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原油安再発の可能性とロシア株・欧州株の見通し

  • 投稿日:2015年3月11日

本ブログは、今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト」の一部を、再編集したものです。

原油価格は果たして本当に底打ちしたのだろうか?

米国市場の先物指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)は1月29日に直近安値(1バレル43.58ドル)をつけて以降、2月3日に一時54ドル台まで回復しましたが、3月5日のWTIは前日比1.5%安の50.76ドルで引けるなど、方向感の定まらない展開が続きます。石油メジャー(国際石油資本)、エクソンモービルのティラーソン最高経営責任者(CEO)が4日、原油市場にメッセージを送りました。「我々の予想は(国際指標の)北海ブレント先物で1バレル55ドルに基づいている」5日のブレント価格(期近物)は60.48ドルなので、エクソンの想定は弱気に見えます。現在のWTIとの価格差を踏まえれば、WTIは45ドルまで下落してもおかしくない計算です。しかも、この想定は2017年までの3年間の相場見通しなのです。5日終値のブレント価格は16年12月物で69.92ドル、17年12月物で72.22ドルでした。ティラーソン氏が原油相場に慎重な理由は主に2つあります。1つは止まらない米シェールの生産だ。ティラーソン氏は北米シェールガス事業を例示した。かつて1600あったリグ(掘削設備)の数は250まで減ったにも関わらず、日産量は増加。その結果、天然ガス価格は8.25ドル(100万BTU当たり)から3ドル程度まで下落しました。

 人々が思っている以上にシェールオイル業界はしぶとい。実際、米エネルギー情報局(EIA)によると、米原油生産量の増勢は続き、2月27日時点で日量932万バレルと1年前に比べて15%も増えました。米原油在庫も急増し、データが残る1982年以降で最高水準に積み上がった。シェール企業は「15年も原油生産は20%増やす」(マラソンオイルのティルマンCEO)方針です。

 もう1つの理由は世界的にも供給余力がある事です。原油生産が減ったリビアも政情が安定すれば生産は回復する見通しです。今も需給の調整役が見当たらない原油市場。世界経済をけん引した中国が15年の実質経済成長率目標を7%前後に引き下げるなど、需要面の不安も広がる。実はエクソンも15年に原油を7%増産する。やはり原油価格は、更に下落する可能性が高そうです。

シェールガス(頁岩抽出ガス)とシェールオイル(頁岩抽出油)は完全に同一ではないものの、そこには「重要な教訓」が存在します。原油価格の下落により、昨年10月以降、米石油掘削設備(リグ)の39%が遊休状態となり、価格反発への期待が掻き立てられてはいますが・・・・。

 実は2008年に天然ガス価格が急落した際も同様に、ガスのリグの数が1600基超から280基に減少したものの、その間にガス生産は50%も激増したのです。エクソンは、米国の大型シェールオイル油田のバッケンで、生産コストが20〜25%低下したことを明らかにしました。シェールオイルの技術革新は日進月歩です。水平掘削で横に折り曲げたパイプの長さを、1000メートルから3000メートルに延長するだけでも、一井戸当たりのシェール・オイル生産量は急増します。水圧破砕に関する技術も、岩盤のどの部分に高圧水をぶつけて割れ目を作れば、より効率的にシェール・オイルの生産ができるかという技術開発が、急速に進んでいます。シェール・オイルの特徴は、「生産開始から一年程度で生産量が5~7割程度も減少する」とされて来ました。ところが追加作業で長期間の生産量の維持が、実現しつつあります。例えば、新規に開発するシェール・オイルの生産コストが一バレル50ドルだとしても、既存の井戸の操業コストは一バレル20ル以下に抑えられるところまであります。

 このためエクソンは、「原油価格がバレル当たり100ドルだった頃に採算がとれた多くの鉱脈は、現在でも採算がとれる」との見方を示しているほどです。原油価格が一バレル40ドル台に突入すれば米国のシェール企業の半数は破綻するだろう―。大方の専門家による見立ては、見事に外れました。あてが外れたのが、安値抗争を仕掛けたサウジアラビアで、消耗戦を強いられています。原油収入の減少は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の経済破綻や政情不安も引き起こしかねず、世界秩序を大きく揺さぶる要因となって来ました。テロ対策にも、巨額の費用がかかります。

 事実一バレル45ドルを割った後の2015年1月に、米国のシェール・オイル生産量は日量500万バレルと、史上最高を更新したのです。その結果、原油相場に再度、異変の兆しが現れました。最近の原油価格回復傾向を受けてロシア株への投資が急増し株価も上昇していましたが、「ロシア株バブル」の終わりは、近そうです。事実ロシアは、原油価格急落や欧米諸国による経済制裁もあり経済は縮小中で、あのプーチン大統領をはじめとする政府高官たちまでもが、給与カットを発表したほどです。それでもウクライナへの介入を続ける執念深さこそが、不気味でもありますが…。とにかく、常識が通用しない国です。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、資産運用会社によるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油の売りポジションは2月24日終了週に17%増加。買越残高は7週間ぶりの低水準に落ち込んだ。米国の原油在庫は7週連続で増加し、過去最高の4億3410万バレルに達した。国内生産は週間ベースの過去最高を引き続き更新し、CFTCの報告対象期間中に日量929万バレルに達した。WTIの先物とオプションの売りポジションは1万7180枚増加して11万7646枚と、CFTCのデータ集計が始まった2006年以降で最高に達した。ドル建ての原油相場と連動性が極めて高いロシアルーブルがこれから更に米ドルに対して下がり易いのは当然として、ロシア株バブルの今後が気がかりだ。

 大手調査会社のマークイットによれば、ロシアにエクスポージャーがある株式ETFは1月に700億ドル(約8兆4000億円)の資金流出に直面したものの、2月は3100億ドルもの流入に転じた。ルーブル建て取引を扱うMICEX株価指数は年初来で約29%上昇している為です。マークイットのチーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ロシアの景気低迷は2月に深刻化した。その一方、資金流入の再開や株価の上昇が示しているように、ロシアに対する投資家心理は改善している」と指摘しました。

 ただし、株価の上昇には注意が必要です。上昇の大部分はエネルギー銘柄に集中しており、原油価格の回復を映し出しています。ウィリアムソン氏は「エネルギー銘柄に買いが集中し、最近の原油価格上昇を浮き彫りにしている。MICEX指数の構成銘柄は半分以上を石油会社が占めている」と述べました。国際石油取引の指標油種であるブレント原油先物は、1月半ばに1バレル=45ドルの安値を付けて以来、40%近く上昇しています。ロシア株も各国株式市場と肩を並べて上昇しました。しかし今後のロシア(株)への投資は道徳的にどうかという点を除いても、成算があまりなさそうです。「ロシアに投資するファンドはどうですか?」というお誘いがあれば、私はほぼ無視するでしょう。私はもともと、投資関係で甘い話だけをするつもりは、全くありません。むしろ半分くらいは、耳に痛いか結論がすぐには見えないお話です。そうしないとまともな仕事にならないからです。

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欧州株は、ユーロ圏の消費や景気の改善もあり、独株式指数(DAX)を中心に概ね堅調です。

ユーロ圏小売売上高は4カ月連続の増加を果たした。原油価格の下落が追い風になった。欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが3月4日に発表したユーロ圏1月の小売売上高は前月比1.1%、前年同月比3.7%それぞれ増加し、市場予想を大幅に上回りました。増加幅は前月比が2013年5月以来、前年同月比では世界的な好景気に恵まれていた05年8月以来の大きさでした。原油安で家計の可処分所得が増え、その分が貯蓄ではなく消費に回っている状況です。このため今回の統計は、ユーロ圏がデフレの悪循環に向かっているとの懸念を緩和し、欧州中央銀行(ECB)にインフレ率が目標値に向け上昇することは可能だと考えさせる材料になりそうです。

 米国と違い欧州は、原油安で増えた可処分所得が消費に回りやすく、株価も米国よりは堅調です。特にドイツの小売りの増加が目覚ましく、注目されています。ドイツ連邦統計局発表の2015年1月の小売売上高(稼働日数・季節調整済み)は前月比2.9%増。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)エコノミスト調査予想の0.3%減少をあっさりと突破。前年同月比では5.3%も増加し、2010年6月以来の大きな伸びを記録したほどです。ただし欧州の景気と株価の好調さは少なからず「原油安・ユーロ安」を受けた追い風参考記録で、今後の持続力が注目されつつあります。

  3月5日の欧州株式相場は続伸し、主要指数が軒並み高値を更新しました。欧州中央銀行(ECB)が総額1兆ユーロ(約130兆円)規模の資産購入プログラムについて今月9日の開始を決定し、具体的な内容を発表したことが好感された為です。欧州主要企業600社で構成するStoxx600指数の終値は前日比3.17ポイント(0.81%)高の393.78。主要市場では、ドイツのDAX指数が113.63ポイント(1.00%)高の1万1504.01と、終値ベースで過去最高値を更新しました。フランスのCAC40指数の終値は前日比46.16ポイント(0.94%)高の4963.51と年初来最高値。英FTSE100指数も41.90ポイント(0.61%)高の6961.14と、終値としては過去最高で取引を終えました。ドラギ総裁はこの日、利回りがマイナスの債券でも、その利回りがECB預金金利のマイナス0.2%を下回らない限り買い入れの対象になると発表。ECBはまた、量的緩和が経済成長を促すとみて、域内総生産(GDP)の成長率予想を引き上げました。

バークレイズの欧州株ストラテジスト、デニス・ジョーズ氏は、資金の流れを分析したリポートで、米国株から欧州株への転換は「せいぜい半分進んだに過ぎない」ようだと発表。同氏は、景気循環株がディフェンシブ(不況抵抗型)銘柄を、割安株が優良株をそれぞれ上回って値を伸ばしていると指摘。こういった傾向を支える堅調な経済指標や米国債利回りの上昇、ECBの量的緩和など、追い風は「今後も続く」との見方を示しました。

 ECBのエコノミストらはユーロ圏域内総生産(GDP)成長率予想を引き上げ、今年は1.5%、来年は1.9%、17年は2.1%としました。「経済成長の加速はインフレ率も押し上げるはず」と、彼らは考えています。物価は1月と2月に下落したことから今年は年間でも横ばいに留まるとみられていますが、彼らは16年には1.5%、17年には1.8%上昇すると予想しました。ここでも原油価格の影響が注目されます。

実は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が3月5日行った記者会見で、あまり報道されていない重要な発表がありました。「ユーロ圏が未だにソブリン債(国家債務)危機に苦しんでいることを踏まえると、ECBの需要を満たせるだけの国債がないのでは」との市場関係者の懸念をドラギ総裁は一蹴。『ECBが必要とする国債を買い入れるには「複雑さ」が伴うかも知れないとの認識を示したものの、十分な国債は確保できると指摘した』のです。いずれ内容が明らかになりそうです。

 

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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