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日銀の追加金融緩和の要点と株価や為替などに与えうる影響とは?

  • 投稿日:2014年11月3日

今回は、皆さんも気になっている「日銀の追加金融緩和の要点と株価や為替などに与えうる影響」について、ご一緒に考えてみましょう。

日銀は10月31日、予想外の追加金融緩和を発表した。最近のインフレ率低下もあり黒田東彦総裁は記者会見で「これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。日銀としては、こうしたリスクの現実化を未然に防ぐ」ために、追加緩和を実施したと説明した。つまり、何が何でも年間2%のインフレ率を達成することを考えての、緩和ということだろう。黒田総裁はこれに異様なほどこだわっている。国内景気よりも関心があるようだ。

ここで、今回の追加緩和の主な内容をまとめておきたい。

  • マネタリーベースが年間約80兆円程度(これまでは60―70兆円)増加するように日本の金融市場の調整を行う。
  • 長期国債について、保有残高が年間約80兆円(これまでは50兆円)程度増加するように買い入れを行う。

  実はこの「日本国債買い取り額30兆円増加」は、約120兆円の資産を保有する日本の公的年金を管理する組織のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、減らそうとしている国債などの債券保有額と酷似。発表日も同じだったため、「両組織申し合わせの上の判断では」  との疑惑が、渦巻いている。

 

  • 買い入れる長期国債の残存期間を7―10年程度に延長する(これまでは7年程度)。
  • 指数連動型上場投資信託(ETF)および不動産投資信託(J─REIT)について、保有残高がそれぞれ年間約3兆円(これまでは約1兆円)、同約900億円(これまでは約300億円)増加するよう、買い入れを行う。金額は大した事がないのだが、影響力大だ。
  • 実際に日銀が購入する日本株のETF(上場投資信託)は、いままで通りに、JPX日経インデックス400連動型などの「自己資本利益率(ROE)が高めで財務状況が良い日本株を売買する上場投資信託(ETF)」になる可能性が高く、人気銘柄も自然と、「財務がよく利益率が高い企業の株式」となりやすい。また、日銀の不動産投資信託(J─REIT)購入は、相場の維持向上にかなり貢献して来たため、価格安定化がそれなりに期待出来る。

 

ところで皆さんは、普段使っている日本円の正体を、ご存じだろうか?

 円という通貨(紙幣)は日銀が発行しており、日銀のバランスシートの負債側にある。そして、今回の決定は、その発行したお金でこれからも更に残存期間の長い国債や、株式、J─REITを購入していくと決めたということだ。

 極端な言い方をすれば、日銀は資産側に価値が下落しやすい、質の悪い資産を購入していけば、負債側にある円の価値を簡単に下げることが出来る。

何も為替レートのことだけを言っているのではない。通貨の価値を下げるということは、様々な物(不動産、車、コップ、食べ物、飲み物など全ての物)に対する通貨の価値を下げるという意味だ。これは円建てでみた物価が上昇することに他ならない。

日銀が「その気」になれば、自ら発行している円の価値を下げるのは容易だ。今回の追加緩和は、日銀が「その気」になってしまっているような印象を与えかねない。そうなると、人々は円という通貨を保有したくなくなる。何しろ発行している組織自体がが価値を下げようとしているのだから当然だろう。

ある人は円という通貨を様々な物と交換しようとするだろう。また、ある人は外国の通貨と交換しようとするだろう。後者の行為を行う人が増えれば、為替市場で円安が進む。実際、そうした人々はすでに増加中だ。最近は外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける個人投資家(通称、ミセス・ワタナベ)も、ドル高円安を前提に積極的に売買するようになっているが、この動きは定着し、さらに大規模化していくだろう。

来年9月にはドル120円到達?

 日銀の追加緩和と「合わせ技」で発表された感もあるが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は10月31日、外貨建て資産の比率を40%へ大幅に引き上げると発表した。様々な前提により異なるが、大まかに言って、10兆円程度の追加的な外貨建て資産の購入が行われる可能性がある。

 意図的か否かは別にして、現在GPIFが保有している日本国債を日銀が買い取り、自らの資産とし、日銀がGPIFに支払った(発行した)お金で、GPIFは外貨建て資産を購入する構図が演出されている。

「株式よりは国債の方が安全では?」との考え方は一見主流派で正統派に見えるが、実はそうではないのかもしれない。

 実際、10月31日に記者会見したGPIFの三谷理事長自身が「全額国債運用なら、1%金利が上昇すれば(債券価格が下落するので)10兆円の評価損が出る」と指摘。「国債は安全で株式は危ないという考えがあるが、そうではない」と強調した。これを盛大に買っている日銀の今後の経営状況と円に対する評価・信任が果たして盤石なものかは、察しがつくはずだ。為替は意外と正直なのだ。

 日銀が今回発表したようなペースで国債などを購入し続けると、1年後には日銀のバランスシートの規模は日本の国内総生産(GDP)の70%を超える。米国の中央銀行のFRB(米連邦準備理事会)はGDP比25%のところで量的緩和(QE)を終了している。経済規模に比べてそれほど大量に発行された通貨の価値は、長期的に見て本当に維持できるのだろうか。

少なくとも、日銀がこれだけ本気度を示せば、世の中の期待インフレ率は高まりそうだ。2012年11月から始まったアベノミクスも、インフレターゲット導入による期待インフレ率の上昇が日本の実質金利を急速に押し下げた結果、急速な円安につながった。

 実際、JPモルガンはドル円相場の予想レートを大幅に変更した。具体的には、来年9月までに120円に上昇すると予想しているし、類似の予測を発表しているプロや金融機関なども増加傾向だ。少なくても「今回の日銀の追加金融緩和とGPIFの外貨建て資産激増方針でドル高円安は長期化しそう」との見方は、すでに主流派となりつつある。その結果、輸入品価格は更に上昇し、日本のインフレは定着するかもしれない。

 しかしそう簡単には国内金利は上がってはくれそうにはない。日銀が実に派手に日本国債を買いまくっていて、短期国債などは品切れで金利がマイナスになっているほどだ。預貯金をいくら貯めても、インフレに負けて毎年のように価値が減る可能性は、日に日に高まっている。

 

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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