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米国株に死角あり!そう楽観できない消費財セクター

  • 投稿日:2015年3月4日

近頃トマ・ピケティ氏の本や発言などがきっかっけとなって「格差社会」が日本でも注目されていますね。実は日本と米国の格差社会はレベルや課題などが違い、論点もいろいろとありますので、今月中に私が執筆しているAOIA会員様向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト」で一度まとまったものを書こうと考え、現在準備中です。米国の景気は回復中ですが、格差社会が進み過ぎて、実は消費の現場が妙な事になっている様なのです。その結果、「景気回復なら消費財セクター(業界)が活気ついて株価も上がるだろう」との期待で買われてきた多くの株式の今後が疑問視され始めています。それでは本題に入りましょう。

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米国人の4割弱は破産の危機?

富裕層はますます裕福になっているが、そうでない人々はそれほど幸運ではない。

米国の個人向け金融情報サイト、バンクレート・ドットコムが2015年2月23日に公表した米成人1000人以上を対象とする調査によると、クレジットカードの負債額が緊急の際に使える貯蓄と同水準あるいは上回っている」との回答が、何と37%に達した。こうした人々の多くは、緊急事態が生じた場合に支払いが困難になりかねない。

 特に米国では、緊急事態は人々が考える以上にしばしば起こる。米クレジットカード大手のアメリカン・エクスプレスが実施した2014年の調査結果によると、米国人全体の約半数が過去1年間に予想しなかった出費を経験していた。その一部は緊急事態とみなされる理由による。実際、予想外の出費があった人々の44%は医療費関連で、46%は自動車関連のトラブルによるものだった。ほぼ車社会の米国では職場に行くために車が不可欠で、日本よりもはるかに高額な医療費と同様に、多くの米国人にとって多額の支払いが避けられないものだ。

 年齢別に見れば、働き盛りで子育ての真っ最中の世代の30~49歳の年齢層の人達は特に困難な状態にあり、子供がらみや住宅ローンといった出費がかさむ傾向にある。米国の専門家によると、消費者にとって理想的な状況はクレジットカードの負債がゼロで、緊急事態用の資金として少なくとも生活費6カ月分の貯蓄(扶養家族がいればもっと多く)があることだ。「これくらいの経済力は普通の大人なら当然」と思うだろうが、現実はそうでもない。

 米国人の過半数は驚くべき事に、それには程遠い状況だ。バンクレート・ドットコムの調査によると、緊急事態用の預金がクレジットカード負債を上回っている米国人の割合は58%に過ぎない

この結果、原油安や雇用増加の割には米国の消費はぱっとしない。時には小幅に減っている時まである。投資家の多くはこれから困惑する事になりそうだ。

原油安や雇用の改善を背景とした個人消費の回復期待から、一般消費財銘柄の株価は最近まで大幅に上昇した。しかし、一見完璧に見える現在の環境の下で上昇した株価も、好景気という下支えがなければ今後下落する可能性がある。

 過去3カ月間、ウォルト・ディズニー(DIS)やホームセンター大手のホーム・デポ(HD)などの一般消費財銘柄の株価は好調で、S&P500指数の3倍近いリターン(利回り)を上げた。ガソリン価格の下落や労働市場の改善による消費者の可処分所得の増加で消費が拡大し、最終的にこれらの企業の利益が増加すると予想されていたからだ。

しかし、米国の消費者の動きが回復に向かうなか、奇妙なことが起こっている。予想していた消費が活発化する動きが見られないのだ。旺盛な消費が復活することを見越して株価を上げていた一般消費財銘柄は、賃金の上昇や利上げの可能性といった潜在的なリスクにさらされている。もし、消費が本格化しなかったら、これらの銘柄の株価は下落するだろう。

 確かに、一般消費財銘柄にとって絶好の環境に見えたかもしれない。3カ月前は1ガロン=2.8ドルほどだったガソリン価格が現在は2.3ドルくらいまで下落した。多くの米国の家庭にとっては1000ドル単位の節約(臨時ボーナス)となり、少し大きな買い物や旅行などに大盤振る舞いしても、不思議ではなさそうな状況なのだ。しかも、米国の11月から1月の新規の雇用創出は1997年以降で最大となった。まさに最高の消費環境と言えそうで、これで「消費財企業の株を買うな」は確かに酷な話だろう。

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賃金上昇と利上げが悪材料

しかしなかなか、消費者の財布のひもは緩まない。2015年1月のガソリンを除く小売売上高は0.2%減だった12月から横ばいだ。ガソリン価格の下落にもかかわらず、米国の貯蓄率は12月に上昇した。「実はガソリン安で節約されたお金の過半数は貯蓄と暖房費に回っているらしい」との、それなりに説得力がある調査結果もあるようだ。

 バリュエーション(株価評価)の割高感も課題だ。上場投資信託(ETF)の一般消費財セレクト・セクターSPDR ETF(XLY)は過去3カ月で8%も急上昇した。これはS&P500指数の上昇率2.9%の3倍近い。このため、一般消費財セクターの株価には割高感がでている。一般消費財ETFの予想株価収益率(PER)18.4倍に対し、S&P500指数は17.2倍だ。

 さらなる懸念材料も、実はある。大手金融機関クレディ・スイス社のストラテジストのロリ・カルバシナ氏によると、予想PER、株価純資産倍率(PBR)などのバリュエーション指標を均等加重平均した結果、一般消費財セクターの大部分を占める小売りセクターが大型株の中では5番目に割高なセクターになっていて、過去に上昇相場が終わりに近付いていることを示した水準に近いという。同氏の結論は「株価は完璧(全て織り込み済み)」だ。

 しかも株価に反映されていないリスクもある。まず、一般消費財は最も労働集約的な産業だ。賃金の上昇圧力は抑制されているものの、状況は変化しつつある可能性を示している。先月、ウォルマート・ストアーズ(WMT)は50万人の従業員の賃上げを行うと発表し、株価は3.2%下落した。他の小売業者がウォルマートに追従し、全体的に賃金の上昇圧力が高まる可能性が高まっている。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの可能性もある。確かに、先月公表された1月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、2015年6月の利上げの可能性は後退したかも知れないが、年末までに利上げの可能性があるという事実に、変わりはない。実際イエレンFRB議長は「今後の雇用改善は物価上昇を促しやすい」と、発言している。「インフレになればFRBは米金利を上げるだろう」は、多少なりとも現在の米国経済に詳しい人なら常識だ。以前から利上げは、一般消費財産業(セクター)にとっては悪材料だ。

 FRBが2004年から2006年に及ぶ長期の金融引き締めサイクルに乗り出した時も、一般消費財セクターの株価上昇率はS&P500指数の上昇率16%を8%も下回った。さらに、FRBが利上げを開始した1994年、1999年、2000年も同セクターは平均を下回った。「一般消費財セクターの株式が買われるのは金融緩和局面で、利上げ開始時ではない」との経験則もある。

 消費者が支出を開始し危機を乗り切るかもしれないが、もし実現しなければ絶好の環境もとんだ見込み違いに終わるかもしれない。投資の世界はそれほど甘くはない。

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日時:2015年03月04日(水) 19:00 ~ 20:30

場所:AOIA虎ノ門セミナールーム 〒105-0001 東京都 港区虎ノ門2-9-11 信和ビル B1

詳しくは、こちらをどうぞ。

https://argo-navi.net/mielca_aoia/PublicSeminar.aspx?gId=1&sId=1&eId=1552

AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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