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かつての常識が通用しない中国経済に何が起こっているのか?

  • 投稿日:2015年2月4日

今回は定番の、「中国経済最新事情」について、ご一緒に確認してみましょう。2014年の中国の実質GDP成長率は前年比7.4%と、2012年、2013年の同7.7%から減速した。2014年3月の全人代で発表された2014年の政府成長率目標は7.5%前後であり、それを下回るのはアジア通貨危機の影響が響いた1998年以来、実に16年ぶりとなった。

一般には低成長への懸念が強調されるが、中国の産業構造はサービス化が進展しつつあること(高成長期から安定成長期へ移行)、2012年以降、生産年齢人口が減少していること(2014年末の16歳~59歳人口は9億1583万人と、年間371万人減少)から、成長率が徐々に低下していくのは自然である。近頃は意外と、ロボット導入などの効率向上も、活発化している。また、「中国のアップル」の異名を持つ小米科技(シャオミ)社の大躍進もあり、実はそれなりに技術力やセンスが上がっている点は、注目に値する。販売ノウハウなどは、実は日本の2流企業よりも優れているようだ。

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2015年の消費のポイントは住宅市場と自動車販売

 2014年の実質小売売上は、前年比10.9%増だった。2013年の同11.5%増から若干伸びが鈍化したとはいえ、底堅い推移と言える。懸案の住宅市場には底入れの兆しが見える。ロイター社が集計する70都市新築住宅価格の前年同月比は、2014年9月に同-1.3%と下落に転じ、12月には同‐4.3%までマイナス幅が拡大したが、前月比は8月の‐1.1%を底に、12月は‐0.4%へとマイナス幅が縮小している。2014年11月22日の利下げによる住宅ローン金利の低下なども、これをある程度支えている様だ。

ちなみに住宅販売金額は、2013年の前年比26.6%増から2014年には同7.8%減となった。ただし、単月のデータを作成すると、2014年7月の前年同月比17.9%減を底におおむねマイナス幅が縮小し、12月は同4.2%の増加となっている。2015年は曲がりなりにも中国の不動産市場は回復傾向となりそうだが、近頃何かと注目されている「反汚職・腐敗」運動の結果、香港の隣町の深圳市などでは急激に冷え込んでいる点は、注意を要する。その一方でむしろ懸念されるのは、自動車販売の行方である。中国自動車工業協会によると、2014年の自動車販売は、前年比6.9%増の2349万台となり、2013年の同13.9%増から鈍化した。同協会は、2015年は同7%増程度と予想している。

2013年末時点の都市100世帯当たり自動車保有台数は16.9台に過ぎないことや、持続的な所得増加により自動車購入層が順調に拡大していることから、自動車購入の「高速増加」が続いてもおかしくないにも関わらずである。足元の景気減速や習近平総書記が主導する綱紀粛正の影響は当然あろうが、それだけではない。すさまじい交通渋滞や大気汚染への対応策として、自動車購入制限を導入する都市が増えているのである。2013年以降では、天津市は年間10万台(購入制限導入前は30万台)、浙江省杭州市は同8万台(同30万台)、広東省深セン市は同10万台(同55万台)と、かなり厳しい購入制限が導入されている。こうした動きは、今後さらに広がりかねない。

 導入の可能性が報道されている都市だけでも、陝西省西安市、山西省太原市、湖北省武漢市、重慶市、河北省石家荘市、四川省成都市、山東省青島市など枚挙にいとまがない。自動車購入制限は、新規購入に限定され、ナンバープレートを所持している買い替えには適用されないので、すでに自動車の普及が相当程度進んでいる大都市については、影響は限定的との指摘がある。しかし、それ以外の都市では、初めての自動車購入需要が大きく抑制される可能性が高い。

 2015年は、持続的な所得増加に加え、昨年来の株高の資産効果による自動車購入増加が期待されるが、その阻害要因としての自動車購入制限の広がりには、要注意であろう。実は2014年の好調な売り上げ増加が注目された米国も、過剰生産力と今後の需要の伸び悩みが懸念され、「2016年はダンピング(不当廉売)を伴う消耗戦が本格化か?」との懸念が、自動車業界では早くも浮上中だ。自動車株の賞味期限は意外と近いかもしれないので、投資先は分散した方が良さそうだ。

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中国の投資は更に減速へ・・・・

 2013年夏場以降の中国では、政府による一般的な製造業を中心に投資全体を浮揚させるような刺激策は採用されていない。むしろ目立つのは、過剰生産力を抱えた鉄鋼業などの古い産業や企業の整理統合と規模縮小だ。

2014年の固定資産投資は前年比15.7%増と、2013年の同19.6%増から大きく減速した。内訳を見ると、インフラ投資は2013年の同21.4%増⇒2014年は同20.4%増と増勢を維持しているが、不動産開発投資は同19.8%増⇒同10.5%増、製造業投資は同18.5%増⇒同13.5%増と、伸びが大きく鈍化した。今後も想定されるのは、既述のように分野を絞った下支え的なものであり、投資全体を浮揚させる本格的な景気「刺激策」が実施される可能性は極めて低い。これは実は、借金を積み上げた中国経済の景気対策の限界も、意味する。2015年の固定資産投資は、緩やかに減速する可能性が高い。

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安定した雇用維持のため中小・零細企業向け支援策を強化したが・・・

 馬建堂・国家統計局局長は、GDP統計発表時の質疑応答の中で、「経済成長率は7.4%、都市新規雇用増加数は1322万人(純増数は1070万人)、失業率(調査ベース)は5.1%前後、消費者物価上昇率は2.0%であり、これらは、中国経済が合理的な範囲内で推移していることを示している」旨を指摘した。意外と知られていないが中国政府も経済運営上は日米欧などと同様に雇用と物価を特に重視していて資源・エネルギー価格の下落により、2015年の物価は安定した推移が続くと見られる。当面は、安定した雇用の維持に最大の注意が払われよう。

2014年12月に発表された第3回全国経済センサス(調査)の結果によれば、2013年末時点の第二次産業、第三次産業を担う法人企業のうち、小型・零細企業は785万社と全体の95.6%を占め、従業員数は全体の50.4%の1億4730万人を数える。定した雇用の維持には、中小・零細企業対策が不可欠であり、2014年11月22日に実施された2年4ヵ月ぶりの利下げの主目的も、これら企業の資金調達難の緩和であった。金融統計を見ると、経済全体の資金調達額である社会資金調達金額は、2014年7月以降続いた前年割れから12月には前年同月比34.9%増と大幅なプラスに転じている。

それでは、中国人民銀行の思惑通りに、中小・零細企業の資金調達難は緩和しているのであろうか? 少なくとも現段階の答えは、否である。企業別製造業PMIの推移をみると、2014年12月の小型企業の製造業PMIは45.5と、拡大と縮小の分岐点である50を大きく下回り、統計の取れる2012年2月以降では2012年5月(45.2)以来2番目に低い水準に落ち込んでいる。金融統計が示唆する大幅な金融緩和が小型企業にも及んでいれば、こうした状況にはならないはずである。この様に中国は、深刻な格差社会だ。

では金融緩和で生まれた資金は、結局どこに向かったのか? 可能性が高いのは株式市場である。201411月22日の利下げ以降、中国の株式市場は過剰マネーに支えられた株価高騰を伴う金融相場の様相を呈し、上海総合株価指数は、11月21日~2015年1月16日の間に35.8%の急騰を演じた。金融当局は、金融緩和資金が実体経済ではなく、株式市場に流入していることに不快感を持っているとされる。

 2015年1月16日には、中国銀行業監督管理委員会が「商業銀行の委託貸出管理方法(意見聴取版)」を発表し、そのなかで委託貸出資金を債券、先物、金融派生商品、理財商品、株式に投資することを禁止するとした。証券監督管理委員会は、違法な信用取引で投機的な値動きを煽ったとして3社の行政処分を発表し、週明け1月19日の株価は7.7%の急落に見舞われた。今ごろになっても「中国株はまだまだ有望だから買いましょう♪」というところには、注意した方がよい。後になれば、そういった組織のレベルは、いやでも分かるはずだ。

株高には、資産効果を通じて消費を刺激し、新規上場や増資の増加など資金調達の活性化を促すなどのプラスの効果が期待できる。問題は速すぎる上昇スピードであり、相場の過熱感だ。中国当局は中国の株価を抑える側に回っているほどだ。今後も資金が実体経済に向かう方向付けを行う窓口指導の実施などが想定される。その上で、中小・零細企業のテコ入れを目的に、再利下げなどを含む景気下支え策が続くと見ている。実は中国のインフレ率は順調に低下傾向で、金利も低下傾向だ。人民元相場が上昇を続けると期待していると、予想外の展開が待っているかも知れない。

 総じて見れば、中国の景気は緩やかな減速が続く可能性が高く、「今後数年間は年率7%台から6%台へ緩やかに減速か?」というのが、概ね大手金融機関や国際組織、投資のプロたちの平均的な予想だ。しかし多くの資源関係の会社は、より強気な予想を勝手にたて、過剰投資と巨大過ぎる生産力を持て余し、いまや不況に直面している。景気見通しを甘く見てはいけない。あとでご自身の仕事や投資活動にも、しっかりと影響してくる。

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

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