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好調な米雇用と不透明な米金利見通し その格差の原因とは?

  • 投稿日:2015年3月9日

本ブログは、今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト」の一部を、再編集したものです。

 米労働省が3月6日に発表した2月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月比で29万5千人も増え、市場予想の24万人増を大幅に超過。個人消費がけん引役となって米雇用回復が強い勢いを持続していることを裏付けました。2月の失業率は前月から0.2ポイント下がり、5.5%に改善しました。同日改定した1月分の雇用者数の伸びは23万9千人と速報値から1万8千人減りました。昨年12月分は32万9千人で従来の数字と変わらず、2月までの3カ月間の平均は月28万8千人に達しました。前年の同じ期間は月平均の伸びが15万人ほどにとどまり、昨秋から高いペースで雇用者数の拡大が続いています。

 失業率が5.5%に低下しましたが、これは米国では「事実上の失業率の下限付近」とされていて、今後の賃金とインフレ率急上昇の可能性も指摘され、米連邦準備理事会(FRB)が「早ければ6月にも利上げを決める」との観測が強まりました。3月6日には米株式相場はダウ平均を構成する30銘柄すべてが売られる有様で、全面安の展開となりました。いかに「過剰マネー依存型」の相場かが分かります。好調さが売りだったナスダックも先週は2%弱も急落。あまり報道されていませんが、実は米REITも下落傾向です。3月6日に円相場は続落し、一時1ドル=121円29銭と約3カ月ぶりの円安・ドル高に、ダウ平均終値は前日比278ドル94セント(1.5%)安の1万7856ドル78セントに下落しました。

 好調な米雇用を受けて米連邦準備理事会(FRB)は17日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ時期も含む突っ込んだ議論に入る見込みです。2月の雇用統計を踏まえ、事実上のゼロ金利の方向性を示す時間軸(フォワード・ガイダンス)の修正の有無や、イエレンFRB議長の発言が市場の焦点になります。2月は民間サービス部門の雇用者の増加幅が25万9千人と、前月の17万3千人を大幅に上回りました。小売りの伸びが目立つほか、交通・倉庫、卸売りなども底堅く推移しており、内需関連が労働市場の底堅い回復を支えている構図が浮かびます。

 先週末の米長期金利も一時2カ月半ぶりの高水準である2.25%に上昇(債券価格は下落)。市場予想を大きく超えた2月の米雇用統計について、市場では「悪天候の影響もみられず、驚くほど強い内容だ」(米調査会社カンファレンス・ボード)と評価する声が相次いだのは、事実です。しかし平均賃金の上昇率は前月比で0.1%、前年同月比では2.0%と期待外れの結果でした。市場参加者が予測する利上げ開始時期は2015年の6月や9月など、まだ割れていますが、『次のFOMC声明から「patient(忍耐強く)」の文言がなくなり、先行きの金融政策の運営指針を示すフォワード・ガイダンスが変更される』との見立ては、市場でほぼ固まりました。

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 ダウ平均が300ドル近くも下げたのは、利上げによるマネー縮小が懸念されたのが理由です。しかし、米国の景気は中途半端です。鉄鋼などの素材から生活関連までを含む製造業全体の新規受注が、2015年1月までの6カ月連続で前月比マイナスを記録。エネルギー関連の投資削減も響き、設備投資の先行指標として重視される機械や設備といった資本財(国防以外)の受注も低調。これで利上げはやや違和感があります。

確かにFRBによる利上げ前倒し観測は急浮上中ですが、決定に最も影響力があると見られるイエレンFRB議長はやや慎重な見方で、利上げが仮にあるにしても6月よりは9月の方が現実的でしょう。また、インフレ率が1%を割るほど低下すれば、いくら雇用が改善しても賃上げが加速しない限り、利上げは逃げ水の様に遠ざかって行きそうです。その結果予想されるの展開は、不透明な米金利見通しも反映して、相場が上下に活発に動く不安定な状況ですが、割安価格で金融商品を買うチャンスでもあります。「マーケットの主流派の判断を反映した相場と、本当にありそうな未来のシナリオのずれが明確化した時こそが、投資実行の時」でしょう。引き続き原油相場と米金利、為替相場やお目当ての金融商品の価格のチェックを続ける事を、お勧めします。

 なお、私が2015年夏ごろの米国の金利上昇の可能性をそれほど高く見ていない主な理由は、先述した雇用者所得の伸び悩みの他に、物価を大きく左右する原油相場が再度下落する可能性が高まっているからです。物価が上がらない状況で金利だけ上げても借り手の利払い負担が増えて景気を冷やすので、現在の米国くらいの景気だと、そう簡単にはできません。米国でも前月比で物価上昇率を危うくマイナスにする状況だったといえば、原油安・ガソリン安の物価への影響力はお分かりかと思います。私が原油価格が弱含みと考える主な理由は、中国の景気減速、世界で進む省エネ、安くなった石炭や天然ガスとの競合、一向に減少しない米国を含めた世界の原油生産量、そして原油価格を維持するための協力関係が、産油国や石油会社の間で見られないことなど、かなり多様です。より詳しい話は今週のAOIAブログで公開する予定ですので、お楽しみに。

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以下は今週公開予定の「週刊先読みダイジェスト第73号」の主な内容です。

第1章:中国の財政難と成長目標引き下げ

第2章:原油安再発の可能性とロシア株・欧州株の見通し

第3章:好調な米雇用と不透明な米金利見通し

第4章:先週のマーケット状況と今週以降の見通し

 

「週刊先読みダイジェスト」はAOIAアカデミーの教材です。日経新聞を読みこむ程度では分からない重要で実用的なニュースを続々と発表中ですので、かなり効率的に投資や産業、景気などに関するニュースの要点が分かります。ご興味ある方は、まずはこちらの無料イベントをどうぞ。「投資で資産を倍増させたい」方も、もちろん歓迎です。流れが読めるようになればチャンスは急拡大します。

『人生を豊かにする経済とお金の学校 AOIAアカデミー【無料ガイダンス】』

日時:2015年03月14日(土) 17:00 ~ 18:30

場所:AOIA虎ノ門セミナールーム 〒105-0001 東京都 港区虎ノ門2-9-11 信和ビル B1

詳しくは、こちらをどうぞ。

https://argo-navi.net/mielca_aoia/PublicSeminar.aspx?gId=1&sId=1&eId=1480

AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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