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2013年4月17日(水) インド株が伸び悩む「さまざまな理由」とは?

  • 投稿日:2013年4月17日

こんにちは。インドには以前からそれほど期待はしていなかった、Dataと小勝負です。

理由はいろいろあります。

電力不足に代表される深刻なインフラ不足、過剰な金消費と原油自給率の低さによる貿易赤字の定着、財政赤字も定着、資本不足なのに外国嫌いの保護主義、何かとしがらみが多くて本気でやっているよう見は見えない経済・政治改革…これだけ揃えば、急成長の持続は確かに難しいでしょう。

しかし、話はそこでは終わりません。

近頃またインド株が軟調に転じています。1月に約2年ぶりに2万の大台に戻したムンバイ証券取引所の主要30社株価指数SENSEXは1万9000を下回り、2010年11月に記録した最高値2万1004はほど遠いのです。

証券関係者は「内需主導の成長ストーリーは健在」とインド株投資を推奨しますが、現状を確かめ先行きを展望すると、少なくとも5つの難題が待ち受けています。

「普通の計算なら『A+B>A』になるはず。だが、そうはなってないんだ」。インドの家電大手で「オニダ」ブランドのテレビを売るMIRCエレクトロニクスのビジャイ・マンスカニ共同社長(63)は3月下旬、こう力説しました。

マンスカニ氏が言う「A」は(安物の)ブラウン管テレビ、「B」は(割高な)薄型テレビの事です。インドでは09年までブラウン管が全体の9割を占め、年1500万台売れていた。薄型テレビが普及し、3年後の12年のブラウン管テレビ出荷は半分に縮小しました。しかし、失われた750万台すべてが薄型に奪われた訳ではありません。薄型は2009年から500万台しか増えておらず「A+B<A」、つまり市場は縮小中なのです・・・・!

確かに高所得者やゆとりのある中間層が薄型テレビ市場を広げますが、低所得者が買うブラウン管テレビの市場はそれを上回る勢いで縮小中です。実は低所得者は数年来の物価高で可処分所得(実質的な収入)が減り、「内需主導の成長ストーリー」が当てはまるのは人口12億人の1~2割にとどまっているのです。このばらつきが、内需関連株の上値を抑えています。

2つ目の難題は、低調な民間設備投資です。国内に2つのテレビ工場を持つMIRCの設備稼働率は50%未満。13年にはインドのブラウン管テレビ事業からの韓国勢の撤退で供給過剰が緩むのではないかと期待しますが、それでも「新たな設備投資は不要」(MIRC幹部)な状況です。自動車でも鉄鋼でも生産設備は過剰気味です。機械株など資本財メーカーの株価は、上値の余地が限られています。

3つ目はルピー安です。昨年10月には一時、1ドル=52ルピー程度までルピー安修正が進んでいたのもつかの間、足元では54ルピーと下落しています。慢性的な貿易赤字が続く中、海外直接投資(FDI)の受け入れ額も低調です。12年10~12月期も経常赤字は国内総生産(GDP)比で6.7%もの規模でした。ドル=60ルピーまで進む可能性もある」(市場関係者)との見方もあり、ルピー安は素材株など広く製造業の利益を圧迫します。

4つ目は企業の資金調達環境に響く高金利です。インドの商業銀行の平均の主要貸出金利は15%強と高く、何とSENSEXを構成する30社の平均営業利益率と同水準です。企業にとって、銀行から資金を借り、設備増強や原材料調達に充てるメリットは、短期的にはほとんどないのです。

だがインド準備銀行(中央銀行)は、2会合連続利下げに踏み切った19日の声明で、今後の「利下げ余地は限定的」と明記しました。金融緩和が追い風となる日本とは異なり、インドの中銀は金融緩和に及び腰で、株高の要因にはなりづらくなっています。

最後の5つ目は政局です。14年春に下院選挙(総選挙)を控え、政界も産業界も票読みで忙しい。現在のシン政権を支える最大与党の国民会議派は、ここ4カ月で2つの友党が連立から離脱し、勢力が弱まっています。

シン政権は昨秋から、規制緩和などを相次ぎ公表し、今年年初までの株高要因となりましたが、09年から続いた政策停滞の再来を危ぶむ声も出始めています。総選挙で圧倒的な議席数を握る第1党が現れず、基盤の脆弱な複数政党による連合が政権を取った場合、「汚職疑惑を持ち出し与野党が批判しあう『ブラックメールの時代』に突入する」(地元経済紙ベテラン記者)恐れもあり、政治のマヒが懸念されているのです。

証券会社が催すインド株投信の説明会などで決まって示されるのが、05~07年に9%を超えた成長率や、過去の株価推移などのグラフです。そして他国の市場に比べインド株市場の有望さを説きます。ただし買い手にとってみれば、過去の実績や相対比較だけでなく「今は買い時か」「今後は値上がりするか」が重要です。インド株の先行きを読み解く上で、上記の5点をその都度、再検証してみることをお薦めします。

・・・あえて今後が期待できそうな業界があるとすれば、ルピー安を追い風に米国などで稼ぐIT部門や、近頃「格安な割には品質はまずまず」と、知る人ぞ知る存在になりつつある自動車部品産業でしょうね。

株といえば、昨年はタイの株価が急上昇しましたね。

最近私が作成したメルマガでは、タイ経済の現状と課題・今後の見通しについて、最近あったばかりの日銀の超金融緩和策も考慮して、本格的でやや大胆な予測をしてみました。ご興味ある方は、こちらをどうぞ。バックナンバー購読も可能なようです。

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今回は、以上になります。

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