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IMFとG20が景気後退宣言! 現実の景気はどうなっているのか?

  • 投稿日:2014年10月17日

今回は、皆さんも気になっている「現実の国内外の景気」について、ご一緒に考えてみましょう。

本ブログは、AOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第54号」の一部を、再編集したものです。

 欧州最大の経済大国のドイツでは最近、予想を下回る経済指標が相次いでいます。8月の輸出が前月比5.8%減少したほか、製造業受注と鉱工業生産の急減も明らかになりました。

最新の国際通貨基金(IMF)発表の世界経済見通しの報告書によると、2014年の世界全体の実質国内総生産(GDP)増加率見通しを3.3%と、7月時点の予想から0.1%低下。4月予想から0.4%もの引下げで、減速に歯止めがかかりません。日本の14年の成長率は7月に予想していた1.6%から、0.7%もの大幅な下方修正でした。消費増税後の消費回復の遅れが響いています。ただ円安で輸出も緩やかに拡大傾向をたどり、「年後半の回復は強まる」としています。米英については、「いち早く金融危機から脱却しつつある」と評価しましたが、ユーロ圏経済は険しさを増しています。

 IMFは「さらに需要が減退すればデフレに陥る危険性がある」柔軟な財政出動や積極的な金融緩和の必要性を訴えていますが、財政難の先進諸国は、先週の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、大規模な追加財政支出による景気対策の発表は、ありませんでした。実はこうした動きも、世界の株価を冷やしています。

 しかしその一方で、世界の景気は意外と「減速気味ながらも堅調」な状況で、それほどひどくもありません。以下は、主な証拠です。

 

日本の9月工作機械受注額は前年同月比34%もの激増!

日本工作機械工業会(東京・港)が9日発表した9月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比34.8%増の1357億2900万円だった。国内や米国など主要市場が好調で、単月としては2008年のリーマン・ショック後で最高となった。12カ月連続で前年同月を上回り、回復傾向が1年続いている。これまでのリーマン・ショック後の最高だった11年6月の1285億円を大きく上回った。

 国内向けは16.6%増の492億8500万円。政府の補助金による後押しを受け、産業機械や金型など設備投資の裾野が広がっている。「中小企業の需要顕在化がより明確になってきた」(オークマ)。海外向けは48%増の864億4400万円。エネルギーや自動車、航空機など幅広い需要が見られる米国が好調で、欧州やアジアも堅調に推移した。

 工作機械は「機械を作る機械」で、受注状況は世界経済の体温計、景気の目安の様なものです。この数字を「不景気」とは、言えないはずです。肝心の米国の景気も堅調です。実は設備投資や借入れ状況などから考えると、米国の景気拡大はまだ始まったばかりとの見方も有力です。

 

米経済の今四半期は3%の経済成長か?

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が9日発表した月例調査で、雇用が従来の予想より速く拡大し、景況感が改善していること受け、米国経済は2015年に向けて堅実な拡大経路に乗っているとエコノミストらが判断していることが明らかになった。景気は最近のエネルギー価格の低下によって、さらに押し上げられるとみているエコノミストが多い。

 この調査は3日の9月雇用統計発表後に、46人のエコノミストを対象に実施した。それによると、7-9月期の米経済成長率は年率3.2%で、今10-12月期も同3.0%となると予想している。また、15年前半の実質成長率予測は同2.8%を予想、今回の景気回復期の平均値である年率2.2%を上回っている。

 今回調査での新たな好材料はエネルギー価格の下落だ。8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)11月物が1バレル=87.31ドルと6月のピーク価格と比べ19%安い水準で取引を終えた。同限月は9日も続落し85.77ドルと2012年12月10日以来の安値となった。

 今年7-12月期の消費者支出はインフレ調整後で2.6%増と予想している。コンビナトリクス・キャピタルのラム・バーガバチュラ氏は「原油価格の下落はクリスマス消費に追い風となる」と述べた。景気の下振れリスクについては国際情勢が主要な懸念との意見が大勢だった。また少数のエコノミストはドル価格の上昇と貿易赤字の拡大を挙げた。ウェルズ・ファーゴのジョン・シルビア氏は「欧州経済の停滞と中国経済の減速が米国の輸出への逆風となる」と述べた。

 この様に、堅調な米景気の障害となりそうなのは、ドル高よりも諸外国の景気減速なのです。主な通貨に対するドルの実質価値を示す米連邦準備理事会(FRB)の指数は2002年より25%、1985年より33%も低く、現実はまだ「米ドル安」状況で、チャートなどを見ても伸び代があります。

肝心の日本の景気の先行指標の機械受注も、実は増加傾向です。

 

日本の8月の機械受注は前月比4.7%増

 内閣府が9日発表した8月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は8078億円で前月から4.7%増えた。市場予想の中心値(1.0%増)を大きく超えた。3カ月連続で前月を上回り、建設関連での受注が目立った。

 内閣府は基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」とし、3月以来、5カ月ぶりに上方修正した。前月までは「一進一退で推移している」としていた。日銀が1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、今年度は大企業を中心に前年度を上回る設備投資を計画しており、設備投資が景気を下支えする流れが強まる可能性がある。外需は1兆547億円で前月比で29.1%増えた。前月は42.6%減と大きく減ったが、2カ月ぶりに増えた。

 内閣府は7~9月の機械受注の見通しを前期比2.9%の増加としている。7月は前月比3.5%増だったため、7~8月は見通しよりも伸びていることになり、9月は4.8%減以上の水準であれば見通しを達成できる。達成すれば2四半期ぶりのプラスになる。

この様に最近の日本の景気は、停滞気味とはいえ、マイナス成長と言うほどでもありません。むしろ現在の課題は、好調だった欧州最大の経済大国ドイツの失速に代表される欧州の景気悪化と、物価上昇率低下です。「通貨安にしてでも、輸出増加による景気回復と物価上昇を進めないとじり貧」なのは、今や日本以上にユーロ加盟国なのです。

ドイツ経済省が成長率予想下方修正へ

 ドイツではこのところ、予想を下回る経済指標が相次いでいる。8月の輸出が前月比5.8%減少したほか、製造業受注と鉱工業生産の急減も明らかになった。ドイツ政府は14日、秋季経済見通しを発表する。春季報告では今年の成長率を1.8%、来年を2%と予想していたが、下方修正される見込みだと、複数の政府高官が語っている。

経済技術省は10日の報告で、世界的に景気が減速し、フランス、イタリアの状態も「十分でない」と述べ、その結果向こう数カ月のドイツの輸出は低調にとどまる公算が大きいとした。「海外の経済情勢は想定ほど芳しくない」との認識だ。

一方、内需には期待感を示した。堅調な労働市場と所得の伸びが経済を引き続き支えるとし、「経済の柱として最も信頼できるのは、依然として個人消費だ」と述べた。ドイツ経済技術省が発表した8月の鉱工業受注指数(季節調整済み)は、前月比5.7%低下し、世界的な金融危機の最中だった2009年初め以降最大の落ち込みとなりました。ロイターがまとめた市場予想は2.5%の低下でしたので、「予想以上の悪化」です。

 

中国政府系のシンクタンクが中国景気を下方修正

 中国政府系のシンクタンク、中国社会科学院は10月10日、2014年通年の中国の実質国内総生産(GDP)成長率が7.3%前後になるとの見通しを発表した。不動産市場の調整が長引き、投資全体の伸びが鈍っているため、今春時点の予測から0.1%下方修正した。15年の成長率は7.0%前後に鈍るとした。

 この様に、中国政府筋のシンクタンクでさえ、「2015年の中国の経済成長率は6%台まで低下するかもしれない」と、発表しています。いまや中国政府は、経済急成長よりも、汚職撲滅や過剰設備削減、「不動産・金融問題」解消、「環境・エネルギー問題への対応」に、忙しい状況です。

 

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

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