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ユーロ安が止まらない!ユーロ圏の産業・金融・政治で何が起こっているのか?

  • 投稿日:2015年1月16日

 今回は、ユーロ圏などの欧州にご関心があるいろいろな立場に人達に、それぞれヒントになるお話をします。日経新聞を読み込むくらいでは、ここまではなかなかたどり着けませんが、私は「勉強が仕事」という立場の人間の為、これくらいの事は知った上で、会社の看板でブログやニュースレター、メルマガなどを、毎週のように書き続けています。

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「ユーロ圏の危機」の主役達

またしても、ギリシャの政治危機が端緒だが、底流にはヨーロッパ経済の構造的な弱点がある。欧州経済の状況は、仏伊などの製造業の弱体化が意外と深刻で、金融機関も劣化し、マクロ経済政策で各国の対立が深刻化するなど、危機が多重的かつ複合的になっている。実はその多くはドイツが妥協すれば一応は解決するはずのものだが、困った事にドイツは妥協する気がほとんどない。それに加えて原油価格の急落やロシアの通貨ルーブルの急落も、欧州経済にはマイナスに働くと見られており、ユーロ圏のデフレ懸念は高まるばかりだ。日本の「失われた二十年」をそのまま再現しているとの指摘が、各国でいよいよ現実味を帯びて語られている。

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銀行のすさまじい貸し渋り

 「銀行自体が経営危機の真っただ中にあるので、貸し渋りがすさまじい。企業はゆっくりと死んでいくか、身売りをするかの選択しかない。貸し渋りで企業がつぶれ、さらに銀行の経営を圧迫するという完全な悪循環に陥っている」と、在ローマ邦人特派員は言う。

 イタリアの商業部門の経営者団体「イタリア商業同盟」(加盟七十万社)によると、加盟社のうち、昨年銀行から融資を受けたのは、わずか二・六%。融資を申し込んだ企業は一〇%しかなかった。どの会社も金欠で、返済の見込みがないためだ。

欧州中央銀行(ECB)と各国政府は、貸し渋りをやめさせる目的で、銀行に融資を申し出ている。だが、ECBが全ユーロ圏向けに準備した四千億ユーロのうち、実際に使われたのは半分程度だ。

 「銀行側は生き延びるために、自行の帳簿をよく見せることしか考えていない。ECBにカネを借りて、その貸付先が焦げ付くより、債券発行で自己資本を増やすことに熱心なのです」と、在ロンドン金融筋が言う。欧州金融機関の債券発行は昨年、前年より約三〇%も増えて、六千億ドルの規模になった。欧州各行は、ゼロ金利と資本増強で自らの財務強化に躍起で、カネは産業界支援には回らないのだ。

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縮小中の製造業と雇用

 この結果、イタリア製造業の生産高は〇八年と一三年を比べると、二五%も落ち込んでしまった。イタリアが〇八年以降、ほとんどマイナス成長が続いているのは当然のことだ。イタリアで起きている製造業の受難物語は、欧州全域でほぼ共通して聞かれる。欧州連合(EU)全体の工業生産は、〇八年の金融危機以前に比べて一〇%も下回っている。この間、三百五十万人以上の製造業労働者が失職した。製造業の落ち込みは特に南欧で激しく、〇八年と一三年の比較では、ギリシャが二九%、スペインが二五%、フランスが一八%、ポルトガルが八%も減った。比較的健闘していたドイツでも、三%減だった。好調なドイツの自動車産業などは、実は例外だ。

 屈辱的なことに、一三年の乗用車生産台数ではフランスは百四十六万台で、英国の百五十一万台に抜かれた。フランスが英国を下回ったのは一九六〇年代以来のこと。両国とも今では世界のトップ10にも入らないタイにも劣る低レベルの争いだが、一九九四年にローバーがBMWに買収され、英国の自動車業界がすべて外国企業の傘下に入った時には、仏生産は三百万台を超えて英生産に二倍以上の差をつけていた。いずれにせよ先進国で大国の話とは、とても思えない。仏政府はPSA、ルノー両社の大株主で、両社の経営に深くかかわっている。特に、仏国内の工場閉鎖や合理化計画は、たちまち重大な政治問題になる。「両社の経営幹部は、『国の介入がひどすぎる』と嘆くが、実際には経営危機のたびに、国家の救済をあおいでおり、経営陣は『親方・三色旗』の上に安住している」と、在パリ邦人特派員は言う。両社の経営は当然、保守的になる。ラインアップには高級車やSUVがなく、国際競争力は弱い。この図式は他の業種にも当てはまる。

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ではどうすれば良いか?

エマニュエル・マクロン仏経済・産業・デジタル相の処方箋は簡単である。報道陣に、自動車産業の危機への対応を問われた時、「国が投資をして、技術革新を進める」と答えた。国家の過剰介入が問題なのに、さらに国が乗り出していくというのだ。そもそも政府に技術や産業の目利きが出来れば、地球から資本主義国は消滅していた事だろう。現実はもちろん逆だ。つまり、呑気なのだ。改革として取り組んだのは、日曜営業問題。だが、社会党内の抵抗もあり、「年間十二日まで」という新法案をまとめるのがやっと。イタリアのような規制完全撤廃にはほど遠かった。こういっては何だが、「働かない権利の確保」の為には、本業よりも熱心に働くのが、フランス人だ。これで景気が良くなるなら、何かがおかしい。

 「身を切る改革」が掛け声倒れなのは、仏政府だけではない。ユーロ圏の重債務国は、財政赤字こそ減らしたものの、債務そのものはむしろ増えている。実はドイツの有力シンクタンク「IFO」経済研究所のハンス・ベルナー・ジン所長は昨春、「EUはギリシャの財政赤字を意図的に誤魔化している」と告発した。所長によると、ギリシャの財政赤字は実際には八%を超えているのに、EUはデータを改ざんして、「財政黒字に転換」と発表していたという。近頃ドイツが急に「ギリシャはユーロ圏から脱退しても構わない」と言っている裏事情は、実はこれだろう。もし事実なら最悪の場合、ギリシャはユーロ加盟国どころか先進国から脱落する。ユーロ圏の中でギリシャの金利だけが年率8%くらいまで急上昇したのは、何かの前触れかもしれない。意外とマーケットは正直だ。

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 状況をより正確に物語るのは、債務の国内総生産(GDP)比だ。ギリシャは二〇一一年に一四六%だったのが昨年は一七五%まで増えた。スペインは六〇%から九二%に、ポルトガルは九四%から一二九%といった具合だ。フランス、イタリアも債務の山が積み上がっている。ユーロ圏全体で債務のGDP比を見ると、一一年の八四%が九一%に上昇した。特にイタリアの債務はGDP比で一三〇%を超え、現行のゼロ成長では早晩行き詰まる模様で、低金利だけが頼みの綱という点では、実は日本とそっくりだ・・・・。

それでも内輪もめは続く・・・・

ユーロ圏にあって独り勝ちを続けてきたドイツにも、今年は複数のリスクが顕在化する。ユーロ圏の通貨・金融政策や財政規律といった重要課題で、ドイツとECB、仏・伊などとの対立が強まっている。さらに昨年後半から、ドイツ経済に悪化の兆しが見える。今年のドイツは欧州経済の足を引っ張りかねないのだ。緊急課題は、ECBの量的緩和(QE)だ。デフレを何より嫌うマリオ・ドラギECB総裁は今年三月にも国債買い付けに乗り出す構えだが、メルケル首相とドイツ連銀は断固反対。独世論もQEに懐疑的だ。しかしフランスでさえ、もはや公然と財政規律破りに突き進んでいる。「せめてユーロ安で輸出が伸びないか?」と考えているのは、何もユーロ圏の庶民だけではない。まるで「欧州版アベノミクス(通貨安による輸出主導型の景気回復)」を望んでいるようだ。実はこれも、最近のドル高ユーロ安の一因だ。

本来は吉報のはずの原油価格下落でデフレが深刻に・・・・

苦境の時には、国際経済の動きもマイナスの結果につながりやすい。原油価格の急落は、エネルギーを輸入する欧州に「良いニュース」のはずだ。ところが、英国の経済研究所「オックスフォード・エコノミクス」は早速、「原油価格下落で欧州のデフレは深刻になる。経済成長への貢献は微量」との分析を発表した。ユーロ圏インフレ率は一四年十一月時点で〇・三%まで下がったが、この試算によると、「一バレル六十ドル」で大半の国がデフレに陥るという。困った事に2015年の原油価格は、1バレル50ドルの価格の維持さえ、疑問視されている・・・・。

 実はドル建ての原油価格とロシアルーブルの対米ドル相場の推移は、酷似する。同時に進行したルーブル下落では、欧州各行がひそかに抱える「ロシア・リスク」に懸念が集まり、欧州の株式市場では、ロシア関連と見られる銘柄、特に銀行株が売られる展開になった。各行は保有するロシア国債の量などを明らかにしておらず、「ロシア・リスク=ユーロ圏リスク」の様相は日を追って強まるだろう。今後大量に発行されるであろう欧州金融機関の各種債券を買うなとは言わないが、予想外の気苦労が待っているかもしれない。

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 最後に今やおなじみの「政治危機」を概観しておこう。ギリシャの騒動で有名になったシリザ(急進左派連合)のような、「反ユーロ」「反EU」の政治勢力は今やどの国にもあり、かつ勢力を伸ばしている。今年のユーロ圏では、ポルトガル、スペイン、フィンランド、エストニアで総選挙が行われる予定だ。ユーロ圏外でも、スウェーデンと英国で総選挙がある。五月の英総選挙では、反EUの「英国独立党(UKIP)」が再度旋風を巻き起こす可能性が強い。実はこれが、現在進行中の「ドル高英ポンド安」の大きな理由だ。ただ、こうした反EU政党の台頭は、より大きな構造的危機の副産物であって、危機の源ではない。ところが、政権の座にいる政治家たちの腰が定まらず、改革が中途半端なために、反EU勢力に振り回され、投機筋にも付け込まれるため、本物の危機を作り出してしまう。本来は儀礼的ポストで欧州政治には何の影響を持たないはずの「ギリシャ大統領」を巡る政争が、全欧州の危機のように報じられるのはこのためだ。

根本的な課題は、「安定感と信頼感の欠如」だ。

この調子だと当分、「ドル高ユーロ安傾向」は、続きそうだ。政治問題も、なめてはいけない。

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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