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先週のマーケットの変化と今週の株価や為替などの見通し

  • 投稿日:2014年9月22日

本ブログは、今週AOIA会員様対象に公開予定の「週刊先読みダイジェスト第51号」の要点の一部を、再編集したものです。

先週は「スコットランドの独立を問う住民投票」と「予想外に急激に進んだドル高円安」が、大ニュースとなりましたね。FOMC(米連邦公開市場委員会)の後、円安と欧米株高が進行し、日本株買いの安心感も拡大。前日発表の米国統計で雇用環境の改善が示された事も追い風で、日経平均は昨年末に付けた6年ぶりの高値の1万6291円も超えました。

 英北部スコットランドの英国からの独立を問う住民投票は19日(金)の開票の結果、独立反対が全体の過半数の55%を占め、否決されました。いかにも先進国にふさわしい「地域問題への対応結果」となり、日米欧の株価も上昇しました。

 9月19日の東京外国為替市場で英ポンドは大幅に上昇。スコットランド独立反対派が優勢と伝わり、ポンドを買い戻す動きが広がりました。対円では1ポンド=180円台後半と、約6年ぶりの円安・ポンド高。対ドルでも上昇し1ポンド=1.65ドル台前半と2週間ぶりのポンド高・ドル安となりました。しかしこの「ポンド祭り」はそろそろ終わりで、今後はまた金利上昇(の可能性)を軸に、為替相場は動きそうです。

その一方で先週は急激なドル高円安が進みました。実は先週行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表文での米国の景気と雇用の現状分析は案の定それほど新鮮味はなかったものの、「米金利上昇は近くはない」と株式市場が好感し米国株は上昇。今後の米国の金利見通しに為替相場は反応しました。具体的な数字は後述しますが、要は「来年はともかく再来年からのFRBの米金利見通しが、マーケットの予想よりも急上昇気味で、これに為替相場が反応した」のです。

 米国のルー財務長官が予想外のタイミングで「強い米ドルは米国の利益」と発言したことも、この流れを後押ししました。気の早いマーケットでは「年末は1ドル110円強までドル高円安が進み日経平均は1万7,000~1万8,000円達成か?」との楽観的な予想が飛び交っています。

 私自身は先週末、保有していた日本株をすべて売却し、それまでの1ヶ月間の運用利回りは10%ほどを確保しました。売却した主な理由は、A電子は保有していた1カ月弱で株価上昇率が20%超に達した過熱感で、B工業などは最近の相場の停滞でした。実は先週末また別の企業の日本株を買いましたので、ある程度順調に価格が上昇した後に、参考例としてご紹介できるかも知れません。今度のものは相場の過熱感があまりなく、むしろ下げ相場が終わりやっと株価が反発した直後に、割と良い発表が続いたものです。A電子などの株式の選び方については、「週刊先読みダイジェスト第50号」に、要点を紹介中です。

 今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)発表の要点は、「米国のマクロ経済統計は改善傾向が顕著だが、労働力は未活用部分が多い。利上げは急がず相当期間待つ」と、予想通りでした。

 しかし、いったん利上げが始まれば、FRB(米連邦準備理事会)は最終目標2017年4%前後に向けて着々とフェデラルファンド(FF)レートを上げていく方針の様です。その利上げペースは、今回も発表されたドット・チャートから読み取れます。あくまでFOMC参加者個人の金利予測の集計というただし書きつきですが、主な部分は下記のようになります。

15年 1%未満 6人、1~2% 10人

16 2%未満 3人、2%以上3%未満 7人、3%以上4%まで 6人

17 2%以上3%未満 2人、3%以上4%未満 11人、4%以上4.5%未満 4人

ここまで予想される利上げの実態が明らかになると、まず債券市場は米国債が売られます。10年債利回りは一時は2.3%台にまで沈んだものの、2.6%台を突破。年初に市場で想定された3%も徐々に視野に入ってくる勢いです。

 結論としては、「来年(2015年)はともかくとして、再来年(2016年)以降は、FRBは米国の金利を急激に上げる意欲がある」という事です。真っ先にこれに反応したのが為替市場で、わずか1カ月で1ドル102円台から先週の109円台まで激変し、急激なドル高円安になりました。

展開が急過ぎて相場が固まるまでにはもう少し時間がかかりそうですが、今年末にかけて1ドル110円までのドル高円安は充分にありそうな状況です。

忘れてならないのは、米国債を中心とした米金利が上昇すれば、どの金融商品に強い下落圧力がかかるかという事です。実は景気好転時は多少の金利上昇では米国の株価は意外と崩れにくく、むしろ米REITに、強い下落圧力が働きがちです。

 おそらく来年の米REITは、米金利(見通し)を反映し、神経質な値動きを続けて行きます。『「10%価格が下落したら一度売り払う」などの方針を今のうちに決め、「来年は様子見か売却を続け、2016年以降の米金利上昇後に価格が大幅に調整されてから良いものだけを本格的に買おう」』と考えるのは、そう悪くはない方針かと思います。

 その一方でユーロに下げ止まりの兆しが出て来ました。欧州中央銀行(ECB)が9月18日に実施した新しい資金供給策が低調に終わり、ECBの金融緩和が手詰まりに近いとの観測が出ているためです。金融緩和政策を続ける通貨としてせめぎ合いを続けてきた円に対しては4カ月ぶりの円安・ユーロ高をつけるなど、ユーロの優位性が目立ちつつあります。

 市場ではECBがめざす7000億~1兆ユーロ規模の資金供給は実現しない可能性が高いとの見方が広がり、物価の押し上げ効果に不透明感が強まったからです。

低調だったTLTROに対し、市場はひとまずユーロ買い戻しで反応しました。特に対円で大幅に上昇し、19日(金)には一時1ユーロ=141円台前半と4カ月ぶりの円安・ユーロ高水準をつけた。異次元緩和が続く円とユーロを比べると「円の方が下落圧力が強い」のです。

 市場では「低調なTLTROを受けて何か新たな緩和策を実施すればユーロ安、何もしなければユーロ高」(唐鎌氏)との見方が主流を占めています。

以下は、今週の株価や為替などに関する私の予想です。

1、日本の長期金利(新発10年物国債利回り)は0.5%台半ばから緩やかに上昇か

 9月17日に米10年債利回りは2.62%と2カ月ぶりの水準に上昇した事と日本株への資金移動などが、金利上昇圧力となりそう。実は最近の日本企業は金利上昇の可能性を意識して、続々と社債を前倒しで発行中です。

2、為替は1ドル110円の壁を越えられなければ108~107円台に戻る。

 ただし、日米の景況感・財政状況・金利差・金融緩和の有無などを背景に、年末に向けて基調はドル高円安傾向になりやすいので、多少のドル安円高になっても慌てないこと。

3、米国株は上値が重い展開か

先週のアリババ株IPOやFOMC、「スコットランド独立に関する住民投票」などの材料を全て株高の理由とした相場の過熱感や、1990年以降では9月20日(またはその直前の営業日)から9月末までの米ダウ30種平均と日経平均は共に75%の確率で下落して来たという「過去の実績」が、じわりと効いてくる。米国で22日(月)に8月の中古住宅販売件数、24日(水)に新築住宅販売件数、25日(木)に耐久財受注が発表予定なので、株価や為替などへの影響に注意。

4、  日本株は円安・米景気堅調・安倍首相のNYでの発言などを背景にまだ上昇余地があるが、週初と週末は弱含みか

 週初は為替次第だが利益確定による売却増加で多少の株安の可能性あり。今週は「9月の配当権利取り」が需給と株価を大きく左右。25日(木)は9月末配当の権利付き最終売買日だ。権利落ちの26日(金)はブルームバーグ・データの試算によると、日経平均で92.7円の配当落ち分が予想される。23日(火)にHSBCが9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値を公表。26日(金)に日本の8月の全国消費者物価指数の公表があり、これも株価に影響しそう。

以下は、今週公開の「週刊先読みダイジェスト第51号」の主なテーマです。

1、今月のFOMCと今後の米金利見通し

2、米新規株式公開(IPO)株の課題 アリババよお前もか?

3、カルパースが困惑するヘッジファンドの成績 実は自分で投資した方がまし?

4、日本株投信で静かに進行中の危機 運用難で新たなライバルが出現?

5、FX・日本株投資のコツと今後のマーケットの見通し

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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