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先週末発表の2015年3月米雇用統計の要点とその影響について

  • 投稿日:2015年4月6日

 本ブログは、グローバル資産形成学院会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第77号」副題『米雇用減速と利上げ見通し、日米投信日欧ETF、国内物価と賃金 特集号』の一部を再編集したものです。

 先週の株価と為替は辛うじて「日米株高・ドル安円高」だった。先週の欧州株はマイナスに沈んだ英国株以外は1%前後の上昇だったが、予想外に弱かった2015年3月の米雇用統計を受けて、今週も「底値を探る日米株」は、続きそうだ。

 米労働省が4月3日に発表した3月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月比12万6千人増に終わり、増加幅は市場予測の平均値(約25万人)の半分程度にとどまりまった。外国為替市場では景気回復ペースが鈍化するとみたドル売りが広がり、円相場は一時、1ドル=118円71銭まで上昇。失業率は前月と同じ5.5%だったが、これは米国の16歳以上の人口のうち、働く意志のある人(就業者と職を探す失業者)の割合を示す「労働参加率」が低下した為でもある。

 

 

 将来の物価動向に影響を及ぼす点で注目される時給上昇率も前年同月比2.1%の小幅上昇。米連邦準備理事会(FRB)が最短シナリオと説明していた「6月利上げ」の可能性は後退するとの見方が市場では多く、案の定の展開だ。米雇用統計発表後にユーロは1.1027ドルまで上昇し、売り時は近そうだ。

 全米産業審議会(コンファレンスボード)が3月31日発表の3月の消費者信頼感調査によると、景気に対する楽観が予想以上に改善。雇用と収入の見通し改善が、最近のガソリン価格上昇の悪影響を相殺。3月の消費者信頼感指数は101.3。2月改定値は98.8(速報値は96.4)だった。ウォール・ストリート・ジャーナルエコノミスト調査では96.8が予想されていた。

 全米産業審議会のリン・フランコ経済指標担当部長は「今月の(指数)上昇は、雇用と所得の両方に関する短期的見通しの改善が原動力となった。だが景況に対する楽観度合いは後退したと述べた。構成指数では、現在の経済状況に対する評価を示す現況指数が109.1。2月改定値の112.1(速報値は110.2)からの低下となる。向こう6カ月の景気見通しを表す期待指数は96.0で、2月改定値の90.0(同87.2)から大きく跳ね上がった。6カ月以内の収入増を予想する消費者の割合は18.4%(2月は16.4%)に上昇した。収入減を見込む向きはわずか9.9%(同10.8%)となった。

 

 私が特に注目したのは、米国では収入の停滞を予想している消費者がいまでも多数派という事実で、これでは景況感も消費も一進一退だ。米商務省発表の2月の米個人消費支出(季節調整済み、年率換算)は前月を0.1%上回り、3カ月ぶりに増加。市場予測の平均(0.2%程度の増加)をわずかに下回った。

 

 個人所得は前月比0.4%増え、市場予測の平均(0.3%程度の増加)を上回った。米サプライ管理協会(ISM)発表の3月の製造業景況指数は51.5と、5カ月連続で低下し2月は52.9だった。同指数は昨年10月に57.9に到達後、低下が続いている。WSJエコノミスト調査では、3月の指数が52.5と予想されていた。ISMは天候や医療費の増加、ドル高などを景況感悪化の理由に挙げた。肝心の雇用指数が50.0に低下し(2月は51.4)期待を大きく裏切った点が、気がかりだ。以下はその有力な状況証拠だ。

 

 米労働省が3日発表した3月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月比12万6千人増となり、増加幅は市場予測の平均値(25万人)の半分程度にとどまった。失業率は前月と同じ5.5%だった。雇用者数の増加幅は2013年12月(10万9千人)以来、1年3カ月ぶりの低水準となった。企業向けサービスや教育・健康サービス、小売りなどは順調に伸びたが、製造業や建設業などがわずかに減った。ドル高や原油安の影響で、一部の業種が雇用を抑制している可能性がある。

 2月の増加幅は29万5千人から26万4千人に、1月は23万9千人から20万1千人にいずれも下方修正された。1~3月の平均も月19万7千人で雇用回復の目安といわれる20万人をやや下回った。平均時給は24.86ドルとなり、前月比で0.3%、前年同月比では2.1%上昇したが金融危機前後の3%超の上昇には及ばない状況が続いている。輸出の停滞や住宅市場のもたつきといった不安要素は残るものの、米経済は個人消費をけん引役に回復している。FRBは利上げ開始の時期を慎重に探る方針だ。

 先週末の円相場は一時、前日終値より約1円円高・ドル安の1ドル=118円71銭前後まで上昇した。やはり1ドル120円は近い様で遠い状況だ。欧米の株式市場は聖金曜日で休場だったため、欧米の株安は今週むしろ進みそうだ。FRBは利上げの前提条件を「雇用の改善が続き、物価上昇率も2%に戻るという合理的な確信が得られるとき」と説明しているが、やや遠のいた感がある。

 2月の個人消費支出価格指数(食品、エネルギーを除くコア)は前年同月比1.4%上昇と、FRBが目標とする「2%」をほぼ3年にわたって下回る。物価上昇率がゼロやマイナスに転落し、経済全体が活力を失う日本型のデフレに陥るのをFRBは恐れているため、十分な「のりしろ」を確保したい考えの様だ。米雇用統計は本来、毎月のぶれが大きい指標で「雇用の回復が変調をきたしたとみるのは早計」との見方が大勢の為、米国株や米ドルの急落は当面なさそうだ。

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 雇用統計の弱さは大方の予想に照らすとサプライズだったが、最近発表された経済指標が低調で1-3月期国内総生産(GDP)成長率が1%を下回る可能性すらあることを踏まえればサプライズではない。米連邦準備制度理事会(FRB)に関しては、相場動向が全てを物語っている。私は引き続き2015年9月以降の利上げ開始を予想しているが、その可能性も低下するはずだ。

 

最良の時でさえ就業者数は常に変動が大きく、特に昨夏からは雇用が信じ難いほど力強く伸び続けて来たところだ。新規失業保険申請件数が例年になく低水準で推移しているほか、求人倍率は過去最高付近にあり、様々な活動調査でも雇用指数が高水準をつけているなど、他の労働指標は労働市場が引き続き極めて好調であることを示唆している。従って、これが今回の景気回復局面で何度か見られた雇用情勢悪化の再開を示しているとは、まだ思えない。

 

 市場の相場や需給状況などはすぐに「利上げ」の先送りを織り込んだ相場上昇が続くにはこうした低調な指標がもっと発表される必要があると思えてならない。いずれにせよ、やや失望的な雇用統計だった。雇用の伸びの大幅な鈍化は他の経済指標が示唆し始めている成長減速の可能性を裏付けるものだ。1-3月期国内総生産(GDP)成長率の0.5〜1.0%程度への鈍化を示唆する他の数多くの指標に近づいた。

 

 要約すると「まだ米雇用の実態は警戒を要するほどではなさそうだが、米景気が減速気味なこともあり、過剰マネーの追加供給でもなければこれ以上の米国株の上昇はそう楽ではない」だ。雇用統計で明るい部分は賃金だ。3月の平均時給は前月比0.3%増と予想以上に増えた。前年同月比では2.1%増加した。このところ小売業種などで大企業の賃上げの発表も相次いでおり今後、緩やかながら賃金上昇は続くとみている」といった発表も目立ち、やはり賃金上昇が状況好転の鍵を握りそうだ。これは今後の円相場や国内外の金利(見通し)、日米の株価などにも、少なからず影響を与えるだろう。

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以下は「週刊先読みダイジェスト第77号」の主な内容です。日経新聞、ロイター、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルを読みこんでもまだ分からない事まで書いています。

第1章: 日米投資信託(投信)・日欧上場投資信託(ETF)最新事情 躍進したのはあれです

第2章:2015年3月の米雇用統計の内容とその影響について 悲惨ではないが微妙な内容

第3章:先週のマーケット状況と今週の見通し 「底値を探る日米株」延長戦か 慌てない事

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「週刊先読みダイジェスト第77号」は「人生を豊かにする経済とお金の学校」の教材です。今週の【無料ガイダンス】はこちらです。

日時:2015年04月11日(土)10:30-12:00 / 会場:東京都港区虎ノ門

詳しくは、こちらをどうぞ。

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今回は、以上になります。グローバル資産形成学院フェローのDataと小勝負からでした。

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】当ブログ記事は、グローバル資産形成学院のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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