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中国の今後の景気のカギを握る「債務問題」の影響とは?

  • 投稿日:2014年10月27日

中国の景気が、注目されている。日欧とも停滞気味で景気が堅調な先進国は米国や英国など一握りなので、日本を抜いて世界で2番目の経済規模(GDP)を誇るこの国の景気が注目されるのは、無理からぬことだ。「数年前の様に年間10%くらいは成長して欲しい」という方も多いとは思うが、実は中国の債務問題から見てもこれは難しいのだ。詳しい話は今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第56号」で紹介する予定なので、今回は結論だけ話すが、「借金で成長を買えるとしてもそれは限られた期間で、その後は借金の返済に追われて成長が鈍化し、結局効率向上こそが成長の本来の推進力」という事だ。

 これは何も私だけの持論ではない。あの有名な世界最大のヘッジファンド運用会社、ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏の投資哲学・経済理論でもあるのだ。彼の考え方は実は国際金融機関や主要国中央銀行の幹部達からさえも一目置かれていて、今週公開予定の「週刊先読みダイジェスト第56号」では、某有名メディアから彼へのインタビューの回答の要点と、彼が作成した良質な内容の無料動画の日本語版の紹介まで予定されているのだ。

 

それでは、中国の現状について、ご一緒に確認してみましょう。

中国の2014年7-9月(第3四半期)の経済成長は市場予想を上回った。輸出の伸び加速とサービス産業の拡大が貢献した形で、大規模な景気刺激策を避ける当局の政策運営の正しさを裏付ける形となった。国家統計局が10月21日に発表した7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比7.3%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値は7.2%増だった。成長率は2009年1-3月(第1四半期)以来の低水準にとどまった。統計局が同時に発表した9月の工業生産は前年同月比8%増。過去5年余りで最も低い伸びとなった8月の6.9%増から加速するとともに、市場予想中央値(7.5%増)も上回った。統計局の盛来運報道官は21日の会見で、工業化と都市化が引き続き中国の成長をけん引するとの認識を示した。統計局によると、輸出入の合計は特に輸出の伸びが好調で1-9月に前年同期比3.3%増と、1-6月の1.2%増から加速した。7-9月のGDPは季節調整済み前期比では1.9%増。予想中央値は1.8%増、4-6月(第2四半期)は2%増だった。

 1-9月のGDPは前年同期比7.4%増。サービス業が7.9%増加し、農業の4.2%増、鉱業や製造業を含むいわゆる第2次産業の7.4%増を上回る伸びを示した。一見無難な内容だが、国際通貨基金(IMF)は7日公表した世界経済見通しで、中国の来年の成長率を7.1%とし、1990年以来の低い伸びを予想した・・・・。 

課題の中国製造業の景況感はそれほど悪くはないのだが・・・・

 英金融大手HSBCが10月23日発表した中国の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4となり、9月確報値(50.2)より0.2ポイント改善した。3カ月ぶりの高い水準となった。好不況の判断の境目となる50を5カ月連続で上回った。住宅市況の悪化など景気減速に対応するための政府のてこ入れ策が奏功した。

なぜ中国の景気は減速傾向なのか?

中国が先週、発表した国内総生産(GDP)の数値は、歴史上最も偉大な経済成長の物語の終わりを示唆した。1980年から2009年にかけて、中国は平均で年率10.1%の成長を続け、世界で最も人口が多い国から世界第2位の経済大国に変貌した。だが、いまでは、中国政府の官僚らによれば、世界金融危機の後の四半期で最も低いGDP成長率を発表するに至った。私たちは、「新常態(ニューノーマル)」による中国経済の減速に備えるべきだ。だが、痛みを和らげるようなこうした言い回しは、揺らぎ始めた現実を覆い隠すだけだ。中国が脱却に取り組まなければならない債務の重さは、実は相当重い。

 格付け会社のフィッチ・レーティングスによると、中国の債務総額は金融危機後に実質的に2倍となった。GDPのおよそ240%にあたる。市場金利を平均7%とすれば、中国が債務返済にあてる負担は今年予測されるGDPの約17%にあたる1兆7000億ドルに達する。中国の民間企業の借入金利の現状から考えても、それほど異常な前提条件ではない。要するに、中国の政府、公的機関、企業、個人を含む債務者は、インドの昨年のGDP(1兆8700億ドル)に匹敵する債務の返済を強いられるのだ。

 中国の企業や個人は一段と債務返済に追われるようになり、投資や消費を手控えるようになる。1兆7000億ドルという債務返済の負担は14年1~9月に民間企業が工場や設備に投資した額に匹敵する。さらに、今年に入ってから建設や不動産購入にあてられた総投資額を上回っている。

 要約すれば、「真面目に借金を返すと資金繰り上は追加投資は難しい」のだ。実際、最近の中国の景気対策を見ても、企業に追加の巨額投資をさせる様なものは少なく、「小ぶりで散発的な景気対策」との評価が、通り相場だ。

これからひと波乱か?

借金による投資が支える経済にとって、債務返済がもたらす疲弊は致命的だ。経済成長率が昨年の7.7%から減速する一方、投資水準はGDP比で48%を維持している。中国が「投資に見合うだけの利益」を得ていないことは明らかだ。中国が減速する景気を下支えするため、債務負担を伴う様々な刺激策を打ち出すことはないだろうとみられている理由はここにある。金融危機への対応(中国政府が実施した公共投資を含む巨額の景気刺激策)はこうしたしっぺ返しにつながり、中国経済のダイナミズムを揺るがす借金疲れを悪化させるに違いない。

 中国にとって厄介なのは、新たな景気刺激策にかわる対策を立てる場合も落とし穴が潜んでいることだ。国際的な大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは、仮に不動産の過剰供給を解消すれば、空室率はいまの約28%から08年の水準に低下する推測する。ところが、その場合の成長率は、多くの人たちが「ハードランディング」と呼ぶ4%前後に低下するとみられる。

 信用と生産能力の圧縮を伴って進める改革を続けることが、望ましく現実的な選択肢である。このほかの手段では、債務にどっぷりと漬かった持続できない体質がさらに悪化することになるだろう。中国経済の「新常態」は、これからひと波乱あると思った方が良いだろう。そしてそれは、豪州やブラジル、インドネシアなどの資源国の輸出額や景気、通貨の価値などにも、少なからず影響を与え続けそうな状況だ。現実のデータも、概ねそれを裏付けていると思う。

 

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今回は、以上になります。AOIAフェローのDataと小勝負からでした。

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