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日米の格差社会を考える

  • 投稿日:2015年4月3日

 フランスの経済学者トマ・ピケティ氏によるベストセラー「21世紀の資本」をきっかけに、いま世界中で所得や富の「格差拡大」が人々の大きな関心事となっています。その中でピケティ氏は、資本主義の下では格差は拡大し続けるばかりと結論づけました。こうした主張および同著に示された格差是正の処方箋については賛否両論があります。特に超格差社会の米国には当てはまりやすい内容なのですが、実は日本の格差問題は、米国ほどではありません。また、「経済成長率よりも資本収益率の方が高いとの主張は、実は日本にはあまり当てはまらず、そもそも資本収益率は投資の(準備に必要な手間や)リスクを考慮していない」との指摘も、日本の著名な学者や実力派の大物投資家達が、既に何度も行っています。

 

 ただ、主に2つの点でピケティ氏の功績は大きいと考えられます。ひとつは、膨大なデータを基に先進国における歴史的な格差拡大の実態を端的に示したこと。もうひとつは、格差拡大がもたらす弊害を私たち一般個人にも改めて強く意識させたことです生まれた国や性別、本人の健康状態も含めて、世の中は理不尽な格差だらけです。それを理解できずに自分が恵まれた立場にいる事も充分には理解できず、他人に一方的な批判しかできない人は、哀れですがいくらでも実在します。これもまた、収入や勤務先、社会的地位とは別の基準から判断した、人の値打ちです。思い出したように話題になること自体は、それなりに健全な動きだと思います。

 「21世紀の資本」によると、特に1980年代以降、米国や英国などの英語圏を中心に格差拡大が目立つようになっています。例えば米国では、国民総所得(労働所得と資本所得の合計)の中で上位1%の富裕層の所得が占める割合が、70年代の10%未満から2010年代初頭には20%近くまで上昇しました。上位0.1%の超富裕層の所得が占める割合も約8%に達しています。

 米国における所得偏在は、他のデータでも確認することができます。米カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授らの調査データから計算すると、上位10%に属する人の所得が全体に占める割合は、70年代半ばの約33%から2011年には約48%まで上昇していました。しかもこの約15%の上昇のうち、約11%ポイント分は最上位の0.1%に属する人によるもので、ごく限られた超富裕層が所得を伸ばしたことが分かります。実は昭和初期頃の日本の格差も、現在の米国と似たような水準でした。だからこそ戦前の財閥幹部たちの所有物や不動産などは、優れたものが多かったのでもありますが・・・・。私自身、何とも複雑な心境です。

 

 ピケティ氏は格差拡大のメカニズムについて、【r>g】という不等式を用いて説明しています。「r」は資本収益率を、「g」は経済成長率をそれぞれ指します。すなわちこの不等式は、先進国において株式や債券、不動産などの資本から得られる配当、利子、賃料などの年間収益率(資本収益率)が、所得や産出の年間増加率(経済成長率)を常に上回ることを意味します。具体的には18世紀の産業革命から2010年までの間に、世界の経済成長率は平均1.6%だったのに対し、資本収益率はおおむね4~5%で推移してきたことが示されています。ただしこれは好意的に見ても「多くの国の長期間の平均値」であるのも、事実です。

 

 このように資本から得られる収益の増加率が、労働によって得られる賃金の上昇率よりも常に大きい場合、富裕層は資本の一部を運用するだけで賃金の増加と同等か、それ以上のペースで富を増やしていくことが可能になりますこうして格差が拡大することはもちろん、増えた資本が富裕層で相続されることにより、格差が世代や時代を超えて固定化する可能性も高まります。

 

 しかしこれは、事実でしょうか? ではなぜ数年おきに、大規模な景気の変動や株価などの世界的な急落は、あるのでしょうか? 実は富裕層の人達も、自分たちの財産を維持するだけでも、それなりに苦労しているのではないでしょうか? 少なくても経済や投資についての正しく、効率的で、充分な量の学習と経験は、いままでよりも豊かになるには、必要でしょう。転職でさえ、景気の波が読めないと、苦労します。

 

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格差拡大が民主主義や経済成長を脅かす可能性は、現実の問題

 「21世紀の資本」には、20世紀初頭までの欧米や日本において、所得や富の格差が極めて大きかったことが示されています。二度の世界大戦によって富が破壊されたり、富裕層への課税が強化されることで、そうした格差は一時的に縮小しました。しかし、米国のレーガン政権や英国のサッチャー政権による金融自由化や累進課税緩和などを通じて、1980年代以降に再び先進国内の格差が拡大に向かっています。

 

 近年ではIT(情報技術)や金融工学の発展も、【r>g】という不等式の成立に少なからず影響している模様です。「21世紀の資本」ではそれほど詳しく取り上げていませんが、例えばIT化によって機械(資本)が人間の労働に置き換われば、その分、企業の利益は資本側により多く分配されることになります。また、デリバティブ(金融派生商品)など金融取引の高度化は、実体経済とかけ離れたレベルの収益を大口投資家(富裕層)にもたらしている可能性があります。

 

 IT化にはもう一つの長期的には深刻とされるリスクがあります。それは、ロボットや人工知能が主にホワイトカラーの仕事を出来るようになってしまい、中途半端なレベルの大卒専門職の人達の多くが、失業する可能性です。これが現実となり始めている事は、IBMの「ワトソン」の活躍ぶりを見るだけでも、察しはつきます。これを言いだすと身も蓋もありませんが、それでも投資だけで食っていけるくらいになれば、その道ではプロと言えそうです。もちろん、AOIAのFXの講師達などは、余裕で投資だけでも生活できる実力や実績をお持ちです。

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 こうした格差拡大の弊害としてまず挙げられるのが、能力主義や機会平等といった民主主義の価値観が脅かされることでしょう。伝統的に自由・平等に敏感な米国において「21世紀の資本」の人気が特に高いのも、そのような懸念の表れと考えられます。

 米国では昨年10月に、FRB(米連邦準備理事会)のイエレン議長が「所得格差は過去100年で最も拡大している」と語り、格差拡大に警鐘を鳴らしました。この問題意識を持つイエレン議長に対して「民主党寄り過ぎるので政治的にいかがなものか」と質問(詰問)する米野党共和党の政治家たちも、いかがなものかとは思いますが・・・。今年1月には、オバマ大統領が一般教書演説で年収50万ドル以上の「上位1%の富裕層」に対する課税強化の方針を打ち出しましたが、これについてニューヨーク・タイムズなどの有力紙は、ピケティ氏の影響を指摘しています。

 

 専門家の間には、格差拡大が先進国経済の長期停滞につながることを懸念する声もあります一般に富裕層の消費性向は低所得者に比べて低いと考えられるため、少数の富裕層に所得や富が集中する傾向が高まると、経済全体の消費需要は停滞します。将来的に需要の伸びが期待できない中では企業の設備投資なども停滞するため、経済の成長力が失われていくというわけです。

 

 実はこの問題は、米国株で表面化しています。雇用改善やガソリン安があっても肝心の消費がいま一つ盛り上がらず、株価上昇を期待して小売業や消費財メーカーの株式を買った世界中の投資家達を、困惑させました。

 

 一方で、私たち日本人が意識する格差拡大の弊害は、米国などとは異なる側面が強いようです。日本ではピケティ氏が警告する「富裕層のさらなる富裕化」は、さほど目立つ形では起きていません。日本の格差拡大は、富裕化よりむしろ貧困化の進行によるところが大きく、高齢者の貧困や若者の雇用の不安定化、母子家庭の増加といった問題が浮かび上がってきます

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しかしその日本でも、状況は改善し始めている面もあるのです。

以下は、私が執筆して実際に公開中の、AOIAフェイスブックです。

実は急増中の40・50代正規雇用

 非正規社員の増減を年齢別に見ると、15~24歳(18万人減)、25~34歳(11万人減)、35~44歳(11万人減)で大きく減った。男女別にみると、男が14万人減、女が1万人減だった。正社員の数は3277万人と58万人増えた。増加幅は14年1月以降では最大となった。45~54歳で29万人増えたほか、15~24歳(10万人増)など若者でも改善が目立つ。企業が人材を確保するために正社員の求人を増やしたり、非正規から正社員への転換制度を設けたりしている。国税庁によると、正社員の平均給与は年473万円と非正規(168万円)の2.8倍だ。正社員が増えれば、「収入が増えて雇用も安定するため、消費の押し上げにつながる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)。

 この様に、日本の雇用は着実に改善中だ。いままで不遇だった人にも意外なチャンスが待っているかも知れないので、ぜひとも前向きな努力を続けて欲しい。日本の株価は今月は調整で始まりそうだが、原油価格の意外な落ち着きもあり、次第に回復に向かいそうだ。こちらの方も、慎重かつ楽観的な態度で、冷静に状況を確認し、しかるべき時に着実に行動して結果を出して頂きたいものだ。

 

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まずは手頃に格安な方法でご一緒にFX(為替取引)を学びたい方は、こちらをどうぞ。

為替ゼミナール【毎週月曜日に開催されるFXの勉強会】

開催日:2015年04月06日(月)講師:AOIAスタッフ講師

時間:19:00-20:30会場:虎ノ門セミナールーム

詳しくは、こちらをどうぞ。

http://www.aoia.co.jp/study-sessions-of-fx-which-will-be-held-every-monday-exchange-seminar-4.html

グローバル資産形成学院フェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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】当ブログ記事は、グローバル資産形成学院のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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