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そう楽ではない米国経済と米企業の本当の姿とは?

  • 投稿日:2015年3月25日

 先週はどうにか「日米株高・ドル安円高」でしたが、波乱に富んだ展開でしたね。「世界の債券バブルはドル高と今後の米金利上昇に弱い」との気になる報道が急増したかと思ったら、FRBが「ドル高は米国の輸出停滞の一因で米国の景気にあまり好ましくない」との趣旨の発表をしてドル高をけん制し、一定の効果がありました。FRBは米国の今後の景気見通しと金利予想も下方修正し、金融相場が復活中で米国株も日本株同様に浮上しました。結局は低金利と低インフレが世界規模で長期化しそうで、相場は過熱しやすくなっています。

 先週の相場のムードを変えたのは3月18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)でした。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は「ドル高が輸出の伸びを抑え、インフレ押し下げに働く」とやんわり警戒心をにじませ、市場は超緩和が長引きそうだと考え反応。「ドル強気相場の終わりの始まり」(HSBC)を唱える声さえ市場には聞かれ始めたほどです。ではなぜFRBドル高と米金利上昇を抑え始めたのでしょうか? 実は米国の経済と企業は、ドル高と金利上昇観測もあり、そう楽ではないからです。

 米国民の景気に対する期待感が2015年3月に、前月に記録した4年ぶりの高水準から低下したのは、賃金の伸び悩みや冬の厳しい気候が響いたためです。

 3月19日に発表された消費者信頼感調査に基づいて算出している月間の米景気期待指数は51.5と、3カ月ぶりの低水準になりました。2月は54と、2011年1月以来の高水準でした。雇用関連指標が堅調であるにもかかわらず、賃金が伸び悩んでいるほか、最近の指標では小売売上高、製造業活動、住宅着工が2月に全て低迷したことが示されました。週間の消費者信頼感指数を構成する3つの項目別指数は、家計指数が57.1(前週は54.8)。景況感の指数は37.2と、前週の37.1からほぼ変わらず。消費環境の指数 は38.3(同38.2)。

  FRB発表の2015年2月の鉱工業生産指数(2007年=100)は105.8と、前月比0.1%上昇し、市場予測の平均(0.3%程度の上昇)を下回りましたが、3カ月ぶりに上昇し、概ね停滞中です。

 米商務省が3月17日に発表した2月の住宅着工件数(年率換算、季節調整済み)は前月比17%減の89万7000戸でした。この大幅な落ち込みは、住宅部門の屋台骨が崩れつつあることを示唆しているように思われます。超低水準の住宅ローン金利や住宅のアフォーダビリティー(値頃感、入手し易さ)を踏まえると、住宅、特に一戸建て住宅の建設は予想通りに持ち直していません。一戸建て住宅の着工件数は2月に急減する以前も、住宅ブーム期の半分未満、1990年代の平均を37%下回る水準で推移していました。

 

 理由の一つは、若年層が住宅を購入していないことにあります。一般的には25歳〜34歳の年齢層が、住宅建設の促進につながる世帯形成の時期とされる。家長が25歳〜34歳の世帯の割合が2006年以降、他の年齢層よりも大幅に低下しています。ミレニアル世代は独り立ちしないばかりか、住宅も購入していないのです。

 

 米債券ファンド大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)でエージェンシー住宅ローン担保証券(MBS)運用の共同統括責任者を務めるマイケル・クジル氏は「金融危機以降、世帯数が伸びたのはほぼ全て賃貸住宅だった」とブログで指摘しました。一戸建て住宅の着工が低迷しているにもかかわらず、集合住宅建設がリセッション(景気後退)前の水準に回復している理由は、こうした賃貸志向で説明がつきます。クジル氏は「集合住宅の着工ごとに生まれる雇用は、一戸建て住宅の3分の1だ」と述べました。こうした「持ち家より賃貸」の傾向はどうしたら変わるのだろうか。野村とピムコはいずれも、雇用と賃金の伸びの改善が必要だと、主張しています。

 

 野村のリード氏は、家長が25歳〜34歳の世帯の平均年収が07年の5万1728ドル(約627万円)から13年には4万3625ドルへ大幅減少したと指摘しました。低所得のために頭金の貯蓄や、住宅ローン審査の通過が一段と難しくなりました。賃金などの雇用状況が大幅に改善しない限り、、住宅市場は取り残されたままだろう。

 

 この様に、雇用の質量や格差社会などの社会的な課題は、国民生活と消費活動を少なからず左右し、企業の業績やその国の景気も変え、最終的には投資環境と実際の投資成績を少なからず変動させます。投資というとつい、景気や為替や金利などの手掛かりとなる数字を重視しがちで、確かにまずはそれが大切なのですが、中長期的には社会的課題とそれを解決する企業や産業の動きに注目すると、伸び盛りの企業や産業が特定出来てより質的にも充実したものになるかも知れません。

 

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 例えば日本では人口減少と国民の過剰な不動産保有志向もあり空室率が上昇を続けていますが、シングルマザー向けの貸家は不足気味です。シングルマザーと言っても仕事や収入や資産内容などは意外と多様なので、本人の収入や資産、自治体の助成制度なども含めて、入居者の平均的な水準に達している人は前向きに顧客層として意識して物件を宣伝するなどの努力をしている企業は、これから有望そうです。

 

 米国のアナリストたちは今年初め、S&P500種企業の好調な企業予測を発表していましたが、その後のボラティリティ継続に対する警告が続いた決算シーズンを受けて、従来予測を下方修正しました。その修正幅は過去6年間で最大でした。調査会社ファクトセットのデータによると、石油などエネルギー価格の下落と海外市場の不振のほか、ドル高により、S&P500種構成企業の第1四半期利益の伸び率見通しは、総合的なコンセンサスベースで約9%押し下げられました。

 

 この過程で、全企業を総合した全体的な利益予測は、増加から一転して減少に悪化。株式アナリストたちは現在、500種構成企業の現行第1四半期の利益が前年同期比5%近く減少すると予想している有様で、年初予想の4%増から様変わりです。石油安とドル高の犠牲者は一つの部門に限定されていませんでした。工業部門の利益見通しは今年、7%も低下しました。これはキャタピラー、ゼネラル・エレクトリック、ボーイングなど企業が大幅に下方修正したからです。

 

 この様に、米上場企業の経営状況は、意外と痛んでいます。「これ以上のドル高と金利上昇は勘弁して欲しい」と考えるのは実に自然ですし、米国の堅実な成長があってこそ日本の貿易や景気の回復はより確かなものになります。そうした状況下、先週は遂にFRBが動きました。

 

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

 

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