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2012年11月16日(金)最近の中国の経済動向が日本企業に与えそうな意外な影響について

  • 投稿日:2012年11月16日

「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

2012年11月16日(金) by Dataと小勝負(AOIAアナリスト)

こんにちは。大学生の頃からすでに20年近くもの間、中国には関心を持ち続けている、

Dataと小勝負です。今年の春ごろから中国では従来とは明らかに異なる動きが相次ぎ、私自身の中国に対する認識も、相当変化しつつあります。

最近の中国は何かと微妙な状況で書く側も意外と気を使いますが、出来るだけ客観的に

話を進められればと思っています。

今回は主に、2012年 10月 24日に発表されたロイター調査:『日中悪化で認識変化、「消費地・中国」の魅力後退』をもとに、ご一緒に考えてみましょう。

この調査はロイター短観と同時に実施し、調査期間は10月1日から17日。中国で経済活動を行っている大企業、中堅企業400社を対象とし、回答は260社程度。製造業、非製造業ほぼ同数ずつから回答を得ているので、一定の規模と信用性を確保していると考えて良いと思います。

尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中関係の悪化は、日本企業の業績を一時的に悪化させているだけでなく、中国事業の中長期的な位置づけも後退させています。日経ビジネス2012年11月12日号でも、同じ傾向の厳しい内容の記事が目立ちます。

生産拠点としては4割弱が、消費地としても2割以上が「従来よりも認識を慎重化」と回答。現地の反日の動きが長期化することや、中国経済の衰退が予想より早まることを予測しています。短期的には今年度業績に影響するとした企業が6割に上る一方で、他国への移転や投資延期などの、何らかの対応を検討している企業も約半数。中でも輸送用機器は、事業縮小も含め7割が何らかの対応を検討と回答しており、中国事業に対する日本企業の認識の変化が鮮明になっています。

結論からいえば、アセアン諸国、北米市場、国内市場の重要性が、跳ね上がったとみて良いでしょう。実際、中国市場での苦戦ぶりが特に目立つ日本車メーカーの間でも、中国市場への依存度が高い日産自動車の不振ぶりが目立ち、日本、米国、アセアン諸国などで比較的バランス良く売り上げを確保しているトヨタ自動車の経営状況は、現在のところはイメージよりは相当ましです。

<製造業の半数が販売減少、投資延期は輸送機器で44%に上ります>

今回の調査では、9月に急速に広がった中国の反日デモや反日感情ついて、実に58%もの企業が今年度の業績に響くと回答。とりわけ進出企業の多い製造業は7割程度が影響を見込んでいます。

影響の中身として最も多かったのは「販売の減少」で、全体の37%に上り、製造業に限ると49%とほぼ半数の企業が販売減少を予想しています。輸送用機器や精密機器は67%の企業が減少と回答しており、日本製品の買い控えで自動車などが大きな影響を受けている様子がうかがえ、しかも長期化の兆しが見え始めているのが現状です。

中国関連事業で何らかの対策を検討している企業は46%。最も多かったのは「投資計画の延期・見直し・慎重化」で全体の18%、製造業は24%で、なかでも輸送用機器は44%に上ります。理由としては「日本製品への需要減退」(輸送用機器)、「中国リスクを考慮すると現状以上の生産拡大には慎重になる」(電機)などが、目立ちます。

<生産拠点、電機や輸送機器で半数が後退、消費地としても24%が後退>

影響は短期的なものにとどまらず、中長期的な中国事業の位置づけをも後退させています。まず生産拠点として「従来より慎重化」と答えた企業は37%。製造業に限ると42%が慎重化と答えています。もともと人件費の高騰などから東南アジアに新たな生産拠点を構える企業も増加傾向でしたが、日中関係の悪化はそうした動きに拍車をかけています。

業種別にみると、最も「慎重化」の割合が高かったのは意外にも食品で60%。電機は54%、輸送用機器も50%に上りました。販売減やサプライチェーン(≒関連企業間の生産・物流網)への打撃が大きかった事が、背景にあります。

「人件費も高騰を続けていて政治的なリスクもあるため、他地域と比較して生産拠点としての優位性が薄れている」(輸送用機器)、「一本調子での拡大を前提としていた想定は変更する必要がある」(電機)などの声がありました。

「外資逃避などにより、中国経済の衰退が予想以上の速さで進むのではないか」(金属)という指摘も、気になります。

それでなくても今後の中国は、人口減少、働き手の減少、都市建設を含めた投資の過剰、住宅価格の高騰と高止まりとバブル崩壊の可能性、隠れた年金債務の巨大化、少子高齢化などの、多数の課題が待ち受けています。

もちろんまだ内需などは伸び代があり、政府の財政も主要先進国などよりはましなので、すぐ大不況に突入する可能性は意外と低そうですが、弊社代表の中田裕(なかだひろし)氏も話しているように、かつての年率10%前後もの高成長の時代は既に終わり、概ね年率7%前後のほどほどの成長率となり、輸出急減時には短期間ながらも5%台の成長率まで急低下する可能性もありそうです。

より詳しく中国についてお知りになりたい方は、こちらもどうぞ。

今年の4月末に私がほぼ自力で作り上げたものですが、内容的に見て今でもそれほど違和感がなく、代表からも「特に良い出来だ」と認められたものです。

「巨大国家中国の意外な実像と課題、今後の見通しを考える 」

http://www.aoia.co.jp/column/archives/1027

中国の成長に過度に依存していた日本企業の今後の見通しは、反日感情以前に過剰生産や価格競争激化などもあり、それほど恵まれたものではなくなりました。実際、あの建設機械大手の優良企業のコマツでさえ、最近は中国市場で苦戦気味です。

例外的に好調な企業の共通点は、「他の企業や組織では提供できないオンリーワンの商品やサービスを提供でき、従業員との関係も含めて中国にしっかりと定着している」事です。 それくらい、今年は状況が急変しました。

背景には、中国国内の過剰生産力を削減したいという、事情もあります。

以下3資料は、2012年 10月 24日に発表されたロイター調査:『日中悪化で認識変化、「消費地・中国」の魅力後退』の添付資料の一部をもとに、作成したものです。

・・・・・中国発のデフレ圧力は、依然として健在です。特に素材産業などへの影響が大きい様です。日本車メーカーへの価格下落圧力も、意外と高いものがあり軽視できません。

今回は、以上になります。

更に日本経済の意外な事実にご興味がある方は、こちらもどうぞ。

○第14回AOIA 講演会

テーマ:「日本経済の常識を徹底検証!日本経済の常識を斬る!」

~視点を変えれば日本の意外な素顔がみえてくる~

講師:金融データシステム代表取締役、AOIAシニアフェロー

角川総一(かどかわそういち)氏

弊社のシニアフェローです。著作にご興味のある方は、こちらをどうぞ。

http://www.nikkeibook.com/writer/2121/

【内容】

・「EU の消費税率が 20%前後VS わが国は 5%」は 全くのでたらめだった

・わが国の食料自給率は 40%といっても外国人は誰も信じない

・わが国の投資信託の過半は常に日陰者としてこの世に誕生した

【詳細】

開催日:2012 12 5 日(水)

間:19002100 開場 1830

場:泉ガーデンコンファレンスセンター

住 所:東京都港区六本木 1-6-1 泉ガーデンタワー7階room4

交通:南北線「六本木一丁目駅」直結

ご興味のある方はこちらまでどうぞお問い合わせください。

Tel  03-6273-3860

Fax  03-5777-6112

または

https://ssl.comitia.com/aoia.co.jp/contactus.php

AOIA講演会の一覧は、こちらでご確認できます。

http://www.aoia.co.jp/lecture.html

【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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