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「スイスフランショック」の要点と意外と重要なその影響について

  • 投稿日:2015年1月26日

突然始まった「スイスフランショック」には、驚きましたね。実はこれは、経済や金融(政策)の歴史に残る事件です。ユーロ相場や各国中央銀行の金融政策に対する信頼性も含めて、意外と多方面に関係し影響が及びます。そこで、今週から来週にかけて、何回かに分けて、この問題の要点を確認してみましょう。FXなどの投資にご興味ある方にも、それ以外の方にも、実は興味深く重要な話が、結構あります。

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 スイス国立銀行(中央銀行)は2015年1月15日、自国通貨スイスフランの上昇を抑えるために対ユーロで設けていた1ユーロ=1.20スイスフランの上限を撤廃すると発表した。2011年9月以降、外国為替市場で無制限にスイスフランを売り、ユーロを買ってフラン高を防いできたが、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和観測もあって、異例の政策の継続を断念したとみられる。

 スイス中銀は声明で、米国経済の回復を背景に対ドルでユーロとスイスフランが下落してきたため「スイスフラン相場の過大評価は少なくなった」と指摘。フラン高を阻止するための無制限介入は「もはや正当化されなくなった」と説明した。無制限介入に伴い、スイスの外貨準備高は国内総生産(GDP)の7割を超える規模に膨らんでいる。仮に外貨がスイスフランに対して2割の下落があれば、実にGDPに対して14%強もの含み損となる。これは日本だと約七十兆円の損失という事になる。怖くなって突然いままでの金融政策を放り出したという事だろう。中銀の抱えるユーロ建て資産が際限なく拡大するリスクは為替リスクを含めて巨大で、無視できなくなったもようだ。

 一方、スイス中銀は1月22日に開始する中銀への預金のマイナス金利の幅を当初予定の年0.25%から0.75%に拡大する。政策金利も下げ、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)3カ月物で「マイナス1.25%からマイナス0.25%」とする。

 発表を受け、外国為替市場ではスイスフランが一時、1ユーロ=0.86スイスフランと、ユーロに対して30%近くも高騰。実はごく短期的には4割強も暴騰し、スイスフランの上昇に賭けた投資家や企業と下落に賭けた投資家や企業では、極端なほど明暗を分けた。当然ながらスイスの主要株価指数SMIは、大幅に下落した。輸出急減などを警戒した結果だ。

 スイスフランと同じように「安全通貨」とみられている円も一時1ドル=116円台に上昇した。外国為替市場で急速に円高・ドル安が進んだことで、大阪取引所の夜間取引では日経平均先物が一時、1万6730円と、15日の日中終値と比べて430円安となる場面があったほど、影響があった。

 スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は声明で、今後も「外為市場での行動を続ける」と示しており、スイスフランの売り介入を完全に停止するわけではないが、実はユーロの最大の買い手がスイスだっただけに、「ドル高ユーロ安傾向」が強まったとの見方もある。

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欧州の中心に位置するスイスは、永世中立国として我が道を行く。地域統一通貨ユーロにも参加せず、自国通貨スイスフランを守ってきた。長い歴史と経験の蓄積でチューリヒは金融都市として発展し、世界の富裕層マネーがスイスの銀行に集まるようになった。しかしスイスはいくら豊かでも小国だ。時には実力以上の負担を周りから負わされ、突然放りだす時がある。これにピンときた方は、世界史や経済史、金融事情などに、相当詳しい人だろう。

 2011年にギリシャ危機が悪化したときも、ギリシャの富裕層がスーツケースでユーロ紙幣を持ち込み、スイス国内では時ならぬ不動産バブルが生じた。ユーロ安が進むなか、スイスへのマネー逃避は欧州諸国を巻き込みながら拡大した。スイスフラン高はネスレなどスイスの多国籍企業や観光業を直撃。スイス国立銀行(SNB)はついにスイスフラン・ユーロ為替レートに1.20の上限を課す緊急措置を導入した。SNBはユーロ買い・スイスフラン売りの経常的市場介入を強いられることになった。

 「通貨価値維持の番人」としての中央銀行が巨額のユーロを買い取ることで、スイス国内ではスイス国立銀行のバランスシートが劣化されることへの懸念が深まった。そこでSNBに保有資産の20%は金で保有することを義務づける提案が14年11月末に国民投票にかけられ、否決される一幕もあった。

 そして今年に入り、ギリシャ懸念が再燃。1月25日の総選挙では現政権不利の情勢だ。さらに1月22日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、いよいよ国債購入型の量的緩和が決定される可能性も現実味を帯びてきた。その前段階として、欧州司法裁判所はECBによる国債買い取りを「合法」とする見解を明らかにした。

 外為市場ではユーロ安が加速。対ドルで1.17ユーロ台という低水準にまで下落した。そこでSNBは15日、無制限のスイスフラン売り・ユーロ買いの終了を突然発表。中銀への預金に適用される金利も予定のマイナス0.25%からマイナス0.75%に拡大した。これは「預金金利を受け取る」のではなく「SNBに預金すると0.75%の手数料が徴収される」ことを意味する。

 この決定はまったくの抜き打ちだった事は、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「我々中銀サークルに知らされていなかったので、驚き」とぶぜんとした表情で語ったほどだ。もちろん、民間市場関係者が知るよしもない。やはり、金融の世界の大物たちの間にも、立場の違いによって、得られる情報には格差がある。だから私は、IMFのラガルド専務理事などの世界の金融政策のキーパーソンの言動は、かなり注意深く観察して、日々の判断と行動に役立てている。これは余談だが、FRB(米連邦準備理事会)の今後の金融政策は、イエレンFRB議長の言動さえ見ていれば、ほぼ予想できるとされている。

 「1ユーロは1.20スイスフランと交換できる」という前提で運用してきた機関投資家のなかには、はしごを外され大損を被る人たちが続出するかも知れないが、スイスの負担を考えればこの「固定相場制」が長続きしない事は、分かっていたはずだ。投資で成功したければ、まずは歴史や基本的な社会制度、主要国の金融政策などを知るべきだし、それが出来ない人や組織は、今回の様な急変時に潰れる。実際、日本のFX投資家でスイスフラン関係の取引をしていた人達の多くは、大損して為替取引から去ってしまった。

 スイスは欧州内ではドイツと並び歴史的に金選好度が高い国での出来事ゆえ、国際金価格も2%ほど急騰して1トロイオンス1260ドルをつけた。そして相対的安全性を求めるマネーは米国債にも殺到。米10年債利回りも1.7%台まで急落した。金利上昇は、近い様で意外と遠い…。

 日米金利差縮小観測が強まるなかで、逃避通貨としての円買いも加速。「SNBサプライズ」直前までは118円台をうかがう流れだったが、結局116円台前半まで1円50銭もの円高進行となった。

 いまやユーロ安から「ユーロ不安」に進行しつつある状況では、リスクオフ(回避)の円買いを誘発する材料となった。足元の外為市場は、ドル高というよりギリシャ離脱観測も依然くすぶるユーロ懸念がメーンテーマだ。その結果、ドルと円が「相対的安全通貨」として買われる状況だ。そこに原油急落という不安要因が拍車をかける。これでも日本株が上がれば、バブルかもしれない。

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スイス中銀の政策変更の問題点とは?

 為替の変動があると直ちに、ユーロ圏の競合相手に対するスイス企業の競争力は大きく低下する。スイスの輸出は50%程度がユーロ圏向けだ。1月15日のスイス株式市場は相応の反応を見せ、SMI指数は前日比8.67%安の8400.61で、取引を終えた。

 スイス中銀はユーロ圏国債の主要な買い手だった。フラン相場を上限で防衛していた期間に積み増したユーロの外貨準備は大部分がユーロ加盟国の国債に投じられた。2014年7-9月期末時点では外貨投資の45%がユーロ建てで、その73%が国債だった。今後のユーロ相場や加盟国の国債や金利は、大丈夫だろうか? もちろん、ヘッジファンドの多くも、損をした。レバレッジを効かせる投資家や資産運用担当者は、スイスフランを大幅に売り持ちにしていたが、予想外の急上昇で大損をした。FXにご興味ある方は、まずは損失を抑える方法(リスクコントロール)から学ぶと良いだろう。あとは有望な通貨ペアと相場見通し、どの通貨を売って買うかの基本プランが出来れば、最初のハードルは突破だ。

 「スイスフランショック」の意外と深刻な副作用は実は「世界の主要中央銀行への信頼揺らいだ」事だ。これには困った事に、日銀も組織や関係者の意図がどうであれ、無関係ではない。

 スイス中銀はユーロに対するフランの上限を守ることに尽力しているようだった。実際、「スイスフランショック」直前の数週間の発言機会では、相場の上限防衛の決意を明らかにしており、中銀の政策は長期的なものだと市場参加者に確信させたはずだった。市場の圧力に直面したため、この政策を転換するという突然の衝撃的決定を受け、投資家は、中央銀行の明白な保証をどこまで信頼できるのか、という疑問が浮上している。

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AOIAフェローのDataと小勝負からでした。今回は、以上になります。

【※】当ブログ記事は、AOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は、飽く迄もAOIA株式会社のスタッフが個人的予測に基づき作成した資料であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。当資料中に記載している内容、数値、図表、意見等は資料作成時点のものであり、今後予告なく変更することがあります。当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。当資料をもとにお客様が金融商品取引行為を行われた場合、金利、通貨の価値、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として生じる利益あるいは損失は、すべてお客様に帰属します。


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