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急落中のルーブルとロシア経済にいま何が起こっているのか?(前半)

  • 投稿日:2014年11月13日

最近国内外で大ニュースや意外と重要なニュースが多いですね。AOIA会員様向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト」では、日米欧中などの主要国・地域の最近の景気や政治、雇用や産業、株価や為替などの旬のテーマのニュースの要点を続々とご紹介中ですが、来週はおそらくブラジルについて発表する事になりそうです。その結果、惜しくも選外に漏れそうな「急落中のルーブルとロシア経済」の最新状況について、本日と明日の2回に分けて、ご一緒に要点を確認してみましょう。実は状況はわずか数カ月で急変中で、今後も楽観出来そうにはありません。

併せて、ロシア経済と関係が深いエネルギー業界の重要ニュースについても、触れようと思います。

 ロシア中央銀行は11月10日、通貨ルーブルの急速な変動を抑えるために設定していた通貨バスケット制を廃止し通貨バスケットの変動幅の上下限に達した時に実施していた為替介入を取りやめたと発表した。ルーブルの下落に対し為替市場の柔軟性を高めて投機的な動きを防ぐ狙い。2015年1月に予定していた為替レートの自由化を前倒しして、変動相場制に移行した。

 ルーブルの対ドルの為替レートは7日、モスクワ取引所で1ドル=48ルーブルを付け、年初から約50%も下落した。下落幅は先週だけで10%を超え、最安値の更新を続けた。もはや暴落目前にも見える。ウクライナ内戦への介入疑惑がくすぶり、欧米による対ロ経済制裁に加え、主な輸出品である石油の価格が大幅に低下し、かつての1バレル100ドルはどこへらやで、いまや1バレル80ドル割れの日まであり、おかげでロシア政府は赤字目前なのだ。ロシア経済の低迷が長期化するとの懸念から、ルーブル売りが加速していた。これからルーブル相場とロシア経済は、どうなりそうか・・・・・?

 ロシア国民はルーブル危機について多少なりとも知っている。何しろ現在のルーブル危機は、1998年と2008年に続く、ソ連崩壊後に彼らが経験してきた3回目の通貨危機だ。また、ロシア国民は、過去2回の危機が当時どんなに辛く、悲惨に思えたとしても、危機はやがて終わり、その後に景気回復が続いたことも覚えている。

 過去2回の危機と同様、原油価格の下落が再び、ルーブルの下落圧力の中核を成している。だが、現在のルーブル安の背景には、ウクライナでの紛争と西側の制裁という以前とは異なる事情がある。このために、いまのルーブル安はロシアの消費者と投資家の双方にとって、潜在的に一段と不安な事態となっている。

 1998年には、アジア危機という外部ショックと1バレル10ドル台ぎりぎりまで下げた原油価格の急落が、ロシアを破産に追い込みかけた。外貨準備高は110億ドルに落ち込み、公的債務額は国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する水準に上った。

 2008年の金融危機に見舞われる頃までには、10年にわたる成長とアレクセイ・クドリン財務相による専門的な舵取りがロシアの財政を一変させていた。一般政府債務はGDP比8%まで減少する一方、外貨準備高は約6500億ドルと、世界第3位の規模を誇った。

だがいまや原油価格が下落し、負債を抱えた企業部門が対外債務の借り換えに苦しむようになると、中央銀行はこうした外貨準備のうち2000億ドル近い資金を使い、ルーブル下落のペースを遅らせた。

2014年は、原油価格が1バレル80ドル強まで25ドル近く下落すると、中央銀行はルーブル相場を支えるために、10月だけでほぼ3000億ドルの資金をつぎ込んだ。半ば無謀な挑戦だったのだ。既に見えない「対ロシア経済制裁」は本格化し、ロシア国内の金融市場が意外と未発達なため、ドルなどの外貨でロシアの主要金融機関や企業は外国から巨額の借入れ中で、それが現在のルーブル急落で裏目に出て、慌てている。

中央銀行は11月5日、無制限に為替介入する政策を放棄する事を、明らかにした。要するに、変動相場制に移行するのだ。

モスクワのコンサルティング会社マクロ・アドバイザリーのクリス・ウィーファー氏によると、今回の危機が過去の危機と違うのは、「ルーブルの下げ幅が、原油価格の下落に見合うレベルを、はるかに大きく上回っている事だ」という。

 金準備と外貨準備はまだ合計4300億ドルを若干下回る水準で、一般政府債務はGDP比で13%にすぎない。今年度の予算は黒字であり、経済は穏やかに成長している。それなのに、不透明感と恐怖心が為替レートを弱める要因となっている。

資家心理とロシアの経営環境は、ウクライナ東部での紛争と、その結果科された欧州連合(EU)と米国の制裁によって、深刻な影響を受けている。制裁により、ロシア経済の大部分が西側の長期資金へのアクセスを絶たれ、国外への資本逃避に火が付いた。

欧米諸国による更なる追加制裁も?

 ルーブルに対する下落圧力が増したのは、9月にウクライナ東部での激しい戦闘に終止符を打った停戦合意が、最近破綻しつつあるように見えるからだ。ロシア軍が東部ドネツク州に侵入しているとまで報告されている。

EUと米国の政府高官は、市場が期待したような制裁緩和どころか、ウクライナの状況が悪化し続ければ、むしろ制裁が拡大される可能性があると、示唆した。

 ロシアのプーチン大統領は11月10日、このところの通貨ルーブルの急落の背景には「投機的な攻撃」があったとの認識を示し、こうした動きに対しロシア中銀が懲罰を科す可能性があると警告した。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事との会談の中で述べた。同大統領はルーブル相場の急落につながる主要な基礎的要因は、見当たらないとしている。

 しかし、そんな事はない。ロシア経済は1バレル100ドル近い高値が続く事を前提に政府予算が組まれ、現在の原油安はじわじわとロシアを追いこんでいる。予想に反して原油業界で急成長中の米国のシェールオイル業界のコスト競争力は強く、最大のライバルのサウジアラビア原油産業とシェア争いを賭けた原油価格下落下での我慢大会を、大規模に展開中だ。ロシアは彼らに振り回されていて、事実上の「対ロシア経済制裁第2弾」と、化している。

エネルギー株への影響が大きい原油価格は今週、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で1バレル=77ドル台と3カ月前に比べて約2割安いが、反発の兆しは、なお見えない。原油安に米シェール企業はどこまで耐えられるのか。いま世界のエネルギー関係者の関心はこの一点に集まる。

 「(1バレル)40ドル以下でも最低限の利益を出せる」(EOGリソースのトーマス最高経営責任者=CEO)。「来年も20~25%の原油生産量拡大に自信がある」(デボン・エナジーのリチェレスCEO)。彼らは意外と強気だ。実際、逆境をバネにする効果を織り込んでいるのか、大半の米シェール企業の株価は10月中旬を境に原油価格との連動性が薄れ、戻り歩調のあり様で、その多くはとても倒産しそうにはない。

 米企業の石油ビジネスへの執念はとどまることがない。米国の原油生産量が世界一になるのも目前だ。サウジに代わり米シェール企業が原油市場の主導権を握る日が近づいている様だ。石油業界の幹部やアナリストらは、原油価格の下落やウクライナ情勢をめぐる欧米の対ロシア制裁の影響を受け、ロシアの石油生産が早ければ来年にも減少に転じると予想している。減産のタイミングは、市場が注目する石油輸出国機構(OPEC)や米シェールオイルよりも早い可能性さえある。

国際エネルギー機関(IEA)は最近、ロシアの石油生産が来年、日量8万バレル前後減少する可能性があるとの見解を示した。

 ただ、これまでのところ、ロシアの生産に影響は見られない。先月の生産量は日量1060万バレルと、旧ソ連崩壊後の最高水準に近い。ただ、この水準を維持するには投資を継続する必要がある。ロシアの石油大手ルクオイルの共同所有者、レオニード・フェドゥン氏は先月開催された会議で、同国の生産量を維持するには石油の掘削を少なくとも5割引き上げる必要があると指摘。「新たな大規模プロジェクトは、既存事業の減産分を穴埋めするには十分ではない」と指摘し、2017年までにロシアの生産量は2500万─7000万トン(日量50万─140万バレル)減少する可能性があると述べた。「制裁や価格動向を踏まえ、2014年は生産が増加する最後の年になるとわれわれは見込んでいる」とした。

今回は、以上になります。

明日は、やや衝撃的なロシアの姿と、アジア太平洋経済協力会議(APEC)を含む最新の関連情報について、ご紹介します。

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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