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米国にマネーが戻ると投資環境がどの様に変わるのか?

  • 投稿日:2014年10月6日

近頃、株価や為替の変化が、激しいですね。一体何が起こっているのでしょうか?

 米金融政策がゼロ金利政策の解除を模索し始め、2016年後半には米国の金利が3%台後半にまで上昇する可能性が、話題になっていますね。現在、世界のマネーフロー(お金の流れ)が劇的に変わろうとしていて、多くの投資家や企業にとっては、チャンスでも課題でもあります。

 マネーは新興国・資源国から米国に向かい、米経済は株高と長期金利の低位安定という恩恵を受け、株価を中心にその「余禄」を、日本や欧州が受けている状況です。

 しかし、資金のシフト(移動)が急激過ぎると、市場はリスクがある取引から資金を引き揚げる「リスクオフ」と受け止め、株高も終わってしまう可能性が、懸念されています。「米国独り勝ち経済」は、リスクオフと背中合わせという不安定さを、抱えています。

<日米株価の下落、表面的には米経済への懸念が関連>

 今月1日から2日にかけ、世界の金融・資本市場では、米株の急落をきっかけに日経平均.N225が400円超も下がり、それまで急進展してきた円安も止まって「リスクオフ」相場が意識されました。

 やや意外な事に、自己資本利益率(ROE)の高さで人気銘柄化したブラザー工業の様な一部の優良銘柄でさえ「欧州関連株」扱いとされ、不景気な欧州が嫌気された結果売りが増え、価格は急落しました。

3日(金)の東京市場でも、日経平均には大きな買い戻しが入らず、ドル/円108円後半で推移し、1ドル110円定着は先延ばしの状況です。

 一体何が起きたのでしょうか?「米経済のエンジンが、このままフル回転していくのか疑問になる経済データが出て、市場が疑心暗鬼になった」(邦銀関係者)ほか、エボラ出血熱の患者が米国内で発生し、拡大する恐れが出てきた結果、経済への影響を懸念する見方も出てきました。

また、ウクライナ内戦の再燃と、「イスラム国」などのイスラム過激派との世界規模の戦争拡大も、一定の下落圧力ではあります。

 幸い2014年9月の米雇用統計の結果が、予想より多かった非農業部門雇用者増加数を中心に底堅く、日米株価の底割れは食い止められたようですが、世界の投資環境は、不安定さを増しています。

新興国の通貨と株式の下落と資金流出が意味するスパイラル(悪循環)・リスクとは?

 しかし、根本的にはより大きなメカニズム(仕組み)が働き出しているのではないか?それは今月末にも予定されている量的金融緩和第3弾(QE3)終了に代表される米金融政策の「出口戦略」発動と、ゼロ金利解除を想定して動き出した新興国・資源国から米国への急速な資金移動だ。

 ブラジルレアル、インドネシアルピア、トルコリラなどの先月以降における大幅な下落は、米金融政策の影響の典型だ。まだあまり日本では報道されていないが、ASEAN諸国の多くの通貨や株式も、下げ相場入りした。例えば好調さが一部の投資家の間で話題となったフィリピンの株価も、割高感や上昇傾向の国内インフレ率、金利上昇や景気減速もあり、そろそろ怪しい。

通貨の下落は資金の流出を意味し、いずれ短期金利の上昇を伴って、通貨下落国の経済を悪化させ、それを見越して株価下落へとつながるスパイラル(悪循環)が発生するリスクが高まる。

特に、「新大統領への期待バブル」が高まったインドネシアの通貨は、下がり易いだろう。

1997年のアジア通貨危機でも、いったん資金流出が増加しだすと、事前の想定を上回って市場は混乱した。

 今回の日米欧などの株価下落現象は、単なる最近の上昇に対する調整ではなく、今は目に見えない「リスクオフ」現象を引き起こす「何か」への懸念の反映かも知れないので、気がかりだ。

実際、日米株とも、中小型株の人気低下と価格下落、一部の大企業の株式への人気集中などの「質への逃避現象」が、明らかに進行中だ。

米はドル高政策に転換か、1997─98年にう類似の状況

では、どうして懸念が強まるのか。それは米経済政策が1997年、98年当時のドル高政策に似た政策へと転換した可能性があることと、強く関連する。

 米金融政策をチェックしてきたFEDウオッチャーの一部や米政策当局の周辺からは、ルー米財務長官をはじめ米政策当局から、ドル高をけん制しない発言が出て来ない背景について、以下のような観測が出ている。

量的金融緩和第3弾(QE3)を終了させ、遠くない時期にゼロ金利政策の解除を目指す米連邦準備理事会(FRB)にとって、金融引き締めの効果に市場が過敏に反応し、株価が大幅に下落し続けるのは得策ではない。

 一方、利上げを見越してマネーが米国に流入し、米長期金利の上昇が緩和され、米株価が押し上げられるのは、理想の現象に近い。実際、1997年、98年にはそうした市場環境が実現している。株高・米債高という現象が実現できれば、短期金利の上昇という「副作用」を相殺して余りある経済効果を期待できる。したがってドル高は容認する──というシナリオだ。

急速な資金流出が招くリスクオフ

しかし、市場は「ほどほど」が難しいところでもある。ほどほどにマネーが米国へと流れ込めば、「米経済の独り勝ち」が実現し、そのプラスの影響を受け、貿易相手国は輸出を伸ばし、あわよくば通貨安も実現できるルートが見えてくる。

 しかし、新興国から急激にマネーが流出し、株価下落・通貨急落へと一足飛びに連動作用が表面化した場合、市場にとって最も避けたかった「リスクオフ」が表面化。過剰マネーに支えられた流動性相場の享受から一転、世界的な株安連鎖という「危機」に直面しかねない。今月の1日から2日に展開された市場の変動は、まさにその構造の一端を、ちらりとのぞかせたのではないか?

 仮に米利上げ時期を織り込み(反映し)始めた時は、世界的な大きな株価変動に直面すれば、FRBが模索しているゼロ金利政策の解除が、先送りされる可能性が高まると、私は予想する。

なぜなら、特に米国は、株価上昇による消費増加の効果、いわゆる「資産効果」による経済拡大が、馬鹿にならないからだ。

この様に、新興国・資源国からの資金流出は、結局は米中央銀行のFRB(米連邦準備理事会)の政策に影響を与えうる。ブーメランは放たれた場所に戻り、大きな打撃を与える事もあるのだ。

 こうした状況下、株式などの価格変動の活発なものへの投資は、投資先の厳選と出来れば週単位の損益の把握、小まめな利益確定が、望ましいだろう。やや大げさにいえば、優良銘柄であっても「5%下がれば売り」で、「山高ければ谷深し」なので「2割以上価格が上昇すれば上げ相場でも売り」も、そう悪くはない選択肢だ。実際私はそうやって、先月は1月弱で10%の運用利回りを確保した。やはり投資も仕事と同様に、細かく具体的な判断基準と充分な行動力があった方が、良い結果を出しやすいのだ。

 

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

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