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2012年9月14日 進出企業の黒字率が結構高いインドネシアの魅力と課題とは?

  • 投稿日:2012年9月14日

2012年9月14日 「読めば資産形成の力になる 個人投資家の世界の経済・金融研究日記」

こんにちは。AOIAアナリストのDataと小勝負です。インドネシア経済の今後の予測は、そう簡単ではありませんね。実は弊社主催のインドネシアの経済関係のセミナーが9月6日にありまして、講師はインドネシアにご関心のある方達の間では結構有名な、あの佐藤百合氏でした。

ブログという媒体ですので、全ての内容はご紹介出来ませんが、日本企業と関係が深そうな部分を中心に、要点を再編集して発表します。当面、インドネシアの成長は続きそうなので、インドネシアでの事業が好調な日本企業に注目するのも、あなたのビジネスや資産形成(投資行動)などの、ご参考になるかと思います。

インドネシア経済の今後を判断する際の主なポイントは、以下3点です。

1、民主化の急激な進展と定着が、安定した経済成長を促した。旺盛な内需や石炭 などの資源開発の本格化に加え、2025年頃まで人口ボーナス期が続く点も魅力 です。

2、以前から部品不足や為替リスクなどが懸念されてきたインドネシアへの投資ですが、現在は中国などアジア諸国よりも、企業規模を問わずむしろ利益が出やすい投資先。

3、成長率は確かに魅力ですが、インフラ不足や交通渋滞、賃金高騰、不透明な課税制度などの課題も多く、進出するには企業の基礎体力が問われる国です。

まずは、衝撃的なデータをお見せします。インドネシアは多くの日本企業にとっては、実は相対的には結構稼ぎやすい国だったのです。出所:AOIAセミナー資料25ページ

出所:ジェトロ海外調査部「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査(2011年度調査)」

このグラフを見ると、実に興味深い事が分かります。

既進出日系企業の収益状況を見ると黒字なのは、インドは全体の46.9%、中国は62.1%に過ぎず、マレーシアと豪州でもほぼ70%、ASEAN平均で72.4%、韓国・香港・マカオはほぼ80%、インドネシアは何と83.9%に達しています。日本企業の主力の中小企業や輸送機械器具関係の企業も、黒字企業の比率が高い点も、魅力です。

世界金融危機以降も堅調な経済成長を維持し、むしろ加速傾向です。

アジア通貨危機があった1998年前後はマイナス成長も含めて経済も政治も不安定でしたが、今世紀に入り年率5%近い経済成長を続け、2007年頃から約6%まで経済成長が加速し、懸念されていた失業率も、順調に低下傾向です。

2010年頃から、消費、投資、輸出ともプラス成長で、経済成長率は6%を突破中です。

人口の割に経済力の順位が低い分、課題を着実に解決して行けば、今後の伸び代が大きいと思われます。

最近の輸出は減速傾向ですが、代わりに投資(固定資本形成)が10%強の増加率です。

もともとGDP比の貿易依存度が新興国にしては低目の50%程度なので、欧州危機もそれほど深刻視されていないお国柄です。むしろ、年間世帯可処分所得5000米ドル以上に限れば、自動車普及率が既に東京を超えている首都ジャカルタなどでは、道路整備の前に車が増えすぎて着実に渋滞が悪化中という、贅沢な悩みを抱えています。

実際、2012年7月の自動車販売台数は前月比で0.8%増え、月次ベースで過去最高となる10万2512台を記録し、インドネシアは再び、今年100万台の壁を突破する軌道に戻る可能性があります(2011年実績は約90万台です)。

インドネシアの工業相は、2010年代末に自動車販売台数が年間200万台に達すると予想しています。その時点では、たとえ自動車生産ではタイが東南アジア最大の地位を維持していたとしても、販売台数ではインドネシアが軽くタイを追い越して、東南アジア最大の自動車市場に躍進している可能性が高いのです。車本体はともかく、産業面では快走です。

現在進行中の国家中期開発計画が順調に進展した場合は、2014年にはこうなります。

1、名目国内総生産(GDP) 2009年の約1.86倍の1.111兆ドル。

2、一人当たり名目GDP   2009年の2,590ドルから2014年の4,500ドル。

3、完全失業率          2009年の7.9%から2014年には5~6%へ低下。

4、総人口             2009年の2.31億人から2014年の約2.44億人まで増加。

前提条件は、2010年から2014年にかけて、実質GDPが年平均6.55%成長する事です。

・・・・やや高めの目標ですが、現在のペースでもかなり近いレベルまでは行けそうです。

一方で、国内の未加工資源の加工による付加価値獲得と雇用創出も、強く望まれています。

やや意外ですが、ジャカルタ周辺部が特に豊かという訳でもなく、資源に恵まれた地方に比較的豊かな大都市が急発展していたりします。実際、東カリマンタン州やリアウ州は、ジャワ島中部よりも、一人あたりの経済力が、はるかに高いのです。首都圏のGDPは実は全国の2割程度に過ぎず、バンコクの4割とはまるで違います。

・・・インドネシア経済は、広大な地方が支えていると言っても、よいでしょう。それだけ、内需に深みがある魅力的な国とも言えそうです。

2050年のインドネシアの人口は日本の3倍となり、GDPは追いつくと予想されています。

インドネシアは2050年になっても、10代から60代までの人口が大差ないものと予想され、日本よりは、はるかに少子高齢化問題が軽い国のままであり続ける見通しです。

しかし、インドネシアの投資環境への評価は、依然として微妙な状況です・・・。

1、世界銀行の「IFC Doing Business 2011」によると、総合順位は183か国中121位と、中国の79位よりは大幅に見劣りし、ロシアの123位とほぼ同じです。特に評価が低いのは、「契約の履行」の154位と、「企業の撤収」の142位です。

2、133カ国を調査対象とした世界経済フォーラムのレポートでは、中国の27位に対して、インドネシアは44位。特に評価が低いのは、インフラの82位と労働市場の効率性の84位と、技術力の91位です。

他の資料によると、物流面では通関の効率性と貿易物流のインフラが、特に低評価です。

183か国を対象とした調査によると、インドネシアの汚職指数は100と、75位の中国に劣ります。

投資環境の最近の主な改善点と課題は、以下の通りです。

改善点 1、法人税の引下げ(最高税率35%→25%

2、インフラ:    政府保証、ファイナンス、土地収用法(インフラ整備加速か?)

課題  1、インフラ:    道路網を中心に、需要の伸びに供給スピードが追いつかない

2、税制: 汚職、予納制(役人の算出額での仮納税)、移転価格税制

当局との間で、特に細かいもめごとが起こりがち

3、労働問題:    労働法の改正、労働争議

・・・・・主な原因は、賃上げ圧力です。

貿易規制:           輸入ライセンス、鉱物・石炭鉱業法

・・・・現在、影響が表面化していますが、インドネシアの国内法によると、充分な時間をかけて外国企業に対しても周知徹底して来た事になり、日本企業側の調査力や変化対応力の弱さなども一因の様です。

法制度の不確実性 1、末端の現場職員や組織ごとに、税制などの解釈が違う。

2、どれが最新の大臣令かも、役人の知識不足もあり、意外と曖昧。

だから、高額な費用を請求できる日本企業向けのコンサルティング企業が、急発展中です・・・・・。

※ 他にも、ジャカルタエリアでの工業用地の地価高騰なども、問題視されつつあります。

参考資料 弊社AOIAの過去の講演会実績は、こちらでご確認いただけます。

http://www.aoia.co.jp/lecture.html


今回は、以上になります。


今後も、予想外で時には実用的な意欲作を、毎週発表する予定です。


【※】当ブログ記事は、AOIA 株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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