人生を豊かにする経済とお金の学校 グローバル資産形成学院

米中間選挙結果の要点とその影響とは?

  • 投稿日:2014年11月10日

今回は、皆さんも気になっている「米中間選挙結果の要点とその影響」について、ご一緒に考えてみましょう。本ブログは、今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第58号」の要点の一部を、再編集したものです。

 先週の大ニュースといえば、米与党民主党が中間選挙で派手に負け、上下両院で少数派に転落した事です。主な敗因はオバマ大統領の実力不足に対する失望だとされています。「理屈に凝り固まり、人間関係を作るのが下手で、良い意味で感情的・情熱的でなく、結局政治工作が出来ず、演説するだけ」との、厳しい見方もあります。

ただ、オバマ政権下で行われた米金融再建、自動車産業復興、雇用回復、イラクを中心とする中東などからの撤兵、オバマ政権の看板政策である医療保険制度改革法(オバマケア)推進などもあり、米国や世界の状況は、部分的にせよ改善中です。

しかし、米国人の多くは、こう考えたようです。『だが結局、私の仕事や生活は良くならなかったし、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」もロシアも中国もやりたい放題で、米政治の現状に失望したから、オバマ大統領を中心とする与党民主党には投票できないので、野党共和党の候補に投票する』。

その結果は、与党民主党の派手な負け戦でした。中間選挙は上下両院の議員選挙が特に注目されますが、実は州知事も投票結果によってはごっぞりと入れ替わり、彼らが「大統領選挙人」を選ぶため、次回大統領選挙に与える影響力も馬鹿にはならないと、されています。

 今回大勝した米共和党の主な支持基盤は、中高年と、中高所得者、および米金融業界を含めた企業と、農家・農業団体です。主な政治路線は、「小さな政府・強い米国・自由貿易」志向です。案の定、企業経営の負担にもなっているオバマ政権の看板政策である医療保険制度改革法(オバマケア)の見直し(撤廃)を、オバマ大統領に対して早速、強く要求し始めています。

 撤廃されれば確かに、短期的には企業利益や株価にプラスかもしれませんが、米国の医療費と保険料は世界的に見てもGDP比でも高過ぎ、国民に主に直接負担させ続けると、結局は消費低迷につながる状況も、あり得ます。どちらに転んでも、そう好ましい状況ではなさそうです。

 米共和党は「強い米国」志向のため、ロシアなどの強硬な態度を示す外国に対しては、民主党やオバマ大統領よりも手強い交渉相手になる可能性があります。「自由貿易志向なので環太平洋経済連携協定(TPP)成立には追い風では?」との見方もありますが、日本の農業自由化を、強く迫って来るでしょう。実はこの面でも、それほど状況が変わらない可能性は高そうです。

『最近のマーケット情報や、実用情報を知りたい方はこちらをクリック』してください。
https://argo-navi.net/mielca_aoia/PublicMailMagazineEntry.aspx?no=3

以下、もう少し詳しく確認してみましょう。

米中間選挙は4日(日本時間5日)に開票があり、オバマ大統領が率いる与党の民主党は大敗を喫した。野党の共和党は下院の多数派を維持したうえで議席を上積みし、上院では8年ぶりに過半数を奪還しました。共和が上下両院を制することで、オバマ氏は一段と厳しい政権運営を強いられます。

 連邦議会の現有議席は上院(定数100)で民主55、共和45。下院(定数435)は民主199、共和233、欠員3でした。今回の選挙では上院の36議席(辞職などに伴う特別選挙の2議席を含む)と、下院の全議席が改選対象になりました。南部ルイジアナ州の上院選では過半数に届く候補が出ず、12月6日の決選投票に進むことになりました。保守色が強い同州では共和候補に勢いがあるとみられています。

 議会の主導権は共和に移ります。上院は条約批准や政府高官、大使らの人事を承認する権限を持ちます。任期があと2年のオバマ氏が共和に譲歩を重ねる展開も予想されます。テロとの戦いや中ロ外交、財政、環太平洋経済連携協定(TPP)など懸案の処理に響きそうです。中間選挙では36の州知事選もあり、これまでに共和が24州、民主が8州で勝ちました。次の大統領選を見据え、共和は州での地盤を広げた形です。

 米中間選挙は大統領のいる与党に不利というのが定説です。戦後の中間選挙で上下両院ともに議席を増やしたのは、同時テロ後で高い支持率を維持していた2002年のブッシュ前大統領だけです。特に大統領2期目の選挙は苦戦する「6年目のジンクス」があります。

 今後は米議会で両院を支配する共和党が協力しない限り、政策を実現に移すための法案は成立しません。条約の批准や政府高官、大使らの人事も承認されません。オバマ氏は大統領令や共和党が提出した法案に拒否権を発動することは出来ますが、対立が深まり、議会は機能不全に陥るおそれがあります。米メディアが実施した出口調査によると共和党は、10年の前回とほぼ同じ51%の支持を獲得したに過ぎません。最悪の場合「ほぼ半数の投票」が無駄になる可能性もあり、共和党の現実的な対応が、望まれます。

米大統領と議会の関係とは?

 米国では、法律は議会上院と下院が可決し、大統領が署名して成立します。両院が可決した法案でも、大統領は拒否権を発動して議会に差し戻すことができます。両院が3分の2以上の多数で再可決すれば法案は成立します。大統領には強い行政権限があり、議会の承認を必要としない大統領令として行政命令を出せます。権限の制限範囲も憲法で明確に規定されておらず、大統領令は議会を通さずに政策を実現する有力な手段になり得ます。オバマ氏は大統領令を多用する傾向があり、共和党は議会の立法権の侵害として強く反発しています。大統領は条約締結権を持つものの、上院の3分の2以上の賛成による同意が必要です。

FRB(米連邦準備理事会)にはほろ苦い状況に?

 イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がバーナンキ前議長から引き継ぐ準備をしていた際、前議長からは「議会がボス」だということを忘れてならないというアドバイスを受けました。

 4日の中間選挙で野党共和党が上院の過半数を奪回したことで、イエレン議長は前任者の警句を肝に銘じた方がいいでしょう。上下両院の主導権を握る共和党の下で、金融システムを監督し金融政策を立案する連邦準備制度の権限を抑える議会の取り組みが勢いを増しそうです。

 オバマ米大統領は米国の中央銀行である連邦準備制度の独立性を脅かすいかなる法案に対しても拒否権を行使すると見込まれるものの、イエレン議長(68)は1世紀に及ぶFRBの歴史の中で、最も大胆な刺激策から脱却を急ぐよう圧力を受ける公算が大きいのです。この結果、「FRBによる市場とのコミュニケーション」に影響が及ぶ可能性もありそうです。

 来年3月頃から米国の財政問題が再燃し、金利を中心に投資環境がより不安定化する可能性も想定されますので、現在高騰中の米REIT(投信)などのリスク資産の売却による現金化と、その一部のドルでの保有、米国株を含めた成長株・割安株やそれらに投資する投資信託(ETFを含む)の購入などを、徐々に進めると良いでしょう。

 

『最近のマーケット情報や、実用情報を知りたい方はこちらをクリック』してください。
https://argo-navi.net/mielca_aoia/PublicMailMagazineEntry.aspx?no=3

今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


  • グローバル資産形成学院WEBキャンパス開校 ネットで学べるオンライン講座
  • WEBキャンパスで開催中の講座はこちら
  • WEBキャンパス会員登録はこちら
  • 資産形成力要請コース