問題やJ-REITの過熱などの気になる動きも確かにありますが、日本株の上昇余地は、まだ残っていると考えても良いでしょう。主な理由のひとつは、海外の景気がそれほど悪くはないからです。

懸念されていた中国経済は、順調に底入れ中です。

貢献度が大きいと見られるのが、貨物総量と主要港の積み荷取扱量の好転です。2008年末の段階で、当時の温家宝首相は港に積み上がっていた在庫が、随分はけてきたという発言をしています。その後の急回復は、ご存知の方も多いと思います。状況が今とかなり似ているのです。

当時と今とで事情が違うのは、9月の反日デモ後の中国での日本車の販売落ち込みです。確かに日本メーカーの販売台数は依然として水面下にありますが、前年比のマイナス幅は徐々に小さくなっていて、中国市場全体で見れば、10月以降は順調に回復しています。

中国は金融緩和でマネーサプライ(≒資金の供給額)を増やしているため、北京や広州などを中心に不動産価格も底入れの兆候が出ています。製造業の景況感を示すPMI(製造業購買担当者景気指数)も8月を底に、11月には拡大と悪化を判断する目安となる50を超えました。固定資産投資や小売り売上高も7~9月に比べて10~11月は改善しています。

そして、私が重視する発電量と電力消費量も、直近では大幅な伸びなのです。これだけ理由があれば、中国の景気が回復しているのは明らかです。実際、IMFのラガルド専務理事も「中国経済のハードランディング(急速な悪化)のリスクは去った」と宣言し、各種調査機関のレポートなどでも、概ね来年の中国の予想経済成長率は、7%台以上の水準で一致しています。中国の景気を当面はそれほど心配する必要はないでしょう。

イメージほどは悪くはない、欧米の景気

「でも、欧米の景気はそれほど良くないのでは?」と、気にされている方もいると思います。確かにやや不安定ではありますが、現在のところ、実はイメージほど悪くはありません。欧州の景気そのものに注目すると、ユーロ圏のPMI(製造業購買担当者景気指数)は50のラインは回復していませんが、7月を底に数値は上向いています。

しかも、欧州中央銀行(ECB)が積極果敢な金融緩和をしたため、欧州でもマネーサプライが本格的に増えています。中国と同様に、金融緩和で生み出されたマネーが住宅や不動産市場に流れ込み、景気回復が始まっているのです。実際、ドイツなどでは不動産価格が上昇傾向ですし、欧州大手金融機関の株式も含めて、価格が大幅に上昇した欧州株は結構あります。様子見で買わなかった私は・・・もちろん儲け損ねました。まだ修行中です。

米国では失業率が急速に低下中で、直近の経済成長率は上方修正されました。

失業保険の新規申請件数が減少すると、9カ月くらいの時間差を置いて失業率が改善する傾向があり、まさにこれに沿った動きが現在進行中です。

米商務省が12月20日に発表した7~9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値(季節調整済み)は、前期比の経済成長率はで前月発表の改定値から0.4ポイントも上方修正された3.1%増と、悪くはない水準です。

米連邦準備理事会(FRB)は12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2%のインフレ率を前提に、失業率が6.5%程度になるまで事実上のゼロ金利政策を続ける事を決めました。6.5%は2013年にも視野に入ってくる可能性があります。そうなると、逆に金融引き締めが早まるとの観測で長期金利が上がる可能性が出てきます。これはドル高円安を引き起こす要因にもなります。現在の日本株ブームの一因は、今後の円安の定着と進行による輸出産業の経営環境の好転を、かぎ取ってのことです。最近の韓国ウォンの上昇も、日本企業にとってはどちらかといえばプラスです。

今回は、以上になります。

次回はいよいよ、トヨタ自動車と「トヨタグループ株式ファンド」についてご紹介しますが、予想外の展開

に、あなたも驚くかもしれません。

【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、あくまでもAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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