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2012年12月17日(月) 2012年の主な売れ筋投信の傾向と課題、予想外に好調な長寿投資信託とは?

  • 投稿日:2012年12月17日

こんにちは、Dataと小勝負です。今回は、2012年の国内投信業界の主な売れ筋商品の傾向を振り返りつつ、私の来年の主な目標のひとつをご紹介しようと思います。

「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」
by Dataと小勝負(AOIAアナリスト)

2012年はどんな投資信託(投信)が売れたのでしょうか?
資金流入額をランキングしたところ、案の定トップ20の大部分は、海外の外貨建て資産で運用する毎月分配型投信でした。新しい傾向としては、設定から10年以上たつ実績がある長寿ファンドの一部も支持を集め、急に人気が出て来た事です。

以下は、いつでも購入・解約できる追加型の株式投信の、今年1~11月の資金の流入額(設定額から解約額を引いた額)の要点です。調査会社モーニングスターの集計結果によると、上位20本のうち、14位の「ダイワ日本国債ファンド」以外は、すべて海外資産を中心に運用しています。また、8位の「日興JFアジア・ディスカバリー」を除くと、何とすべて毎月分配型です。

毎月分配型投信は特に高齢者にとっては、金融機関がお金を管理してくれて、自家製の年金感覚でお小づかいや生活費が定期的に確保できる点が、魅力の様です。
一方、純粋に資産形成で見ると、資産運用による利回りが毎月分配されてしまうために、
金利が金利を生んで金融資産が急増するいわゆる「複利効果」が期待できず、税制上も実は不利です。

そうした課題を抱えながらも、2012年の売れ筋の投資信託(投信)は、明らかに昨年までとは少し傾向が変わり、多少なりとも今後に期待を持たせるものでした。

豪ドル建てが首位でした
最も売れた「野村豪ドル債オープン・プレミアム」は、オーストラリアドル建ての中長期債を中心に運用します。2月中旬の設定から11月までの、基準価格の分配金込みの上昇率は9%台と、まずまずです。豪ドルはもともと個人投資家に人気の通貨です。
2位の「ピクテ新興国インカム株式」は、配当利回りの高い新興国の株式に投資します。9位の「エマージング・ソブリン・オープン」などの、新興国の国債や社債に投資するファンドも、相次ぎランキングに入りました。新興国への投資では、株式だけでなく債券にも対象が広がって来たのが、2012年の特徴です。

REITにも注目が集まっています。
「ダイワ・US―REIT・オープン」(為替ヘッジなし)が3位、「フィデリティ・USリート」が6位につけるなど、海外の不動産投資信託(REIT)で運用するファンドも資金を集め、円建ての利回りが10%超のものも、目立ちます。
上位20ファンドのうち5つが、海外のREITに投資する商品でした。
今年は世界的にREITの価格が上昇傾向だった事も追い風となりましたが、米国等のREITは日本のそれとは違い、開発自体に資金を提供する分ややハイリスクな点は、注意が必要です。

2012年は国内版のREIT(上場不動産投資信託)のJ-REITも人気化しましたが、ややマイナーで専門性が高い金融商品の為、分かりやすく良質な学びの場が意外とないのが課題です。実は私はその一つに出席し、相当具体的な投資方法まで聞いて来ました。
講師はREITアナリストの山崎成人氏で、彼こそがJ-REITの上場時評価書を発表している、唯一の人です。

このブログ(コラム)でも2回に渡りセミナーの要点をご紹介していますが、私が有料会員向けに発表したレポートは、更に二回りは質量ともに充実したものです。どの銘柄をいくらなら買うべきかという情報でさえ、ほんのさわりの部分に過ぎません。

国内で売れ筋の投信は通常、米国などとは違い、新しいファンドが人気を集める傾向が強いのですが、今年は上位20本のうち実に7本が、5年以上も前に設定した実績のあるファンドです。
13位の「BAMワールド・ボンド&カレンシー」(通称ウィンドミル)は1998年の設定と、歴史があります。過去10年で年間収益のマイナスが1度だけという運用の安定度が注目を集め、2012年は純資産総額の急増ぶりが話題を集めました。個人的にも割と気になる投資信託です。

他に興味深いのは11位の「野村新興国債券投信」で、設定は17年近く前です。長期では安定した運用成績を残していることが評価されました。安全志向の強い顧客が多いとされる、銀行経由の販売が伸びています。このファンドが、最近人気の為替予約で円高による損失を回避する「為替ヘッジあり」タイプである点も、見逃せません。「野村新興国債券投信」(11位)の基準価格の推移は、以下の通りです。
これはこれで悪くはないと思います。

出所:野村アセット・マネジメントホームページ

http://www.nomura-am.co.jp/fund/funddetail.php?t=2&fundcd=140178&PHPSESSID=6ee34a71612cbd49f2301f532387f1ff#fundinfo

なお、最近は為替レートの動向が変化しつつあり、3年~5年単位で見ると円安に転じる可能性が高いとの見方が有力で,外貨建ての投資を始めるには、悪い時期ではありません。実際、先週私が出席したブルームバーグのセミナーでも、講師で日経夕刊に新興国通貨に関する連載記事を執筆中の棚瀬順哉氏も、同じ見解でした。
円安時には「為替ヘッジ付きの投資信託」よりも「為替ヘッジなしの投資信託」の方が好成績になりやすい点は、注意が必要です。

商品の仕組みが複雑になってきたのも最近の投信の特徴ですが、概ねコストがかさみリスクは高く、運用成績はいまひとつです。内容が理解できて安上がりで自分にも似た方法で投資を試したくなるような、好成績で歴史があるものを、お勧めします。

投信を買う時にぜひ確かめて頂きたい事は、『リーマン・ショックのように相場が急に変動した時に運用成績はどうなるのか』『あなたもこれを買ったか』『何人の友人と親族に勧めたか』『過去5年間の実質的な平均運用利回り(パフォーマンス)は何%か?』などです。
もし回答に納得できないなら、購入は再検討しても構わないと思います。

人気の毎月分配型ですが、運用収益ではなくお客から預かった元本の純資産を取り崩して分配金を支払っているファンドも、以前ほどではありませんが今でもあります。内容をよく見極め、納得できるものだけを買う事が大切です。

ピークの10分の1弱にまで急減してしまった大事なものとは?
一方、今年は解約が多かった投信をみても、外貨建て資産で運用する毎月分配型が目立ちます。短期で売れ筋の投資信託(ファンド)が入れ替わる傾向は、まだまだ根強いものがあります。
投資信託協会によると、10月末時点での追加型株式投信の本数は3937本と、この10年で何と8割も増えました。その半面、全体の資金流入額は07年の約14兆6000億円をピークに、12年は10月末時点で約1兆1000億円まで急減しています。

言い替えると、国内投信業界は、典型的な多産多死の世界です・・・・。

来年の私の主な目標のひとつは、2012年にブレイク寸前に注目して4回に渡って有料会員向けに各種レポートを書いた、大好評の「ひふみ投信」シリーズを、別の投資信託をテーマにして再現する事です。

紹介する投信の投資対象は、海外の株式や債券、国内外のREITなどに拡大する可能性があり、既に有望な予備候補はいくつかあります。ハードルは決して低くはありませんが、勝算はあります。今週もその準備は静かに続いています。

「ひふみ投信」シリーズや国内投資信託業界についての大型の双子レポート、日本有数のプロが語ったJ-REITの上手な投資方法などにご興味のある方は、AOIAの有料会員になる事をお勧めします。私が今まで毎月の様に作り続けて来たレポートの購読も応相談で、弊社AOIAの看板コース「AOIAアカデミー」にも、ご参加いただけます。

「AOIAアカデミー」は私も参加済みですが、賢いお金の殖やし方という点も含めて、結構勉強になりました。先程チャート(グラフ)をご覧頂いた「野村新興国債券投信」が、なぜ今後は運用成績が伸び悩みそうかも、受講されれば分かる様になると思います。ヒントは、投資するものが債券だという事です。無料ガイダンスもありますので、ご興味ある方はこちらをどうぞ。

http://www.aoia.co.jp/academy.html

今回は、以上になります。

今週も、意外で興味深い話が続きます。

【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、あくまでもAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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