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2012年8月2日(木) 長期的に日本が「脱石油」を迫られる原因とは?

  • 投稿日:2012年8月2日

「読めば明日の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

201282日(木)by Dataと小勝負(AOIAアナリスト)

今年も日本にもいよいよ来ましたね。「暑~い夏」が。

エアコンのお世話になりたいところですが、やはり電気の消費量が気になります。

話は中近東に飛びますが、やはりあちらの酷暑は半端ではなく、一人あたりのエアコンによる電力消費量も、日本とは比べ物にはなりません。

あまり日本では知られていませんが、中東産油国は世界有数の子沢山の人口急増地帯でもあります。そして、発電の主力は石油火力発電所です。

ここから得られる結論は、「中東産油国の原油消費量が今後は急増し、原油輸出量は長期的には減少するのでは?」です。冗談のような本当の話です。

実際、2012年7月25日の日経新聞朝刊マーケット商品面には、この見出しがありました。

「サウジ、石油製品の高値追求 人口急増で輸出余力減る」

石油製品のアジア向け大手輸出国、サウジアラビアが高値を追求する姿勢を強めています。今年前半には石油化学原料のナフサ(粗製ガソリン)の日本向け割増金や液化石油ガス(LPG)価格を、過去最高に引き上げました。

実際、サウジは石油製品の輸出価格を相次いで引き上げています。ナフサのスポット価格に上乗せする対日割増金を、7~12月は前期比6割高の過去最高にしました。プロパンなどのLPGは需要期の2月積み価格が過去最高でした。川上の原油は2008年の最高値より3割強安かっただけに、消費国には驚きが広がっています。

サウジの動きの背景には、人口増加率が年2%前後と高く、国内で消費する石油の量が大幅に増えています。サウジの人口は現在の約2,800万人から、20年後には何と4割も増加する見通しです。乗用車や発電に使う石油の量も、人口に比例して増加します。

日本エネルギー経済研究所の試算によると、サウジの石油の自国消費率は、現在は2割強ですが、35年には5割弱にまで急上昇する見通しです。・・・・多過ぎます。

もちろん、サウジアラビアでも太陽熱発電や原発の建設に力を入れていますが、消費の伸びに追いつかないのが現実です。意外と技術面や安全保障面のハードルが高く、太陽光発電は雨が降らないと肝心の発電用のパネルが砂だらけになり、まともに発電できなくなってしまいます。

アジア経済研究所の福田安志研究員は「今後、石油製品の輸出量が限られるだけに、サウジは採算をより重視する」とみています。値上げには石油精製の収益基盤を固め、若者の雇用拡大につなげる狙いもあるようです。石油化学にも力を入れており、原料ナフサの安売りはしない公算が大きいのが、現状です。

一方、サウジの最大の輸出品目である原油は、イラン情勢の緊迫後に増産に踏み切るなど、消費国に配慮する姿勢が目立ちます。原油高が世界景気を冷やしたり、石油離れが起きたりするのを避けるためと、いわれています。

ただ、将来については専門家の見方が分かれています。サウジにある日本貿易振興機構(JETRO)リヤド事務所の元所長、前田高行氏は「財政収入を維持するためにも原油の生産量を増やし、輸出量の確保を目指すはず」とみています。

一方、前出の福田氏は「生産枠の拡大は石油輸出国機構(OPEC)加盟各国の合意を得るのが難しいうえ、数兆円かかる新規の油田開発には慎重なはず」とみています。もしサウジの原油の輸出量が減っていくなら、今後原油価格が高騰しやすくなります。

この様に、長期的に日本は「脱原発」と「脱石油」の両方への対応が求められているのが現実ですが、太陽光・風力・地熱などの自然エネルギーによる発電は、コスト高や不安定な発電量以前に、発電の絶対量が少なすぎるという課題に直面しています。

すぐに解決策は見つからないかも知れませんが、現在の仕事を通じて何かヒントがないかも、今後調べてみようと思います。

今回は、以上になります。

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