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バロンズ・ファイナンシャルアドバイザー・トップ100

  • 投稿日:2010年4月28日

今回で7回目となるBarron’s誌恒例の全米トップ100のアドバイザーが発表されました。以下抜粋です。

このランキングは、預かり資産の規模、アドバイザーの業務の質、所属する会社への収益貢献などの要因に基づき選定したものです。多くのアドバイザーに関しては監査済みのパフォーマンスデータが存在しないため、運用成績は選定基準に入っていませんが、このリストのアドバイザーのように大規模な預かり資産を築くには一般的に相当の実績が要求されます。

 これらのアドバイザーは新たな投資機会の発見だけではなく、顧客の資産保全に特別な注意を払っています。顧客の大半では、ポートフォリオの規模が1000万ドルから5000万ドル以上に及んでおり、従って資産の増加以上に資産の保全に深い関心が持たれています。以下にトップ100のリストの中から5人を選び、彼らの仕事ぶりと今後の見通しについて紹介します。

 

■ ブライアン・ファイフラー氏:1位、モルガン・スタンレーPWM、預かり資産48億ドル

 ファイフラー氏は「最近の数週間を除けば、米国の株式ファンドから、長期債券ファンドに一貫して資金が流出している。4.5~5.5%の利回りで国債を買うのがよいと考える投資家がいるのは不思議だ」と多くの投資家の最近の行動に当惑している。同氏はまさしく逆の方向に動いており、顧客の資金をヘッジファンドに移行させている。能力のないファンドの多くは既にとうたされており、ヘッジファンド戦略のまね事をしていた大手金融機関は活動を大幅に縮小しているため、この世界は2~3年前のような混沌(こんとん)とした状態ではなく、有望な投資テーマの増大に比較してそれを追いかける資金が少なくなっていると見ている。「資本市場がより活発となるのに伴い、今後は合併アービトラージにおいて活動が大幅に増大する」と同氏は述べている。

 同氏はヘッジファンドだけではなく、質の高い多国籍企業の株式の反発も予想している。「この戦略は派手でもなければ、新しくもないが、単純で極めて明快だ。これらの企業は全世界的な事業基盤を持っており、市場に対してプレミアムで取引されていたが、今ではディスカウントになっている」と述べている。これらの銘柄は、低水準の株価収益率(PER)、高水準の益回りと配当利回りという、顧客である基金や超富裕層にとって魅力的な組み合わせを提供している。

 「私は顧客のための飛行機や犬の散歩の手配に時間を費やす気はない。私が集中するのは資産配分とマネジャーの選択であり、それだけで手一杯だ」と言う。また、新規顧客の獲得にもそれほど力を入れていない。「1件か2件の顧客を獲得するために、既存の顧客の資金を運用する時間がとられる」と述べている。

 

■ ロジャー・カーター氏:25位、メリルリンチ、預かり資産27億ドル

 同氏の顧客には、米国でも最富裕層に入る30家族が含まれている。これらの顧客の大半は1980年代から1990年代に富を築いており、同氏の全般的な目標は驚くようなリターンではなく、資産の保全である。これは、最近に当てはめると、信用リスクと流動性リスクの管理に注意するということである。カーター氏は「顧客の1人は、リーマンとの取引で利益を上げたが、その利益をリーマンがカウンターパーティとなっていた商品に投資して大半を失ってしまった。以前とは違って顧客はこの種の問題に非常に敏感だ」。とし、「フリーランチ(無料のうまい話)などというものがあるとすれば、それは分散投資だ」と、リスク管理へのアプローチを金融危機の後も大して変えていない。

 「パフォーマンスに差が出るのはダウンサイドの管理」であり、「石油銘柄の株式を1000万ドル買うのであれば、10%のアップサイドを失うことになったとしても、その種のエクスポージャーは上場投資信託(ETF)やオプションで取る方を選ぶ」と同氏は言う。同氏は、2008年の暴落以前に顧客資産の現金配分を大幅に引き上げたため、顧客の損失は13~14%と株価指数の下落幅の約3分の1であった。

 同氏が金融危機で得た教訓の一つは、ポジションをすぐに変更できるようにしておくことである。2007年に市場の動揺の兆しをみて2500万ドルのヘッジファンド・ポジションの売り注文を出したが、顧客の多くはヘッジファンドの「ゲート(引き出し制限)」のために資金をすぐには動かせなかった。「ヘッジファンドへの投資では常に苦労してきたが、今やそれに流動性リスクが加わった」と同氏は述べている。

 

■ トム・モーラン氏:49位、ウェルズ・ファーゴ、預かり資産23億ドル

 モーラン氏の最大の懸念事項は時間である。3人のパートナー、そしてサポート・スタッフは約1000の家族、アカウントにして5000件にサービスを提供しており、それに加えてウェルズ・ファーゴのその他の600人のアドバイザーの顧客の資産運用も行っている。「しかし、顧客との会議で出張する時も、誰が運用をしているか心配する必要はない。なぜならわれわれの投資モデルは極めて頑健だからだ」と述べている。

 同氏の業務の核心は、長年にわたって確立した計量投資モデルであり、これによって、アウトパフォームするとみられる銘柄やセクターを割り出している。現在顧客にいくつかの新しい戦略を推奨しているが、その一つは高配当銘柄への投資である。今後数年において高配当の大型株が良いとみている。

 同氏の実績に、新たなマネジャーを求める年金や基金が関心を示し始めている。同氏の運用の性質や規模からみて、顧客を超富裕個人層だけに限定する必要はない。「資産が数百万ドルの顧客から、5000万ドルを上回る顧客までいるが、一般的に顧客の資産は20以上のモデルで運用しているため、幅広い顧客層にサービスを提供することが可能だ」と述べる。ウェルスマネジメントに関しては、同氏のチームはすべてをカバーするのではなく資産運用に集中し、その他のニーズに関しては顧客が必要のある時に相談できる弁護士や会計士との関係の確立に努めている。

 

■ トム・ゴー氏:61位、リタイアメントプランニング・スペシャリスツ、預かり資産17億ドル

 マルコム・グラッドウェル氏のベストセラーである「ティッピング・ポイント(邦訳は複数のタイトルで出版されている)」で、トム・ゴー氏はどのような人に対しても何でも売り込むことができるような「説得力のあるタイプ」の例として紹介されている。同氏は現在、ささいだが、重なり合った時に大きい損失となるような誤りを回避する必要性を顧客に売り込んでいる。

 「資産を適切に信託財産として預けていない投資家や、納税申告書に注意を払わないアドバイザーに頼っている投資家が多いことに本当に驚かされる」と同氏は述べている。同氏が売り込んでいるのは商品ではなくプロセスであり、金融に関する意識や計画の基礎的な事項である。「私は市場をアウトパフォームすることが目的なのではなく、良好なリターンと資産の保全を提供することを目的としている」と同氏は述べている。現時点において、ゴー氏は配当利回りが2%以上の、質の高い企業を選好している。「高格付けの債券の利回りと比較して、収入だけではなくアップサイドの可能性もある」と述べている。ただし、同氏が注力しているのは銘柄選択ではなく、資産運用マネジャーの選択である。

 また、同氏は、顧客が獲得したリターンを台無しにするような失敗をしないように注意をしている。「プランニングのプロセスにおいて、穴のない顧客は今まで見たことがない」と同氏は述べている。最近の顧客は過去1年間に5社からサービスを受けていたが、相続計画が18年間も手つかずになっていたことを注意した会社はなかった。このようなささいなことであれ、資産が大きいものであれば、最終的な影響は極めて大きいものになる可能性があると同氏は述べている。

 

■ ボビー・フィッシャー氏:81位、UBS、預かり資産35億ドル

 フィッシャー氏の顧客は急激に増加しており、その多くは、企業の報酬制度およびこれらの企業のストックオプションや制限株式を蓄積、行使したあとで助言を求めてくる従業員たちである。「われわれは、顧客企業のために株式に基づく報酬計画を設定し、その企業の従業員の財産の管理を支援するという1人2役を務めている」と同氏は述べている。これは同氏のチームが、単一の会社および業種に対する集中的な株式保有のリスクに特に注意を払っていることを意味している。「直接的に当該セクターをヘッジすることが認められていなくても、それとは逆に動くヘッジ商品の選択などで、ポートフォリオ内で間接的にそのリスクを減殺する方法はある」と同氏は述べている。

 顧客企業の1社では9万人の従業員が株式報酬制度に参加しており、合計では同氏のチームは20万件の個人アカウントの管理を行っている。「これらの従業員の1人がオプションを行使し、ポートフォリオとして価値が生じた時点で、その個人はわれわれのリテール顧客になる」と同氏は述べている。

 同氏と顧客の焦点は資産保全である。そして堅実なリターンをもたらす「魔法のつえ」は存在せず、分散投資が依然として重要なルールであると同氏は述べている。「(米国の)急速な回復は終了し、今後は緩慢な回復になる。その結果として米国株式へのオーバーウエートのポジションを引き下げる可能性がある」としている。同氏は新興国市場に最大のアップサイドの可能性があるとみているが、どのようなセクターであっても全力で集中投資するつもりはなく、ヘッジファンドなどもその例外ではない。「オルタナティブ投資は12~15%に維持する。どんなものであれ、一つのものでリターンが大幅に上がるということなどない」と同氏は述べている。

 


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