人生を豊かにする経済とお金の学校 グローバル資産形成学院

イエメン内戦激化とその背景、原油価格への影響とは

  • 投稿日:2015年3月30日

本ブログは今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第76号」の一部を、再編集したものです。

 サウジアラビアは2015年3月26日、内戦の危機に陥った隣国イエメンで、イスラム教シーア派系の武装組織「フーシ」に対する軍事作戦を開始した。イエメンはアラビア海や紅海に面する中東の国家で、北はサウジアラビア、東はオマーンと国境を接する。紅海の南の出入り口に位置し、スエズ運河経由で地中海に至る海運の要衝の国だ。1967年に南部が独立後に、冷戦構造の下で南北対立が続いたが、1990年に統合した。人口約2400万人で経済的には厳しい国だ。

 イスラム教シーア派系の武装組織「フーシ」は、サウジアラビアなどからも警戒されているが、イランの強力な支援を受けているとされている。シリア内戦と同様に、「イラン側の勢力とサウジアラビアなどのアラブ諸国側の勢力の間の、外国での代理戦争」の一面が、注目されている。イエメンはもともと貧しく中央政府も弱体な国だったが、このまま混乱が続くと更に無政府状態となり、過激な軍事・宗教組織の大規模な拠点になる可能性も、国際的に懸念されている。

 この作戦に2015年3月29日午後時点で明確に反対している国は、イスラム教シーア派が多数派のイランとイラク、そしてイランと密接な協力関係にあるシリアだけだ。米国家安全保障会議(NSC)のミーハン報道官は3月25日、イエメンで軍事作戦を展開するサウジアラビアなどに対し「後方支援することをオバマ米大統領が承認した」と表明。米軍は、軍事作戦に直接参加していない。

 イエメンではフーシが政権掌握を一方的に宣言して攻勢を強め、首都を逃れたスンニ派のハディ暫定大統領側が軍事介入を要請していた。スンニ派諸国による介入の背景にはシーア派の大国イランとの確執があり、中東地域全体の緊張が高まっている。駐米サウジ大使がワシントンで記者会見し、米東部時間25日午後7時(日本時間26日午前8時)に空爆を始めたと明らかにし、10カ国による共同作戦だと述べた。サウジ、カタール、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)の湾岸5カ国は「ハディ大統領の要請に応え、イエメンを守る決断をした」とする共同声明を発表した。エジプトの中東通信は、同国が作戦を政治的、軍事的に支援していると伝えた。

 ロイター通信はサウジ国営放送の情報として、サウジ軍などがイエメン上空を飛行制限区域に指定し、外国船舶に同国の港に接近しないよう警告したと報じた。

 イエメン北部を拠点とするフーシは昨年9月に首都サヌアに侵攻し、今年2月に政権掌握を宣言。25日にはハディ氏の避難先の南部アデンの郊外まで進撃していた。米国務省は25日、ハディ氏がアデンの公邸から退避したとの認識を示した。同氏の所在は不明だった。サウジがシーア派台頭を恐れて他国に介入したのは、2011年以来となる。

サウジ、地上軍投入も イエメンに介入、戦闘拡大の懸念

 サウジアラビアなどがイエメンで開始したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ」への軍事攻撃について、サウジ筋は3月26日、ロイター通信に「秩序回復のため地上部隊の攻撃が必要となるかもしれない」と述べた。フーシは軍事介入に徹底抗戦する構えで、戦闘が拡大する懸念が高まっている。

 中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは、サウジが戦闘機100機と約15万人の部隊を動員したと伝えた。サウジ軍はイエメン国内の港に近づかないよう外国船舶に警告し、同国上空を飛行制限区域にしたと宣言した。作戦には湾岸のアラブ諸国が加わり、国営サウジ通信によるとヨルダン、スーダン、モロッコ、エジプト、パキスタンも参加の意向を示した。アラブ連盟のアラビ事務局長は3月26日、作戦を「全面的に支持する」と表明した。

 一方、フーシを支援しているとみられるイランは、ザリフ外相がイエメンの主権侵害に当たると非難した。ハディ暫定大統領側の部隊は同日、フーシが制圧していた南部アデンの空港を奪還した。国営サバ通信によると、首都サヌアでの同日の空爆で市民18人が死亡した。

 イエメン内戦へのサウジアラビアなどの地上軍の参戦は、まだ報道されていない。人質となるリスクも想定され、そう簡単には外国の地上軍の参戦は、進まないだろう。イエメンのハディ暫定大統領は3月26日に、サウジアラビアの首都リヤドに登場。28、29両日にエジプトで開かれるアラブ連盟の首脳会議に出席する予定で、正当な政治指導者としてイエメン国外では扱われている。

 「フーシ」への軍事介入に踏み切ったサウジアラビア主導のスンニ派諸国は、作戦2日目となる3月27日には、空爆地域を拡大。サウジが支持するハディ暫定大統領と対立し復権を狙うイエメンのサレハ前大統領の勢力も、標的に追加した模様だ。

 イエメン内戦の影響もあり、イラクでの「イスラム国」との戦闘で、米国とイランの協力関係は上手くいっていない。この戦いは、長引きそうだ。ティクリート奪還は当初、イラク政府がイランと協力して進めたものの、米はイランとの連携を拒否。米軍はイラク政府軍を支援する形で3月25日にイスラム国の拠点など17カ所を空爆。イラン革命防衛隊の軍事顧問は現地を離れた。

========================================

ところで、原油価格の方は、どうなったのだろう?

NY原油が大幅続伸 中東情勢緊迫で

 3月26日(木)のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に続伸した。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は、前日比2.22ドル高の1バレル51.43ドルで取引を終えた。早朝の時間外取引で一時は52.48ドルまで上昇し、中心限月ではほぼ1カ月半ぶりの高値を付けた。サウジアラビアがイエメンへの軍事介入に踏み切ったことで、中東情勢緊迫が意識された。中東産の原油供給への懸念が広がった。アジアの指標になる中東産ドバイ原油のスポット価格は、3月27日午前に前日から0.60ドル高い1バレル56.20ドル前後で推移し、3月上旬以来の高値に回復した。

 2015年3月27日(金)にはニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反落。サウジアラビア率いるイエメン軍事介入が潤沢な原油供給を脅かすことはないとの見方が広がり、週間での上げ幅を削る展開となった。みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「市場はイエメンでの戦闘が直ちに原油輸出に影響を及ぼす可能性は低いということに気づいた」と指摘。「ホルムズ海峡に影響が及ぶ事態になれば相場はすぐに反応するだろうが、今のところは海峡封鎖の兆しはまったくないと述べた。

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比2.56ドル(4.98%)安い1バレル=48.87ドルで終了。週間での値上がり率は6.9%に縮小した。

 

 この様にそう簡単に原油価格が上がらない一因は案の定、サウジアラビアの「原油の大量生産」がある。3月22日(日)にサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は原油市場について「楽観的」な見方をしており、2013年に記録した過去最高に近い日量約1000万バレルを生産していることを、明らかにした。しかもサウジは自国シェアの維持向上のために、米国や中国などに対して水面下で、「極秘の特に割安な価格での原油輸出」を実行中との報道もある。

『最近のマーケット情報や実用情報を無料で知りたい方はこちらをクリック』

https://argo-navi.net/mielca_aoia/PublicMailMagazineEntry.aspx?no=3&_ga=1.28334652.1273857201.1394110146

========================================

今週公開予定のAOIA会員向けニュースレター「週刊先読みダイジェスト第76号」の主な内容です。

1、イエメン内戦激化とその背景、原油価格への影響

2、主要国・地域の最近の経済と金融の状況

 その1 ユーロ圏の最新状況 なぜ景気改善でもユーロ安か

 その2 中国の最新状況 人民元安の本当の理由と激増中の国外旅行

 その3 米国の最新状況 原油安の負担が軽くてなぜ株安か

 その4 日本の最新状況 再生の兆しか? 「政府と企業の資金の動き」が好転中

3、先週のマーケットの状況と今週の見通し 底値を探る日米株

 

「週刊先読みダイジェスト」が教材の『人生を豊かにする経済とお金の学校』の【無料ガイダンス】はこちらです。

日時:2015年04月02日(木)19:00 〜 20:30

場所:東京都港区虎ノ門

詳しくは、こちらをどうぞ。

http://www.aoia.co.jp/economic-and-school-free-guidance-of-money-to-enrich-the-life-3.html

AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

========================================

】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


  • グローバル資産形成学院WEBキャンパス開校 ネットで学べるオンライン講座
  • WEBキャンパスで開催中の講座はこちら
  • WEBキャンパス会員登録はこちら
  • 資産形成力要請コース