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米国株不振と欧州株が上昇する「分かりやすい理由」とは?

  • 投稿日:2015年3月20日

米国株はどれくらい割高か?
 雇用統計を受けた早期利上げ観測で下落した米国株。背景にあるのは高値恐怖症です。企業業績の減益観測が出ている中で株価収益率(PER)が高まるという歪みが起きています。こういう状況下での日本株の銘柄選びは、円安頼み以外の業績面での裏付けが重要性を増しています。「これまでも米国株の“高値恐怖症”は幾度も指摘されて来ましたが、今回は状況が異なります。米国株の5~10%程度の調整はいつ起きてもおかしくない」と話すのはSMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストです。調整がこれだけで終わる保証はありません。好調さが注目されてきたナスダックでさえ、最近は弱含みなのです。

米国株は「リーマン前」よりも割高?
 「異なる状況」とは米国の株価(S&P500種株価指数)と1株利益(EPS)の関係です。12カ月先予想PERは上昇を続け、すでにリーマン・ショック前の水準(EPSの15倍程度)を超え、17倍程度まで来ています。
これまでは高値恐怖症がささやかれても、順調に予想EPS(1株利益)が上昇して行ったことが株高を支えて来ました。しかしドル高の影響もあり、米国企業の2014年10~12月期決算は前年比3.8%増と小幅な伸びにとどまりました。さらに肝心の2015年1~3月期と4~6月期の予想EPSは、ともにマイナスに転じる見通しなのです。「EPSがマイナス成長に陥るなら、リーマン後の09年12月期以来」(阪上氏)。その場合EPSの上昇という、株高とPER上昇を支えたこれまでの前提条件が崩れる事になるのです。

 JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストも「経済成長率の高さなどの好材料に隠れ、原油安による資源セクターなどの業績悪化などが株価に十分織り込まれていない。みんな怖々買っているので、なんらかのきっかけがあれば利食いが起きやすい状況にある」と指摘しています。

 短期的な調整と中期的な株高というシナリオの中で重要性を増しているのが(日本株の)銘柄選別です。過去の米国株調整局面で要因別に市場平均との差を調査したところ、堅調だったのは(1)高配当利回り(2)低PER(3)高営業利益率――などの要因を持つ銘柄でした。逆に海外売上高比率の高い銘柄は相対的に下げ幅が大きかったのです。業績面を重視した銘柄選びが、より重要性を増しそうです。

 米ダウ工業株30種平均などで荒い値動きが続いているのは、投資家が米連邦準備理事会(FRB)の利上げに神経質になっているためで、目立つのは「ドル高で米株売り」の構図です。今年に入り、ダウ平均の1日の取引時間中の高値と安値の差は平均209ドルに達し、まだ年初から2カ月半ですが、昨年の平均から約1.5倍に拡大しました。相場の変動性(ボラティリティ)が増大中のため、株価が弱含みの「はずれ」を買わないよう、金融機関の関係者たちも必死です。

 ニューバーガー・バーマンのマシュー・ルービン氏は「過去もFRBが金融引き締めに転じる局面では、多くの市場で相場が乱高下した」と指摘します。経験則からは米国株は売られる傾向があり「今回も繰り返すのだろう」と身構えます。市場関係者は利上げに伴う株安に備え始めています。

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 欧州中央銀行(ECB)は2015年3月に量的金融緩和に伴う国債購入を始めたばかりです。米欧の金融政策の方向性の違いが為替相場に反映されています。ユーロ売り加速に合わせてダウ平均も下げ幅を拡大するのは、「ドル高が米国外で事業展開する企業の収益圧迫要因になる」との見方は根強いのです。今後のユーロ相場を大きく左右するのは、米国とユーロ圏の金利差拡大(観測)とされていて、FRB(米連邦準備理事会)の今後の動向が、極めて重要です。
 「リアルマネーが欧州から逃避しているようだ」。ある為替ディーラーが漏らしました。現在のユーロ安は投機筋の売買に加え、世界の中央銀行などもユーロ売りに回って引き起こされている可能性があるためです。一度売り始めたら当分続き、すぐには戻らないマネーでドル高への警戒感が高まっています。

ユーロ相場の見通しが急変中!
 ウォール街では、今年はユーロが対ドルで下落すると予想され、中には数年後には1ユーロ=1ドルまで下げるとみる向きもありました。しかし、ここまで急激で大幅な下落を予想していた人は、実はほとんどいませんでした。ユーロは、2008年に1.60ドルで取引され、昨年3月には1.39ドルをつけていましたが、10日には12年ぶり安値に落ち込みました。ユーロ相場は今年に入って11%を超える下げとなっていましたが、今回の急落で下げ幅はさらに拡大し、パリティ(等価)、つまり1ユーロ=1ドルまであと7セントまで迫りました。これは02年以来の低水準です。

 債券・通貨市場では、中銀による大量の購入とそれが他資産に与える影響を反映し、相場が既に下方修正された予想水準をさらに下回り、アナリストらもその下落ペースについていけない状態です。ユーロ急落の中心にあるのは、域内経済を促進し、台頭するリセッション(景気後退)への懸念を払拭するため欧州中央銀行(ECB)が取っている措置です。ECBは昨年初めて預金金利をマイナスとしたため、奇妙ですが投資家は短期のユーロ資産保有に金利を支払うこととなります。

 ECBは3月5日の定例理事会後に行った発表で、3月9日から債券購入による量的緩和を始めることを明らかにしました。債券を売却する銀行に資金供給することで、ECBは実質的にユーロの減価を促します。この量的緩和でユーロ圏内の金利は低下しているため、域内から資金流出が起きています。投資家がユーロ建て資産を手放し、域外に高利回り資産を求めるためです。資金の主な行き先の一つは、景気拡大で米連邦準備制度理事会(FRB)が10年ぶりに利上げしようとしている米国のため、ドルが高くなっています。

 ドイツ銀行は3月10日、低金利で投資家はユーロ離れを起こし、外国市場に向かうとの見方からユーロの予想を下方修正し、今年末までには1ユーロ=1ドルになるとしました。従来予想は1.05ドルでした。ドイツ銀のG10外国為替ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は、ユーロはここからさらに下落し、17年は0.85ドルになるとみています。このような見方をしているのはドイツ銀だけではありません。バークレイズは2015年2月に、年末時点のユーロ予想をそれまでの1.07ドルから1ドルに下方修正しました。このほか過去数週間にユーロ・レートの予想を引き下げたのは、野村証券(年末に1.05ドル)、TD証券(12月までに0.96ドル)などがあり、ゴールドマン・サックスも年末の予想をこれまでの1.15ドルから1.08ドルへ修正しました。

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 平均値で言うと、「ユーロは2015年末までには1ユーロ1ドルのパリティ(等価)辺りを目指す」という事になりそうですが、実は私は「2015年3月前半時点では1ユーロ1.05ドル前後までか?」との予測の報道は、あまり見ていません。という事は、多数派のFX個人投資家達も、手探りでこの相場に立ち向かった事になりそうです。その状態で「年末はパリティ(等価)を目指し1ユーロ1.07ドルの壁を越えたので、当面1ユーロ1.05ドルが落とし所か」と判断できた人は、先週の「ドル買いユーロ売り」取引で成功した可能性は高そうです。やはり一定の確かな相場観を持つべきでしょう。

 いくら欧州株が堅調でも、欧州の債券の投資妙味は、ドル高ユーロ安の影響もあり微妙です。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、ユーロ建ての社債は今年に入り1.4%値上がりしたにも関わらず、ユーロ建て社債に投資する米国の上場投資信託(ETF)のリターンはマイナス9%という有様でした。これから急激なドル高円安でもなければ、円でも赤字でしょう。ユーロ建て投資適格級社債の平均利回りはわずか1%未満。ECB効果で債券価格が上昇(金利は低下)しても、ユーロの対ドル年初来10%の下落を補うには低過ぎます。

 しかし欧州の景況感は改善中です。トムソン・ロイターによると、15年1~3月期の欧州主要600社の1株当たり利益は同5.0%の増益になる見通しで、15年通年でも欧州は6.2%増と10年以来の高水準となり、米国の1.7%増との格差は拡大する見通しです。欧州の内需企業も攻勢に出ます。競争激化で前期は2割強の大幅減益となった通信業は、15年に3割増益を見込みます。もっとも、米国企業の利益水準と比べると、欧州企業の収益回復はなお道半ばです。英運用会社大手シュローダーのジェームズ・シム氏によれば、欧州企業の利益水準は金融危機前のピーク水準をなお3割下回っています。米国企業が前回のピークをすでに1割強上回っていることに比べて、収益力の格差は開いたままです。という事は、当面の欧州株の株価の天井はそこそこで、数年かけてじわりと上昇する可能性も、ありそうです。日本株ももちろん、有望とされています。

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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