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英国経済の課題と英ポンドの今後の見通しを考える

  • 投稿日:2015年1月19日

 先週後半の「スイスフラン高ユーロ安事件」には、驚きましたね。これは為替や経済の歴史に残る事件かもしれません。案の定、ユーロ安圧力はかなりの規模である事が再確認されましたが、まさかこれほど急激にユーロが下がるとは、ほとんど誰も予想できなかったのではないでしょうか?「米ドル高○安傾向」は、意外と多くの通貨ペア(取引する通貨の組み合わせ)で成立していますので、関心を持つと良いでしょう。下手したら2015年は、円と他の通貨の為替取引の「クロス円取引」よりも、むしろ「米ドル高○安傾向」を前提とした複数のFX取引をした方が、分かり易く安定した利益が出そうな状況です。

今回は、欧州連合(EU)に加盟しているにも関わらず、ユーロではなくポンドを使い続けている欧州の大国である英国と英ポンドについて、ご一緒に考えてみましょう。

 

英ポンドが直面する多様なリスクとは?

英ポンド相場は、英国経済の容易ではないファンダメンタルズ(基礎的諸条件)に、本当に気づき始めているのだろうか?ポンドがドルに対して大幅下落している。過去6カ月で1.71ドルから1.51ドルまで値を下げたが、背景の大部分を占めるのはドルの強さだ。同じ期間、ポンドは貿易加重ベースで2.2%の下落となっているが、ドルの加重がこの下げの大部分を占めるだろう。

しかし同時に、ポンドの下落リスクを無視するべきではない。主に以下のリスクがある。

 1. インフレ低下

 2014年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、英中銀イングランド銀行の目標下限を大きく下回るとみられている。ウォール・ストリート・ジャーナルのエコノミスト調査では、11月の前年同月比1%から同0.6%に伸びが減速したと予想されているが、実は0.5%に終わった。イングランド銀行のインフレ目標は2%で、上下1%が許容範囲となっている。目標未達の原因は言うまでもなく原油価格の急落にあり、英国の金利上昇は、そのぶん遠のいた。米国の方がまだ、金利上昇には近い状況だ。

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 2. 意外と巨大な「双子の赤字」

 通貨安は財政赤字と経常赤字の「双子の赤字」に関連している。雇用や成長率などの経済は一見順調に推移しているが、税収は不本意で、雇用の伸びの大部分は低賃金の職種に集中している。前年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比5.6%で、本年度は同5.0%と予想されている。2014年のドイツが財政黒字を達成したのと比べると、明らかに見劣りがする。

 同時に経常赤字も引き続き大幅だ。これは貿易よりむしろ投資収益の不足が主な原因だが、結果的に昨年の経常赤字はGDP比4.7%となった。これは新興国並みの悪さだ。政府財政の弱さと資本流入への依存は、通貨にとって深刻な弱気材料になる。そして次に挙げる2つのリスクは、こうした資本流入が減速ないし反転さえしかねない理由に関するものだ。

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 3. 石油の過剰生産と価格の低迷・・・・

世界銀行によると、2012年は英国の石油レント(GDPに対する石油生産の正味の寄与)が1.0%だった。大きいとは思えないかもしれないが、先進国としてはかなりの水準だ。だが、石油価格が下落し、北海油田など高コストの油田で生産が削減されれば、足かせになるだろう。実際、いまやウォール街(米金融業界)では、「原油価格は1バレル40ドル以下で低迷しそうだ」との見方が、優勢なのだ。

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 4. 不動産バブルの黄昏

 ロンドンとその通勤圏では不動産価格が過去最高に達している。この地域の大部分では、平均価格が平均所得の10倍以上と異様な価格だ。確かに、こうした価格水準を支える上では低金利が一役買った。しかし、外国人による買いも寄与してきた。近頃は原油価格が低迷しているため、ロシアや中東の買い手は、近年まれにみるほどの資金不足だ。その結果、彼らが買うのをやめれば、高級物件を中心に市場は崩壊する恐れさえある。ロンドンの高級不動産市場は、不動産税引き上げと海外資本の流入減少というダブルパンチに見舞われ、行き詰まりの兆候を見せている。これでも本当に、英国は金利を上げられるだろうか?

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 5. 政治的不透明感

 2015年5月初旬には総選挙が予定されている。どの政党や連立が勝利するかは定かでない。さらに、市場はさまざまな結果を嫌気する可能性がある。今のところ中道左派の労働党に勝ち目がありそうだが、これは大規模な増税を意味する。同党がさらに左派寄りの政党と手を組んだ場合にはなおさらだ。しかし、市場寄りの保守党が勝利しても、欧州連合(EU)離脱を訴える英国独立党(UKIP)の支援の下で政権運営する場合には、良い結果とは言えないだろう。UKIPは世論調査で支持を伸ばしているが、「これこそが米ドルに対する更なる英ポンドとユーロの下落要因になりかねない」との声は、投資のプロたちの間でも目立つ。単純に考えても、英国が欧州連合(EU)から脱退した場合、貿易関税や金融規制面などで一気にすぐには片付かない問題が激増し、現実の経済活動や金融情勢が、悪化しかねない。社会制度をなめてはいけない。これこそが現実の景気や産業、投資環境などの基盤なのだ。そもそも社会制度がまともな国こそが先進国になり易く、その可能性を大きく左右するのは実は政治だ。まともな投資家になりたければ、まずはこうした社会常識を磨くのが、実は近道かもしれない。私もそうだが、感覚的にせよ、流れがかなり読めるようになる。ギリシャの例が再び示すように、政治的不透明感は市場に深刻な動揺を与える可能性がある。

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 6. モメンタム(勢い)

 先週の「スイスフラン急騰・ユーロ暴落事件」を見れば分かる様に、為替市場は適正水準を飛び越えることで知られている。ひとたび弱気のモメンタムが根付くと、値動きは一方的かつ極端になり得る。経済がひときわ開かれている英国は、歴史的に見て通貨危機の影響を受けやすい。もはやそうならないとする理由は明らかでない。現実的なFXの取引方法の前提条件は概ね「米ドル高英ポンド安」と考えて、良いだろう。「2015年前半には1ポンド=1.50ドルを割り込み、一段安となりそうだ」との予想が、現時点では目立つ。やはり米ドルは強い。利上げ時期と並び、注目されるのが2015年5月に予定されている総選挙だ。今月25日に総選挙があるギリシャ同様に、英国でも欧州連合(EU)離脱の議論が盛り上がるとの見方から、「ポンド相場は不透明感を増している」(国内銀行)。少なくとも年央までは売りが先行するとの見方が強い。

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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